第10回│書く書くしかじか
オンライン版THE FLUTEで連載が始まってからもう数年になりますが、時折ライブに聞きに来てくださった方や、ミュージシャンの仲間から、「連載読んでますよ」と声をかけていただけることがあります。またあるいは「本はたくさん読まれるんですか？」と質問をいただくこともあります。実はまったく本の虫なんてことはありませんで、読むようになったのも大学を卒業したあとくらいからで、それまではどちらかと言えば読書は苦手なほうでした。中高生の頃は、夏休みになると勇んで本を読もうなどと意気込んで、ランパルやゴールウェイやらの分厚い自叙伝的な単行本を買っては、序盤の何章かを読むものの、読み切らずに飽きて本棚の飾りになるのが常でした。本当に申し訳ない。 いまだに長編を読むのはどうも苦手で、読むのはほとんど1冊で完結する文庫や、短編集のようなものばかりです。面白ければ、時間があるときに一気に読み切ってしまえるし、短編集ならば電車なんかで移動しているときにも読みやすい。
文章の書き方を習ったのも小学校の頃の作文の授業くらいで、あとはこれといって誰かに教わったりしたこともないので、果たしてまったくのシロウトである自分が文章を書いてもいいのだろうか？という一抹の不安を覚えながら、今日もポチポチとMac Book Airのキーボードを叩くのです。
読み切ったものもあるけど、あるけど……ゴールウェイ先生そんな眼でこっちを見ないで……>>次のページへ続く
片山士駿 (かたやま しゅん)
1995年千葉県出身。国立音楽大学ジャズ専修を首席で卒業、矢田部賞受賞。Manhattan School of Music 修士課程を修了。2015年、第46回山野ビッグバンドジャズコンテストにて最優秀ソリスト賞を受賞。フルート奏者の受賞は大会史上初。2016年、米国フルート協会 NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player に選出される。2018年、マンハッタン音楽院へ入学しニューヨークへと渡る。2020年、新型コロナウイルスの影響により日本へ帰国。都内を中心に、自己のリーダーカルテットや、浅利史花(gt), 壷阪健登(pf)と結成した“キリヱ”での演奏活動の他、文化放送70周年記念「朗読劇 WA-GEI 」、「映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート！ and 大野雄二・ベスト・ヒット・ライブ！」等、様々なライブやレコーディングへの参加、TV 出演など、活動は多岐にわたる。これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。
主な共演歴：小曽根真、菊池ひみこ、佐山雅弘、山下洋輔、にゅうおいらんず等（敬称略）
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