フルート記事 エンタメミュージック〜ミュージカル編〜
[1ページ目│記事トップ
THE FLUTE 142号 Special Contents

エンタメミュージック〜ミュージカル編〜

MUSIC

「楽しもう!エンタメミュージック」最終回は、“ミュージカル”特集です。ミュージカルの舞台で活躍中の指揮者、役者、そしてもちろんオケピットで演奏するフルート奏者など、ミュージカルの世界を築き上げているさまざまな人々が登場します。演劇と音楽が一体となった華麗なる世界、その魅力と音楽の醍醐味を余すところなくお伝えします!

3号連続企画の「楽しもう!エンタメミュージック」も142号で最後となりました。ラストを飾るのは“ミュージカル”です。
古くは《アニーよ銃をとれ》《回転木馬》などから、《ウェストサイドストーリー》《屋根の上のバイオリン弾き》《キャッツ》《レ・ミゼラブル》《ミス・サイゴン》……名作は数え切れないほどあります。そこで重要な役割を担うのが音楽。指揮者、演奏者、そして役者と、アーティストたちがミュージカルの世界を教えてくれます。ミュージカル音楽の魅力を存分に味わったら、ぜひ劇場にも足を運んで楽しさを体感してください。きっとあなたに新しい世界の扉を開いてくれるでしょう!

知ろう! ミュージカル

ミュージカル

ここでは簡単にミュージカルの歴史を見てみます。
ミュージカルと言えばアメリカ・ブロードウェイが本場ですが、ロングラン公演の人気タイトルはロンドンが発祥のものが多いです。
● ミュージカルって、いつからあるの?
● ロンドン、そして日本

指揮者が語る ミュージカルの魅力

ミュージカル

写真提供(公財)富山市民文化事業団

ミュージカルに欠かせないメンバーの一人に“指揮者”がいます。指揮者は舞台上の役者と音楽を結びつける重要な役目を担っているので、どんなに俳優が良い演技をしても、指揮者いかんによっては、ちぐはぐな印象を与えてしまうこともあります。逆に俳優と一体となれる音楽を作ったならば、それは極上のエンターテインメントとなることは間違いありません。
THE FLUTE142号のミュージカル特集では、ミュージカルを中心に活動している若林裕治さんに、その魅力を語ってもらいました。ここでは雑誌の内容を少しお見せします。

●「ここを見ればミュージカルがもっと楽しくなる!」というポイントは?

《レ・ミゼラブル》や《ミス・サイゴン》は1つの役を2人から3人がローテーションで演じます。アンサンブルメンバーも2グループあって交互に出演します。この組み合わせは何通りにもなるわけです。役のコンセプトや演出は基本的に同じですが、演じる役者さんの持ち味によって毎回新鮮な生きた作品になるんです。ですから、気になるキャストの組み合わせを探していただくところから楽しみが始まります。そしてご観劇いただいた後に「次はどの組み合わせで観ようかな?」なんて思ってもらえたら嬉しいですね。

● 若林さんが感じるミュージカルの魅力は?

これはミュージカルに限ったことではないかもしれませんが、舞台って日常を忘れられる場所で、元気をもらえる場所で輝いている場所なんだと思うのです。一人ひとり生活環境の違うお客様、幸せな人もそうでない人も、悩んでいる人も落ち込んでいる人も、あらゆるお客様すべてを包み込んで一つの作品に共通の感情を抱き、笑ったり泣いたりする。そして帰る時に清々しい気持ちにさせてくれる。そんなミュージカルが私は大好きですし、魅力を感じます。

《その他にも誌面ではこんな質問をしています》
● ミュージカルで指揮をするようになったきっかけは? もともとミュージカルの指揮者を目指していましたか?
● ミュージカルで指揮者として独り立ちするためにどのような勉強・練習をされましたか?
● 演奏はオーケストラピットのような形ですか? それとも別部屋ですか?
● 一般的な楽器編成を教えてください。
● これまで演奏した演目の中で一番感動したものや指揮者として忘れられない演目は? またその理由は?
● これまでたくさん演奏した中で心に残っているエピソードを教えてください。
● ミュージカル未体験の方におすすめしたい演目は?

ミュージカルのハローワーク - 役者編 -

藤原明莉

ミュージカルに絶対欠かせない人……それが役者さんです。ここでは、現在ミュージカル俳優としてステージに立っている藤原明莉さんに登場してもらいました。役者さんからみた舞台、そして音楽は?

●ミュージカルのお仕事をするには?

ミュージカル俳優を目指すには、オーディションに参加し出演を勝ち取らなければなりません。オーディションの内容の多くはダンス審査・歌唱審査・演技審査です。
すべて必ずしもうまければ良いというわけではないので、未経験者でもオーディションに通過できる場合もあります。しかし、ほとんどのオーディション受験者はレッスンを続けている方です。
レッスンはたくさんのスタジオの中で、場所、値段、内容を自分に合ったもので選びます。ダンス、歌、演技のレッスンも探すとたくさん見つかります。また、専門学校、養成所などすべてのカリキュラムを組んだスクールに入ってしまうのも舞台に立つ近道になると思います!

● 演奏が生演奏だった場合、気をつけていることはありますか?

