フルート記事 ハーメルンは笛吹き│第5回
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THE FLUTE vol.180

ハーメルンは笛吹き│第5回

LESSON

ハーモニーの研究から水滴除去のための画期的なグッズ発明まで、フルートにかかわるあれこれを日々考え続ける“ハーメルン渡邊”がお送りする連載。つい追いかけていきたくなる探求世界へ、あなたを案内します♪

ハーメルン渡邊(渡邊哲夫)
国立音大フルート科卒。金昌国、故高橋安治、石原利矩の各氏に師事。合唱指揮を故H.Jコルロイター、齋藤指揮法を高階正光、オーケストラ指揮を故クルト・レーデル各氏に師事。83年OAGドイツ文化会館にて指揮リサイタルを行なう。フルート協会主催デビューリサイタルに出演。東京ゾリステン「コンチェルトシリーズ」に二度共演。1988年吹奏楽コンクールで足立区立東島根中を僅か6回の指導で金賞を獲得。2000年よりクレール木管五重奏団を主宰。2008年世界初正しいハーモニーを作るメソッド「これが差音だ」を完成。ヤマハ講師。自称蕎麦打ち名人。

くさび音形で吹く

第4回で予告しましたピリオド奏法とは、バロック時代より以前の音楽を指しており、作品が作られた時代(ピリオド)を意味しています。
ひとつだけお断りしますと、ここで私はあなたにピリオド奏法を学んでもらい、バロック時代より前の奏法に戻そうなどと大それた考えはまったくありません。むしろ、ピリオド奏法のほんの一部をクローズアップして解説したいと考えているのです。ですから、それは知っているよ!とおっしゃる方は、どうぞ読み飛ばしてください。

さて、私がかつて青山通りで吹奏楽団の行進曲を聴いてこれダッ!と思い知らされた演奏とは、1拍1拍の音が短めでした。図形で書きますと図1で示す音形です。しっかりアタックされて強目に出た音は減衰し、次の音との間には空間があります。これを実際に演奏してみると、基礎ができている人とそうでない人では明確な差が出ます。つまり、強目に出るには腹部のしっかりした支えとタンギングの溜めが必要であり、直後にはその支えを解放しなければなりません。そうでない人の場合は、図2または図3のようになることが長年の指導経験で証明されています。

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