Report! ワークショップ「古川仁美が伝授する キホンの手前!」
THE FLUTEの連載『キホンの手前!~いつまでも上達し続けたい人のための~』の実践講座が開催された。タイトル通り、フルートの“基本”よりさらに手前の「必ず押さえておきたい」そして「今さら聞けない」内容を満載したワークショップ。その模様を、レポートします!
THE FLUTEの連載『キホンの手前!~いつまでも上達し続けたい人のための~』の実践講座が開催された。タイトル通り、フルートの“基本”よりさらに手前の「必ず押さえておきたい」そして「今さら聞けない」内容を満載したワークショップ。その模様を、レポートします!
ワークショップでは楽器をあまり使わず、まずフルートを吹くのに必要な“自分のからだ”と向き合ってみることから始まる。
とはいえ、まず参加者たちへの課題は「何でもいいから何かを吹いて自己紹介する」こと。
「何でもいいから自由に」と言われると困ってしまう……という戸惑いが少々感じられたものの、それぞれに思いついた音、曲、フレーズなどを吹きつつ、立派に自己紹介を終えた皆さん。
その後は楽器を置いて、10余名の参加者たちがまず取り組んだ課題は、「自分の全身像を描いてみる」こと。これで、普段どんなふうに自分を捉えているかがわかるのだという。 描き終わって各々の自画像を見ながら、古川先生より講評。どんなふうに自分の姿を捉えているか、という解説に、なるほど確かに……と皆さんそれぞれ納得しているのがよくわかった。
ここからは、軽いストレッチの時間となる。
古川仁美先生は、英国留学時代にウイリアム・ベネット氏に師事。フルートを吹くための体づくり、そして自分の体をよく知ることを重視するベネット氏のもとで学んだことを生かし、今回を含めさまざまな場でワークショップやレッスンを行なっている。音を出したり、曲を練習したりするよりも“手前”にあること=フルートを吹く前にまず必要なことを教えてくれる場所というのは、限られている。また、まずはその土台を築くことが重要だと知る機会が必ずしもあるわけではない。そのため、そこを疎かににしたせいで、フォームや吹き方で長年悩むことになる人は多いと古川先生は話す。
肩甲骨や下肢、股関節などのストレッチを一通り、「体のスイッチをオンにする」というレクチャーも受け、楽器を持って音を出してみると……「さっきと音が全然違う!」自分の変化に驚く人や、他の人が出す音が変わったことに気づく人、皆さんそれぞれ、いろいろな発見があった様子。
後半は「姿勢と楽器の持ち方」「3点支持の見つけ方」「頭部管と足部管の抜き具合を見つける」「息の状態を知る」「声をガイドにして、体と音の関連を実感」……など、盛りだくさんのメニューをレクチャー。フルート歴が長くても知らなかったこと、自分の体をどんなふうにすればベストな状態を保てるのか、といった“気づき”をそれぞれに得られたのではないだろうか。
2時間半のレクチャーと、ティータイム+自由に質問などができる談話の時間もあり、とても充実した今回のワークショップ。「もっともっと教わりたかった……!」という参加者もいて、あっというまの時間に感じられたひとときだったようだ。
古川仁美