フルート記事 フルートとピアノ、理想の関係│上野由恵
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THE FLUTE vol.175 特集

フルートとピアノ、理想の関係│上野由恵

ARTIST

今号のCoverStoryにも登場した上野由恵さん。普段演奏活動をする中で感じる、ピアノとの理想のコンビネーションについて、語っていただきました。
また、上野さんのHPに寄せられたピアノ伴奏に関する質問も、ここで紹介します。

今号のCoverStoryにも登場した上野由恵さん。
普段演奏活動をする中で感じる、ピアノとの
理想のコンビネーションについて、語っていただきました。

 

曲の中で最も大事な和声進行とかベースラインなどは、ピアノパートがすべて受け持っています。ですから、フルート奏者にとってピアノは“一歩下がってついてきてくれる”関係ではなくて、一緒に音楽を作っていくコンビであると同時に、そうやって作り上げていく音楽に醍醐味があるし喜びでもあると思います。

和声進行とかベースラインを受け持つということは、音楽の流れを握っているということ。その流れに乗ってフルートがメロディを奏でるという形で演奏ができると、それがいちばん理想の形なのではないでしょうか。

フルートがリードしてピアノは合わせてくれる、というのではなく、コミュニケーションしながら一緒に音楽をつくっていく関係であるという意味では、ほかの楽器とのアンサンブルと同じなのだと私は考えています。(次ページへ続く)

Profile
上野由恵
Yoshie Ueno

東京藝術大学をアカンサス音楽賞を得て首席卒業。同大学大学院修士課程修了。第76回日本音楽コンクール第1位、岩谷賞(聴衆賞)、加藤賞、吉田賞、E・ナカミチ賞。第2回東京音楽コンクール第1位。第15回日本木管コンクール第1位、コスモス賞(聴衆賞)、兵庫県知事賞、朝日新聞社賞。第1回北京ニコレ国際フルートコンクールセミファイナリスト。2005年と2016年には皇居内にて御前演奏の栄に浴す。2008年には、首相官邸での日中首脳会談晩餐会にて演奏。各地での演奏活動の他、「NHK名曲アルバム」、「NHK-FM名曲リサイタル」、「N響広場」、「気ままにクラシック」等、多数のラジオやテレビ番組に出演。2011年オクタヴィア・レコードよりデビューCDを2枚同時リリース。これまでに計10枚のCDをリリースし、『レコード芸術』特選盤、朝日新聞特選盤等に選ばれる。2016年はアメリカを拠点として、ワシントンでのソロリサイタルやカーネギーホールでのソロ演奏など、各都市で公演を重ねる。2017年秋よりパリに拠点を移し、フランス及びヨーロッパ各国で活動。2018年夏に完全帰国。2018年S&Rワシントン賞を受賞。 公式WEBサイト https://www.yoshieueno.com

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