第2回│ジャンルのバリア
新年おめでとうございます。令和になって早くも4年となりました。コロナの影響で帰国を決めてから、次の3月で2年が経とうとしています。光陰矢の如し、まったく早いものですなあ。 帰国当初はどうなることかと思っておりましたが、昨年は大変嬉しいことに、クラシックのフィールドで活躍されている素晴らしいフルート奏者の皆さんと一緒に音を出す機会をたびたび頂戴し、刺激をいただきまくった1年でした。
普段活動しているフィールドが異なる皆さんとクロスオーバーすると、リハーサルから終演まで、学びの連続であります。楽器の響かせ方、鳴らし方のコンセプションについても、やはりジャズとクラシックのそれとは大きく違うことに気が付かされました。ジャズ・クラブは残響効果があまりない、所謂デッドな環境であることが多く、アコースティックな楽器編成であれどマイクを使う場面が多いのです。ライブでは歌口の辺りにマイクを当てがって演奏しますから、「響きより発音された音そのものをどのようにマイクで拾わせるか」という部分を意識します。会場の響きより、ピアノ、ベース、ドラムとの音量のバランスに気をつけながら、カルテット全体のサウンドを考えるわけなのです。そのため、今回コンサートサロンの響きと、同属楽器同士のハーモニーを感じながら吹かせていただいたのは、これまであまりない経験でしたので、大変に楽しい時間でした。
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片山士駿 (かたやま しゅん)
1995年千葉県出身。国立音楽大学ジャズ専修 首席卒業、矢田部賞受賞。Manhattan School of Musicにて修士課程修了。2015年 第46回山野ビッグバンドジャズコンテスト、最優秀ソリスト賞受賞。フルート奏者の受賞は大会史上初。第20回太田市大学ジャズフェスティバル、ソリスト賞受賞。2016年、米国フルート協会 NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Playerに日本人として初選出。2018年、マンハッタン音楽院へ入学しニューヨークへと渡る。2020年、新型コロナウイルスの影響により帰国。現在、自己のプロジェクトで演奏活動する他、様々なミュージシャンへのサポートやレコーディングへの参加、ビッグバンドやオーケストラへの作編曲も手掛ける等、活動は多岐に渡る。これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。作編曲をMiguel Zenón氏に師事。YAMAHA Zアーティスト。Jazz Arts Ensemble of Tokyo 副代表。
主な共演歴: 井上陽介、小曽根真、菊池ひみこ、佐山雅弘、山下洋輔、にゅうおいらんず、ルルルルズ等(敬称略)
片山士駿
Shun Katayama
国立音楽大学ジャズ専修首席卒業、矢田部賞受賞。マンハッタン音楽院修士課程修了。第46回山野ビッグバンドジャズコンテスト最優秀ソリスト賞を受賞。米国フルート協会NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player選出。The 43rd Detroit Jazz Festival出演。自己ユニットでの演奏の他、様々なレコーディングへの参加等、幅広く活動を展開している。