片山士駿のNYジャズ便り 第8回 〜Memories
東京は新年始まって早々の緊急事態宣言の再発令、そして延長戦へ突入。発令直前の1月4日に自己のリーダーライブで演奏初めをして以降、お客さまの前で演奏する機会は軒並みキャンセルと相なった。思い返せば、昨年の年始はウエスト・ハーレムの自室でせめて日本式の年越しをと思い、緑のたぬきをズルズルとすすりながら年を越していたのに(※連載第2回参照)、今年は天ぷらまで乗せたゴーセイな年越し蕎麦を拵えて準備万端で年越しを迎えたにも関わらず、自粛自粛の声の中、なんだか心の寂しい心持ちで鳴らない除夜の鐘の数を勘定したのであった。
そしてあっという間にもう如月、近所の公園には梅の花が芽吹いている。
すっかり緊急事態宣言に出鼻を挫かれてしまい、今回の連載に書こうと思っていたイベントも流れてしまった僕は、さてどうするものかと悩んでいたのであるが、幸いにも無観客ながら配信という形で実施することのできたライブがあるので、今回はそれについて綴ることとする。
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片山士駿 (かたやま しゅん)
1995年 千葉県市川市出身。国立音楽大学ジャズ専修 首席卒業。矢田部賞受賞。Manhattan School of Music修士課程修了。第46回山野ビッグバンドジャズコンテストにて、最優秀ソリスト賞を受賞。第20回、第21回 太田市ジャズフェスティバルに於いてソリスト賞を受賞。National Flute Association主催 44th Annual Convention, Jazz Artist Competitionに於いて、同部門では邦人初のWinner Playerに選出。ジャズを音楽的背景に持ち、自己のプロジェクトを行なう他、様々なアーティストのレコーディングやライブのサポートへ参加している。YAMAHA Z アーティスト。
これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。
主な共演歴: 小曽根真、佐山雅弘、山下洋輔、井上 智、井上陽介(敬称略)等
片山士駿
Shun Katayama
国立音楽大学ジャズ専修首席卒業、矢田部賞受賞。マンハッタン音楽院修士課程修了。第46回山野ビッグバンドジャズコンテスト最優秀ソリスト賞を受賞。米国フルート協会NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player選出。The 43rd Detroit Jazz Festival出演。自己ユニットでの演奏の他、様々なレコーディングへの参加等、幅広く活動を展開している。