BASUYA 2ndアルバム発売記念ライブ
「ピアソラ」の作品をBASUYAが演奏したらどうなるのか?! ――そんなコンセプトで作られた2ndアルバムの発売を記念して開かれたライブ。その様子を編集部がレポート!BASUYAは、バスフルートの渡瀬英彦とピアノの寺田正彦による、クロスオーバーユニットだ。今回はアルバム参加している園山光博と尾形誠も出演した。
- 2018年6月27日(水) 銀座山野楽器本店7F イベントスペースJamSpot
- [出演]BASUYA〈渡瀬英彦/園山光博/尾形誠(Fl)、寺田正彦(Pf)〉
「ピアソラ」の作品をBASUYAが演奏したらどうなるのか?! ――そんなコンセプトで作られた2ndアルバムの発売を記念して開かれたライブ。会場は、ほぼ満席だった。
THE FLUTE163号特集「低音フルートに誘われて」にも登場したユニットBASUYAは、その名の通りバスフルートのユニットだ。バスフルートに限定されたユニットは世界的にも例が少なく、なにかと注目を集めている。彼らの“バスフルート愛”やバスフルートをフィーチャーしたきっかけについては、163号誌面でじっくりと語ってくれているので、ぜひ参照いただきたい。
これまでさまざまな奏者たちとジョイントしてきたBASUYAは、バスフルートの渡瀬英彦とピアノの寺田正彦による、クロスオーバーユニットだ。
写真右から、園山さん、渡瀬さん、尾形さん、寺田さん
寺田さんと渡瀬さん
写真右から、園山さん、尾形さん
今回のアルバムには、園山光博と尾形誠も参加している。園山は、かつて小田和正のバックバンドで活動していたことでも知られるサックス奏者。フルートは持ち替えで演奏していたものの、「まさか自分がバスフルートだけを持って演奏することになるとは思わなかった」とコメントしていた。尾形は、幅広い演奏活動で若いフルート愛好家たちにも人気のフルーティストだが、やはりバスフルートのみをステージ上で吹き鳴らす姿はかなり新鮮である。
いや、そもそもバスフルートにこだわったユニットという試み自体が世界的にも珍しいのだから、メンバーによらずビジュアル的にも新鮮に映るのは当然なのだ。
そんな彼らの演奏は、まさにジャンルを超えた“クロスオーバー”な音楽だ。アルバム収録曲のピアソラ作品のほか、クラシックから日本の歌までレパートリーは幅広く、そのアレンジも無二のもの。そしてなんと言っても、言葉で表現しきれない魅力を醸し出すのは、音色である。
アンサンブル曲の低音部を支える楽器として聴くバスフルートの音色と、メロディを奏でているときのそれとは、まったく別ものだ。フルート特有の柔らかさはそのままに、心地よい低音が作り出す音楽はやさしく、癒しを感じさせ、それでいて独特のムードを運んでくる。
バスフルートだけにこだわり、“低音愛”を貫くBASUYAによる演奏だということも、もちろんその魅力のエッセンスになっていることは間違いない。渡瀬がリードするMCも和やかで楽しい雰囲気を作り、2時間のライブはあっという間に感じられた。
バスフルートの可能性を広げるさまざまな試みを模索し続けるBASUYA。この秋には、バスフルート4本のみというカルテットでのコンサートも予定している。今後さらに、バスフルートの音楽を進化させていくであろう彼らの活動に、注目していきたい。
CD information
- 「BASUYA plays PIAZZOLLA」
- 【BSY-002】
- [価格]¥2,000(税込)
- 1.TANGO ETUDE NO.4
- 2.OBLIVION
- 3.AVE MARIA
- 4.FUGA Y MISTERIO
- 5.CHIQUILIN DE BACHIN
BASUYA