フルート記事 フルートという楽器を通して音楽を「歌う」こと
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[THE FLUTE vol.200 記念号]特集2 │ レジェンド【白石孝子】

フルートという楽器を通して音楽を「歌う」こと

ARTIST

京都市交響楽団のフルート奏者を定年(そのうち5年間首席奏者)まで38年間勤め、フルートアンサンブルや京都芸術祭、コンクールなどを創設。現在も第一線で活躍中の白石孝子氏。「今まで築いてきた行事を、多くの方々により理解していただき、多くの方々が、参加してくださることを願っている」と語る。

 

一番練習した大学時代

今回は取材を受けていただきありがとうございます。まずはフルートを始めたきっかけを教えてください。
白石
高校進学を決定しなければならない時期に、中学生のころまでに、自分の行なってきた趣味の中で、今後何を専門的に続けたいか?と考えました。私はあまりにもたくさんのことに興味があったのですが、それらすべてに才能がないことを自覚していました。
どのような趣味をお持ちだったのですか?
白石
バレエ、演劇、絵画、作詞、歌、弾き語り、演出などです。こんな状態ですからどんな高校に進学すればよいかを迷いに迷った末、音楽高校の声楽科に行くことにしました。学科の勉強が苦手でしたし(笑)。
高校に入学したら、「音楽の世界でなにがなんでもプロの演奏家になりたい」と目標ができ、厚かましくも師事した声楽の先生に「私はプロの演奏家になれますか?」と聞いたんです。その答えは「毎日毎日練習して30歳くらいにならないと結果は出ない」というものでした。16歳だった私は、性格からしても、そのような悠長なことはやってられない……と感じ「それならフルートだ!!」とひらめいて、2年生からフルート科に転科しました。フルートでも先のことはわからないのに……。
 

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白石孝子 Takako SHIRAISHI
広島音楽高校を経て国立音楽大学卒業後、京都市交響楽団に入団。「ウインドアーツ木管5重奏団」「京都室内合奏団」結成。39年間にわたり京都市立堀川音楽高校、35年間にわたり京都市立芸術大学音楽学部、12年間にわたり相愛大学音楽学部非常勤講師を務め、世界各国で活躍するフルート奏者を育成する。
あうろすフルートあんさんぶるを結成し、ウイーンでは音楽史上初めてのフルートオーケストラコンサートを開催、ウイーン音楽史上に貴重な歴史を築いた。
1987年「京都芸術祭」を創設、毎年開催。10周年を記念して「びわ湖国際フルートコンクール」を創設。
20周年記念に「ムジカA国際音楽協会」創設、発足記念ウイーン公演等を行なう。
2009年「藤堂音楽褒章」、2021年「京都市芸術振興賞」受賞。

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