片山士駿のNYジャズ便り 第2回
Manhattan School of Musicの大学院で修士課程を進めているジャズフルーティストの片山士駿による連載がフルートオンラインでスタート!大学院のことや演奏会のことニューヨークの音楽事情などをお届けする。
2019年大晦日のニューヨークは、若干天気が危ぶまれたものの、なんとか持ちこたえ新たな年を迎えたのだった(去年は雨でした)。 タイムズスクエアは日中から交通、入場規制がかかるほどの相変わらずの混雑具合でとても足を運ぶ気にはならず、僕はその様子を中継するライブカメラを見ながら、日本から持ってきてもらった緑のたぬきを年越し蕎麦に、それをズルズルと啜りながらその瞬間を見守っていたのだった。2020年になったその瞬間には中継の映像から「蛍の光」が流れたので、新しく年が始まったんだか、早速閉店しちゃうんだか、なんだかよくわからない気持ちになったものの、次の瞬間にはフランク・シナトラの『New York, New York』が景気良く聞こえてきたので、2回目の年越しながら、あぁニューヨークで年を越したのだなぁとミーハー的に思うのであった。
さて、今回はニューヨークの音楽シーンを支えるホールやジャズ・バーについてである。数多ある素敵なスポットの中からほんの一部を取り上げるに過ぎないが、皆さんがニューヨークへいらっしゃる際に少しでもお役立ていただけたら幸いである。
まずはニューヨークの最も歴史の古いジャズ・バー、The Village Vanguardについて。皆さんは、”ビレバン”をご存知だろうか。日本ではすっかり雑貨等も扱う書店としてお馴染みのようだが、本家Village Vanguardは半世紀以上に渡り、同じ地でニューヨークのジャズシーンを支えている歴史あるナイトクラブなのである。
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片山士駿
Shun Katayama
国立音楽大学ジャズ専修首席卒業、矢田部賞受賞。マンハッタン音楽院修士課程修了。第46回山野ビッグバンドジャズコンテスト最優秀ソリスト賞を受賞。米国フルート協会NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player選出。The 43rd Detroit Jazz Festival出演。自己ユニットでの演奏の他、様々なレコーディングへの参加等、幅広く活動を展開している。
片山士駿