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THE FLUTE vol.194 Close Up
フルートを、音楽を、より楽しむために。理論に基づいた身体の使い方を広めたい
フルート奏者の段田尚子さんと理学療法士の須永遼司さん。二人がスタートさせた「ボディチューニング」は、無理なく身体が使えるよう、それぞれプロの目からアプローチする新しいメソッドだ。身体の痛み・歪みや、呼吸の浅さで悩む人が多い現代、そのニーズに合った「ボディチューニング」についてお話を伺った。
フルートを、音楽を、より楽しむために。
理論に基づいた身体の使い方を広めたい。
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ボディチューニングを始めたきっかけを教えてください。
段田
私は長らく肩こり症で、学生時代から接骨院に行くなどしていたのですが、あるとき腱鞘炎になってしまいました。家の近くのクリニックを受診、リハビリでたまたま担当してくださったのが須永先生だったんです。
その後、腱鞘炎そのものは治ったのですがまだ解消しない部分もあったので、楽器を持ち込んで通いました。毎回楽器の構え方からチェックしてくださって、姿勢の細かいところまでみていただくと、身体のいろいろな筋肉が弱って使えていない、逆にどんどん力が入ってしまうのだということが分かってきました。フルートの方たちは皆さん悩んでいるし、レッスンで「姿勢が悪い」と言われるけれど、実際にそれをどう改善したらいいか分からないんですよね。だからなんとか広めたいと強く思い、一度大学の教え子たちを中心に、簡単な講座を須永先生に行なっていただきました。すると好評で、参加者からは「個別レッスンをしてほしい」と要望があったんです。当時はクリニックの中でやらせてもらっていて音も出せなかったので、そこから手探りで始めました。身体を感覚的にいい方向へどんどん教育して、音楽は音楽で集中していくというふうに攻めていったほうが、シンプルで効率がいいなと思ったのが決め手です。
その後、腱鞘炎そのものは治ったのですがまだ解消しない部分もあったので、楽器を持ち込んで通いました。毎回楽器の構え方からチェックしてくださって、姿勢の細かいところまでみていただくと、身体のいろいろな筋肉が弱って使えていない、逆にどんどん力が入ってしまうのだということが分かってきました。フルートの方たちは皆さん悩んでいるし、レッスンで「姿勢が悪い」と言われるけれど、実際にそれをどう改善したらいいか分からないんですよね。だからなんとか広めたいと強く思い、一度大学の教え子たちを中心に、簡単な講座を須永先生に行なっていただきました。すると好評で、参加者からは「個別レッスンをしてほしい」と要望があったんです。当時はクリニックの中でやらせてもらっていて音も出せなかったので、そこから手探りで始めました。身体を感覚的にいい方向へどんどん教育して、音楽は音楽で集中していくというふうに攻めていったほうが、シンプルで効率がいいなと思ったのが決め手です。
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それまで須永先生の患者さんで、フルート奏者や楽器をやられている方はいらっしゃったのでしょうか?
須永
愛好家や趣味でピアノなどをやっている方はいらっしゃいましたが、プロのフルート奏者は初めてでしたね。最初は少しドギマギしながら対応させていただいたのですが、段田さんがとても素晴らしい方だったので馴染めて、「じゃあ僕もガンガン行こう」と。おそらく相性が良かったのだと思います(笑)。
段田
そうですね(笑)。須永先生はすごく勉強してくださっているし、例えばフルートの上手な方のYouTubeを見ると、私たちはその音楽を聴いてしまうじゃないですか。しかし彼は「このフルート奏者のこの動き方は、とても理に適っているんだよ」と音を消して私に見せるんですよ。それで「それにはやっぱりこういう筋肉が必要なんだよ」と説明してくださるので、その点も新鮮に感じます。スポーツ界では「身体が資本」という考え方がちゃんとあって、最大限のパフォーマンスをするために、専門の理学療法士さんや栄養士さんがいらっしゃいますよね。けれど音楽界は未だに「それぞれの自己責任」という風潮が強いように思います。
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Profile
段田尚子 Naoko Tanda
ニューヨーク州スカースデールのホフ・バーセルソン音楽学校(Hoff-Barthelson Music School)でフルートを始める。上野学園大学在学中、コロラド州アスペン音楽祭に奨学金を得て参加する。大学卒業後、イタリアへ留学。ミラノ市立音楽院ポストディプロマコース修了。音楽祭など、イタリア各地でデュオリサイタル、室内楽コンサートに出演。帰国後は演奏活動の傍ら、上野学園中学校・高等学校及び大学でフルート専門生を指導、銀座十字屋ハープ&フルートサロンで主にフルート愛好家を指導。 門下生発表会「小さな花」を20年近く開催している。 イタリアで開催されたラファエレ・トレヴィザーニ国際夏季フルートセミナーにてアシスタント講師、イタリアフルート協会主催国際フルートセミナーFALAUT CAMPUS(サレルノ大学)の講師を務め、国際的な教育現場にも携わる。 リサイタルシリーズ「様々な空の下で」を主宰。 故野口龍氏、ラファエレ・トレヴィザーニ氏に師事。 日本演奏家コンクール、日本クラシックコンクールなどの審査員を務める。
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