吹いていて楽しくない音楽なんてない――この4本の響きにはまだ驚きと発見がある
超一流奏者たちが集まってできた結成17年目のカルテット、The Flute Quartet。THE FLUTEには初登場となる彼らが語る、活動秘話とは?
今年で結成17年目を迎えたザ・フルート・カルテット。国内著名オーケストラに在籍する奏者が集まったこのアンサンブルは、まさに超一流のカルテットだ。
今回はザ・フルートに初めて4人で登場。インタビュー中「長く続かせる秘訣は?」と聞くと驚くことに「ないです」と キッパリ。メンバー全員がその場の雰囲気に柔軟に対応する能力を備えたオーケストラプレイヤーだからこそ、ここまで続けられたのだろう。しかし柔軟とひと言で言ってもそれは簡単なことではない。どんな場にも臨機応変にする力を持っているのは、さすが日本を代表するオーケストラの首席奏者たちだ。しかし、「まだ他の楽器に学ぶことばかりで」といった謙虚な声も各々から発せられた。
今まさに日本を代表する“フルート四重奏団”が語る結成当時の話や、結成17年目の今年挑戦することとは? また、今回のインタビューでは『想い出は銀の笛』の作曲で知られる三浦真理氏も同席。新たに作曲された『ファンタスティック・モネ』の演奏をザ・フルート・カルテットが担当するということで、彼らの出会いや作曲秘話についても聞くことができた。
取材協力: 株式会社教育芸術社、株式会社ドルチェ楽器、写真:土居政則
オーケストラプレイヤーが集まった、夢のフルートカルテット誕生
メンバーを決めるときに条件にしたのが、いろんな意味で“近い”人。まず年齢が近い、そして性別が一緒、そして活動しているところも一緒。自分となんとなく近いほうがゼロから創り上げるより、ある程度できているのでステップが上がりやすいと思ったのです。
次のページの項目
・編曲をするといろいろなことに気がついた
・待望の人気アンサンブル曲の次作が発表
・対話する力がとても必要になる
・ONLINE限定:取材後記
The Flute Quartet
Aizawa Masahiro
Kanda Hiroaki
Saito Kazushi
Shibata Isao
曲目:三浦真理:ファンタスティック・モネ、ドビュッシー/神田寛明編:2つのアラベスク、グリンカ/神田寛明編:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、カステレード:笛吹きの休日、シャカリアン:フルート四重奏曲、ラウバー:コルシカ島の幻影