魔法のタファネル=ゴーベール/基礎練習Q&A
フルーティストのバイブル「タファネル=ゴーベール」は楽譜を見ると一見難しそうですが、工夫することで愛好家の皆さんにも役立ちます。そのアイデアをご提案します。また、普段疑問に感じている基礎練習の質問にフルーティストのみなさんが答えてくれました。
魔法のタファネル=ゴーベール
この特集で相澤政宏さんや丸田悠太さんの本文にあった「タファネル=ゴーベール」。これはポール・タファネルとフィリップ・ゴーベールの二人の音楽家が書いた「17の日課大練習」というメソードの通称です。現在、フルーティストにとってはバイブルとも言われるほど、重要なテクニカルメソードとなっています。
THE FLUTEでは109号から115号にわたり、名曲『アルルの女』より「メヌエット」をレパートリーにするために、タファネル=ゴーベールを活用した練習法を提案してきました。
その連載の中から基礎練習に特化した部分をPICK UPし、改めて紹介しましょう。
※THE FLUTE109号~115号より再構成
全部が無理でも必要な部分だけ取り出す
実際にタファネル=ゴーベール(以下TG)の楽譜を目にしたときの第一印象は「音符が多い!」ということでしょう。フルーティストやフルーティストを目指す音大生にとって必須のアイテムと言うぐらいですから、一つのメソードが長く、初心者が通して練習するには体力的にも無理があります。だからといって、専門家たちだけの教則本にしておくのはもったいない! 全部が無理なら、必要な部分だけを取り出して練習すればいいのです。
『アルルの女』より「メヌエット」(以下『アルルの女』)のフルートパートの冒頭にミ♭ファソラ♭シ♭~という部分があります。ここが上手くいかない場合、TGの中から似たような音形を探してみると……1番にありました。これを見やすく書いたものが譜例1です。
まず譜例1を♩=80ぐらいのゆっくりなテンポで吹いてみましょう。この譜例を使ってリズムやテンポを変化させるなど工夫して練習すれば『アルルの女』の冒頭がスムーズに吹けるようになるはずです。