第16回│In N’ Out
新学期、新年度が始まって1ヶ月になりました。この文章が出る頃はやっとこさ花粉も落ち着いて、ゴールデンウィーク真っ只中といったところでしょうか。新年度も引き続き、ご旅行の移動中や練習の合間の休憩時間などに、拙エッセイにお付き合いをいただけましたら幸いです。
どういうわけだか、僕のことを「利発そうである」「勤勉そうである」「賢そうである」と言ってくださる方が時折いらっしゃいます。自分自身の風体からなのか、あるいはこうして綴ったり話したりする言葉からなのか、はたまたプライベートではメガネだからなのか、皆目見当がつきません。皆さんからお褒めの言葉としてそのように言っていただけるのは大変にありがたいのものの、実際のところは非常に没落しているのであって、そのように言っていただけるような立派な人間ではないのです。早い話がポンコツなのです。最初は真面目そうと思われて、付き合いが長くなるにつれてガッカリされていく、非常に残念なタイプです。実は今回も元々書く予定だったネタの写真をうっかり撮り忘れており、急遽他のネタに変更しました(編集のTさん、ごめんなさい)。 しかし、来年に齢30を控えたポンコツ、ある日こう思いました。「このままではダメ人間まっしぐらなのではないか……? 」年を重ねるごとに、学生のときに、若いうちにやっておけばよかった、と思い当たることも出てきました。これではいかん。今が一番若いのだ。ということで体たらくに浪費していた時間を、ちゃんと使えるようにしようと思い立ち、今年に入ってから始めたことがいくつかあります。そのうちの一つで、最近また英語を勉強しているのですが、今改めて勉強し直す過程で気がついたことがありました。
>>次のページへ続く
片山士駿 (かたやま しゅん)
1995年千葉県出身。国立音楽大学ジャズ専修を首席で卒業、矢田部賞受賞。Manhattan School of Music 修士課程を修了。2015年、第46回山野ビッグバンドジャズコンテストにて最優秀ソリスト賞を受賞。フルート奏者の受賞は大会史上初。2016年、米国フルート協会 NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player に選出される。2018年、マンハッタン音楽院へ入学しニューヨークへと渡る。2020年、新型コロナウイルスの影響により日本へ帰国。都内を中心に、自己のリーダーカルテットや、浅利史花(gt), 壷阪健登(pf)と結成した“キリヱ”での演奏活動の他、文化放送70周年記念「朗読劇 WA-GEI 」、「映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート! and 大野雄二・ベスト・ヒット・ライブ!」等、様々なライブやレコーディングへの参加、TV 出演など、活動は多岐にわたる。これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。
主な共演歴:小曽根真、菊池ひみこ、佐山雅弘、山下洋輔、にゅうおいらんず等(敬称略)