言葉は、音楽に生き写しのように反映される | 上野星矢
この11月、テレマンによる『無伴奏フルートのための12の幻想』CDをリリース。かねてからこだわりがあったバロック音楽の世界を、より多くの人に楽しんでもらいたいと、コンサート会場限定販売だったアルバムを一般に向けて発売した。上野のコンサートで特徴的なのは、中高生をはじめとする多くの若いファンが会場を埋めること。その人気の源、ファンを惹きつけてやまないものとは……2019年に30歳を迎える“いま”の上野星矢に迫った。
この11月、テレマンによる『無伴奏フルートのための12の幻想』CDをリリースした上野星矢。かねてからこだわりがあったバロック音楽の世界を、より多くの人に楽しんでもらいたいと、コンサート会場限定販売だったアルバムを一般に向けて発売した。上野のコンサートで特徴的なのは、中高生をはじめとする多くの若いファンが会場を埋めること。年齢層が高くなりがちなクラシックのコンサートにおいては、異例かつ貴重な光景なのだ。そんな人気の源、若いファンを惹きつけてやまないものとは……2019年に30歳を迎える“いま”の上野星矢に迫った。
写真:標隆司/取材協力:株式会社森音楽事務所
フルートの可能性を広げたテレマン
時代が進めば進むほど、バロック音楽の研究や解釈も進んでいきますから、演奏のスタイルも変わってきている。ひと昔前より、今のほうが書かれた当時の解釈に近づいているはずなんです。僕はバロック音楽を専門に演奏する東京バロックプレイヤーズというグループでもリーダーとして活動していますが、自分の中でバロック音楽は特別なもので、強みだとも思っている。そういう意味で、新しいスタンダード版として聴いてもらえるといいな、という思いがあります。
現代の楽器で演奏するバロック音楽は、“歌”で表現しやすくなると思うんです。ダイナミックレンジも幅広いですし、ある意味、発音とかリズムにそこまでこだわらなくても音楽がきれいに聞こえてしまう。ですが「良い演奏は良い演説にたとえられる」と言われていたような時代の音楽ですから、単にきれいな音色でヴィブラートをかけて歌うのは違うと思っています。音楽を“言葉”として、そしてバロックとは切り離せない“踊り”の音楽をいかに浮き立たせるか、ということには気をつけています。
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納得のいく音楽を目指してプランを持つこと
バロック音楽を心から楽しむ
Seiya Ueno
上野星矢×クレモン・デュフール
最強”の二人
[日時]2018年12月23日(日) 19:00開演
[会場]東京オペラシティ・リサイタルホール
[出演]上野星矢(Fl)、クレモン・デュフール(Fl)、小山和(Pf)
[料金]一般¥4.000 学生¥2.500(全席自由)
[チケット]カンフェティチケットセンター TEL:0120-240-540 (平日10~18時)
東京バロックプレイヤーズ ドッペルコンチェルト[日時]
大阪公演:2019年2月19日(火)
東京公演:2019年2月21日(木) 19:00開演
[会場]いずみホール(大阪)、紀尾井ホール(東京)
[出演]東京バロックプレイヤーズ:上野星矢、對馬佳祐、谷本華子、中田美穂、金子鈴太郎、諸岡典経、桑生美千佳 (ゲスト)白井圭、アレクシス・ローマン、イエチャン・チョン、金子亜未 [料金]各チケットセンターへ
[チケット]
(東京公演)カンフェティチケットセンター
TEL:0120-240-540 (平日10~18時)
(大阪公演)いずみホールチケットセンター
TEL:06-6944-1188(平日10~17時半)
テレマン:無伴奏フルートによる十二の幻想
【LPDCD104】
[価格]¥2,800(税別)
上野星矢