第15回│夜中に恋文書くことなかれ
“恋文は夜中に書かないほうがいい”と申しますが、めっぽう夜型の筆者としては夜中のほうが何かと作業が捗ります。作・編曲がその最たるもの、逆に日中は曲のアイデアを散文のようにメモする程度で、それらをまとめて曲にする作業は、まず夜中のほうがいろいろと思い浮かんで、うーんと進められたりするんですよね。本業作曲家の先生方は、昼夜問わずにアイデアが漲ってかけてしまうのかもしれませんが.….. 恋文は夜中に書かないほうがいいかもしれないけど、夜中に曲を書くのはそんなに悪くないと個人的には思います。ところで令和のナウなヤングたちはラブレターなんて書くのかしら。LINEやソーシャル・ネットワークのDMなんかでヒョイと伝えることもできるけど、自分の気持ちを自分の文字や言葉で伝えてくれたら、相手もきっと嬉しいですよ。まぁ僕、ラブレター貰ったことないんだけどさ。
そんなわけで、ここ1ヶ月ほどは夜な夜なビッグバンドのための曲を書いておりました。今回はフルートの世界にはちょっと馴染みが薄いようで、実はそんなこともないビッグバンドに関するお話です。
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片山士駿 (かたやま しゅん)
1995年千葉県出身。国立音楽大学ジャズ専修を首席で卒業、矢田部賞受賞。Manhattan School of Music 修士課程を修了。2015年、第46回山野ビッグバンドジャズコンテストにて最優秀ソリスト賞を受賞。フルート奏者の受賞は大会史上初。2016年、米国フルート協会 NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player に選出される。2018年、マンハッタン音楽院へ入学しニューヨークへと渡る。2020年、新型コロナウイルスの影響により日本へ帰国。都内を中心に、自己のリーダーカルテットや、浅利史花(gt), 壷阪健登(pf)と結成した“キリヱ”での演奏活動の他、文化放送70周年記念「朗読劇 WA-GEI 」、「映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート! and 大野雄二・ベスト・ヒット・ライブ!」等、様々なライブやレコーディングへの参加、TV 出演など、活動は多岐にわたる。これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。
主な共演歴:小曽根真、菊池ひみこ、佐山雅弘、山下洋輔、にゅうおいらんず等(敬称略)