日本のオーケストラのことを知ろう 第三弾
今号では群馬交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、日本センチュリー交響楽団の4団体をフルート奏者のアンケートとともに紹介しよう。
群馬交響楽団
GUNMA SYMPHONY ORCHESTRA
1945年戦後の荒廃の中で文化を通した復興を目指して創立 、1955年「群響」をモデルに制作された映画「ここに泉あり」が公開され、全国的に注目を集めた。1947年から始めた移動音楽教室は、2022年度までに延べ646万人を超える児童・生徒が鑑賞した。
また2019年9月開館の「高崎芸術劇場」に活動拠点を移し、2023年4月に就任した飯森範親常任指揮者のもと、さらなる演奏活動の飛躍・向上を目指し、2024年に定期演奏会第600回、2025年に創立80周年を迎える。
1966年「朝日・明るい社会賞」
1983年 文部大臣「地域文化功労者」団体表彰
1989年 第11回山本有三記念「郷土文化賞」
1994年「日本文化デザイン賞」
1995年「第4回日本生活文化大賞特別賞」
2003年 日本放送協会「関東甲信越 地域放送文化賞」
2017年「県民芸術祭40周年記念表彰」
2021年「サントリー地域文化賞」
オーケストラ事務局より 群馬県高崎市の魅力
東京から新幹線でわずか50分に位置する「音楽のある街」群馬県高崎市。2019年オープンした高崎芸術劇場を本拠地として、県内各地で活動を行なっています。群馬の3大名物といえば「温泉」「空っ風」「小麦」です。草津、伊香保など世界に誇る「温泉」文化、冬に吹く冷たく乾いた風「空っ風」は、焼きまんじゅう、高崎パスタ、水沢うどんなどの「小麦」文化の発展にもつながっています。「群響を聴いて、温泉に入り、まんじゅうを食べる」そんな楽しい時間を過ごせる素敵な街です。(音楽主幹 上野喜浩)
日本フィルハーモニー交響楽団
JAPAN PHILHARMONIC ORCHESTRA
1956年6月創立。質の高い音楽を届ける「オーケストラ・コンサート」、音楽との出会いを広げる「エデュケーション・プログラム」、音楽の力で様々なコミュニティに貢献する「リージョナル・アクティビティ(地域活動)」という三つの柱に加え、2011年の東日本大震災以来「被災地に音楽を」届ける活動を継続している。
首席指揮者カーチュン・ウォン、桂冠名誉指揮者小林研一郎、桂冠指揮者兼芸術顧問アレクサンドル・ラザレフ、フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)広上淳一という指揮者陣を中心に年間150回を超えるオーケストラ公演を行なう。
芸術性と社会性を両輪とし、「温かさ」「人に寄り添う」土壌を大切にしながら、あらゆる人々へ、世代へ、地域へ、音楽の持つ様々な力を社会に活かしていくことを目指している。
オーケストラ事務局より 東京都杉並区の魅力
日本フィルは1994年より東京都杉並区と友好提携を結び、オーケストラは荻窪にある杉並公会堂を本拠地に、事務所は高円寺に所在しています。ちょうど区の真ん中を中央線が走り、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪とそれぞれ個性的で、グルメも緑も文化も魅力的な街が広がります。杉並公会堂でのオーケストラ公演に加え、区役所ロビーコンサート、公開リハーサル、出張コンサート等、区民の皆さんが身近なところで日本フィルの音楽に触れる機会を創り出しています。
東京交響楽団
TOKYO SYMPHONY ORCHESTRA
1946年東宝交響楽団として創立。文部大臣賞をはじめとした日本の主要な音楽賞のほとんどを受賞。川崎市、新潟市と提携し、コンサートやアウトリーチを積極的に展開するほか「こども定期演奏会」等の教育プログラムも注目されている。新国立劇場のレギュラーオーケストラとして毎年オペラ・バレエ公演を担当。ウィーン楽友協会をはじめ海外公演も数多く行なう。ITへの取組みも音楽界をリードし、2020年ニコニコ生放送でライブ配信した無観客演奏会は約20万人が視聴、2022年12月には史上最多45カメラによる《第九》配信も注目を集めた。音楽監督ジョナサン・ノットとともに日本のオーケストラ界を牽引する存在として高く評価され、音楽の友誌「コンサート・ベストテン」において、《サロメ》(2022年)は第2位に、《エレクトラ》(2023年)は第1位に選出された。
オーケストラ事務局より 神奈川県川崎市の魅力
「音楽のまち・かわさき」の魅力は、やはり私たちの本拠地、ミューザ川崎シンフォニーホール!世界有数の音響を誇り、最高峰の音楽芸術を創造・発信する場所として、世界中の音楽家から愛されるこのホールで、東京交響楽団はリハーサル、演奏会を行なっています。「音楽のまち・かわさき」のシンボルとして、誰もが文化芸術に親しみ、音楽に触れる楽しさを共有することができる場所、ミューザ川崎シンフォニーホールに是非お越しください。
日本センチュリー交響楽団
JAPAN CENTURY SYMPHONY ORCHESTRA
1989年に活動を開始し、大阪府・豊中市を拠点に活動するオーケストラ。現在、飯森範親が首席指揮者、秋山和慶がミュージックアドバイザー、久石譲が首席客演指揮者(2025年4月より音楽監督就任予定)を務める。ザ・シンフォニーホールで開催するシンフォニー定期演奏会、ハイドンの交響曲全曲演奏・録音プロジェクト「ハイドンマラソン」に加えて、豊中市立文化芸術センターでの名曲シリーズを展開する。オーケストラ体感コンサート「タッチ・ジ・オーケストラ」、ユースオーケストラの運営といった教育プログラム、「豊中まちなかクラシック」(豊中市)、「ルシオール街かどコンサート」(滋賀県守山市)等の地域連携事業にも力を入れている。
2024年12月に楽団創立35周年を迎える。
オフィシャル・ホームページ https://www.jcso.or.jp
オーケストラ事務局より 大阪府豊中市の魅力
センチュリーの練習場がある服部緑地は、緑溢れ四季折々の草花が咲き誇る豊かな自然に囲まれています。リハーサルの合間に散策したり、メンバーも客演の皆様もリラックスしながら音楽に向き合っています。市内の教会やお寺など歴史的建造物などで演奏する「豊中まちなかクラシック」や、市内の小中学生を招いた「ホールでオーケストラ」など、『音楽あふれるまち』豊中市と一緒に多彩なコンサートも展開しています。事務所近くの人情味溢れる昭和レトロな商店街も味わい深いものがあります。