片山士駿のNYジャズ便り 第6回 〜Memories
秋がもうすぐそこまで来ているようである。この夏から秋に移り変わるこの時期というのは実に趣きがあって良い。夏は蝉の声の騒々しさに暑さも増して感じられたものだが、折り返す頃になると聞こえる夕暮れ時の蜩の鳴き声の切なさと、晩夏からこの時期くらいまで、夜な夜な聞こえる鈴虫の音を聞くと、あぁ日本に帰ってきてよかったな、などとしみじみ思うのである。
……さて、今回から新章突入。ということで志はそのまま、内容はよりバラエティに富んだものになるよう、気持ちを新たに綴らせていただく所存である。
前回はコロナ禍の中、如何にこれから活動をしてゆくか、ということについて触れた。私事で恐縮ながら、大変に有り難いことに、僕はその後幾たびか皆さんの前で演奏出来る機会をいただいた。自己のカルテットでの演奏、三遊亭小遊三さんのデキシーランド・ジャズバンド、ピアニスト小曽根真さんとの共演、などなど。大変な時期ながら、演奏する機会をいただけること、そして各公演に足をお運びくださる皆様のおかげで、こうして音楽をする事ができると痛感する毎日である。本当に本当に、ありがとうございます。
できることなら、今述べた方々との写真をこちらにも掲載したいところなのだが、そこはオトナの事情。お手数ですが、気になった方は僕のTwitter或いはInstagramをご覧くださいますよう、そして是非そのままフォローしていただきますよう、謹んでお願い申し上げマス。然し何より幸いなのは、こうして皆さんの前で演奏させていただきながらも、今のところ演者、お店の方、聴きに来てくださった方、どなたも一切コロナウイルスに無縁であるという点である。これは一重に、一丸となった対策が功を奏している為であると信じたい。そして引き続き気を引き締めて、演奏活動をして参ります。
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片山士駿 (かたやま しゅん)
1995年 千葉県市川市出身。国立音楽大学ジャズ専修 首席卒業。矢田部賞受賞。Manhattan School of Music修士課程修了。第46回山野ビッグバンドジャズコンテストにて、最優秀ソリスト賞を受賞。第20回、第21回 太田市ジャズフェスティバルに於いてソリスト賞を受賞。National Flute Association主催 44th Annual Convention, Jazz Artist Competitionに於いて、同部門では邦人初のWinner Playerに選出。ジャズを音楽的背景に持ち、自己のプロジェクトを行なう他、様々なアーティストのレコーディングやライブのサポートへ参加している。YAMAHA Z アーティスト。
これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。
主な共演歴: 小曽根真、佐山雅弘、山下洋輔、井上 智、井上陽介 等
片山士駿
Shun Katayama
国立音楽大学ジャズ専修首席卒業、矢田部賞受賞。マンハッタン音楽院修士課程修了。第46回山野ビッグバンドジャズコンテスト最優秀ソリスト賞を受賞。米国フルート協会NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player選出。The 43rd Detroit Jazz Festival出演。自己ユニットでの演奏の他、様々なレコーディングへの参加等、幅広く活動を展開している。