フルート記事 映画×音楽 ─いちばん身近な非日常─
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【前編】アニメ映画全盛!心に残るあの音楽

映画×音楽 ─いちばん身近な非日常─

MUSIC

映画は、私たちのいちばん身近にある非日常空間。365日、いつでも入っていける映像と音楽が織りなす世界。そんな映画をすばらしいエンターテインメントに仕上げる映画音楽を、もっと楽しむための特集です。まずはここ数年の映画ランキングとともに、その中に登場する音楽を見ていきましょう。

《音楽は映画の魂だ》《音楽次第で映画のメッセージが変わったり、破壊されかねない》―ドキュメンタリー映画「すばらしき映画音楽たち」の中で、ハリウッド映画の音楽に携わってきた映画人・巨匠たちはそんなコメントを残しています。
映画は、私たちのいちばん身近にある非日常空間。365日、いつでも入っていける映像と音楽が織りなす世界。
そんな映画をすばらしいエンターテインメントに仕上げる映画音楽を、もっと楽しむための特集です。

アニメ映画全盛期! 心に残るあの音楽

昨年(2020年)メガヒットとなった映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、2021年現在、日本歴代興行収入第1位を記録している。もともとアニメ化された漫画作品の中の一編という位置づけにもかかわらず、老若男女が劇場に足を運ぶという現象を巻き起こした。
“鬼”が存在する大正時代という舞台で、様々な過去や業を背負いつつ使命を帯びた若者たちが、難攻不落の鬼たちと戦い続けるというストーリー。クライマックスとなる戦いのシーンや、登場人物たち―異形の者である鬼ですらも―一人ひとりにまつわる過去の悲しい出来事などの見せ場は、やはりエモーショナルな音楽に彩られている。映画とともに大ヒットとなった主題歌『炎(ほむら)』(LiSA 歌)、またTV版で使われこれもヒット曲となった『紅蓮華』(同じくLiSAによる)の効果も、作品自体の人気に影響していることは間違いない。

ここ数年の映画のヒット作ランキングを見てみると、上位にランクインしているのは、圧倒的にアニメ作品が多い。
今年2021年から2018年まで遡り、ヒット映画ランキングを見てみると……

2018年
位 ボヘミアン・ラプソディ

位 劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―

位 名探偵コナン ゼロの執行人

 

2019年
位 天気の子

位 アラジン(実写版)

位 トイ・ストーリー4

 

2020年
位 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

位 アナと雪の女王2

位 スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

 

2021年(上半期)
位 シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

位 名探偵コナン 緋色の弾丸

位 竜とそばかすの姫

 

アニメ強し! ちなみに、これより前の年度では、1位のみになるが2017年は「美女と野獣」、2016年は「君の名は。」である。2017年版「美女と野獣」は実写だが、もともとディズニーの大ヒットアニメだった。
アニメ映画というのは、その世界観と音楽のつながりが殊に深い。「鬼滅」のみならず、どの作品も“アニソン”と一体化し、作品のヒットはテーマ曲のヒットにもつながっている。その意味では、珍しく1位がアニメ作品でなかった2018年の「ボヘミアン・ラプソディ」も、クイーンというロックバンドとボーカリストのフレディ・マーキュリーにスポットを当てた、ミュージシャンありきのストーリーだ。タイトルからして曲名でもあり、音楽と一体化したアニメ作品とそのあり方は似ているのかもしれない。

では、1位の作品を中心に、2018年から順番に映画とその中に登場する音楽を見ていこう。

 

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