生演奏は本当に素敵で毎回最高の気分を味わえます。まずは、バンドさんに負けないように! というのが一番気を付けていることですね!(笑)。でもバンドの方々も人間ですので、日によって少し変化があったり……そういった部分も生の面白さとして楽しんでいます。一方カラオケ音源を使ったミュージカルは、生の迫力には劣りますが、完成度の高いものを毎回表現できるようにしっかり注意を払います。

《その他にも誌面ではこんな質問をしています》
● ミュージカルで俳優という仕事の魅力は?
● 藤原さんがミュージカル俳優になったきっかけは?
● ミュージカルの俳優さんは、どんなトレーニングをしていますか?
● 本番の日の一日の流れを教えて!
● ミュージカルに出演する醍醐味と逆に苦労することは?
● 上演中に起こったハプニング!!
● 今までに出演した演目で、いちばん楽しかったものや気に入っている役、感動したものは?

ミュージカルのハローワーク - 奏者編 -

松田裕子 大熊克実

ミュージカルで演奏するプレイヤーたち。スポットは役者に当たることが多く、プレイヤーはほとんど目立たない存在……でも、ものすごく重要な役を担っています。ここではミュージカルを活動の主軸に置いている二人のフルーティストに、その活動のきっかけや内容を訊いてみました。

●ミュージカルで演奏する魅力は?

松田裕子|私は元々オペラが好きなので、歌やお芝居にダンスが繰り広げられるミュージカルも大好きです。
ミュージカルと一口に言っても、クラシックな曲調もあれば、ジャズやポップス、ロックなど様々なスタイルの作品がありますので、フルートの使われ方もいろいろです。美しく伸びやかに扱われるかと思えば、リズム第一、ハモリ重視みたいなのもありますね。
ですが、演奏で舞台を支えているという思いは、どんな作品でも変わりません。私たちが奏でる音によって舞台上の役者さん達へより良いインプレッションを与えることができたら、そして劇場にいらっしゃるお客様を日常から舞台の世界へ一気にお連れすることができたら、と毎回願いつつワクワクしながら演奏しています。

大熊克実|いろいろな作品で幅広いジャンルの曲が演奏できることと、毎回お客様がいるライブであること。そして仲間のプレイヤーたちが素晴らしい演奏をするので、役者さんも一緒に音楽を通して対話できることが何よりも楽しいです。

《その他にも誌面ではこんな質問をしています》
● ミュージカルで演奏するときに注意していることは?
● 演奏していて感動した演目は?
● ミュージカルのフルーティストになるには?
● 一日の仕事の流れを教えて!

ミュージカルでフルートを吹くということ

岡本謙

東宝ミュージカルなどで、数多くの音を観客に届けている岡本 謙さん。ミュージカルでフルートはどんな役割をしているのでしょうか? その疑問に岡本さんが応えてくれました。
さらに、誌面で載せたコラムをオンラインでも公開。THE FLUTE 142号ではミュージカルの名曲から、フルートで演奏されるハイライトな箇所を楽譜付で紹介しています。チェックしてみて下さい。

● 幸せな気持ちにさせてくれるのは?
● ミュージカルでは持ち替え楽器が当たり前!
● 低音を極めよう!

|コラム|ミュージカルで演奏している岡本さんに聞きました 「ミュージカルの仕事をしてみたい!」

ピットで演奏していると、「ミュージカルのオーケストラって、どうやったら入れるのですか?」とか、「オーディションとかあるのですか?」と尋ねられることがあります。ほとんどの場合オーディション等はなく、演奏家仲間の紹介や音楽事務所からオーダーされる形で仕事の依頼が来ます。
ミュージカルで演奏したいという夢を持つ方は、まずはピッコロをはじめ特殊管が得意になるように努力して下さい。そして、オーケストラ等のアンサンブル経験を多く積む必要があります。また一人で上手に演奏できても、チームワークを大切にできない人はミュージカルには不向きです。ミュージカルの多くは最低でも1ヶ月、長い場合は数年に渡って仲間とチームを組んで演奏します。「彼のピッコロってイイね」とか、「彼女と一緒に演奏するの楽しいね」という話しが人づてに伝わり、ある日突然「ミュージカルの仕事をお願いしたいのですが……」と電話がかかってくるかもしれません。私の場合はそれが音大の先輩であったり、仕事でご一緒した指揮者やプレイヤーの方であったりしました。私がミュージカルの仕事を始めた頃とは比べようがないほど、今では数多くの演目が上演されています。
「ミュージカルで吹いてみたい!」という願いを持つみなさんに、いつか素敵なチャンスが訪れることを願っております。

吹こう! ミュージカルの名曲『夢やぶれて』(レ・ミゼラブルより)

ミュージカルの音楽は心に響くものが多く、コンサートや発表会で取り上げている人もいるのでは? 
そこで6月に上演される《レ・ミゼラブル》から『夢やぶれて』のフルートカルテット版を吹いてみましょう。解説は《レミゼ》の公演を200回以上担当した中山広樹さんです。

●『夢やぶれて』とは?
● ストーリーを知ろう!
● 解説付き楽譜掲載

ミュージカルの楽譜紹介

ミュージカルの魅力が紹介されている142号はお楽しみいただけましたか? アルソオンラインではミュージカルの楽譜を発売しています。ぜひ142号と一緒にお楽しみください。

>> 八木澤教司のFlute Meets Musical vol.1〜vol.4



フルート奏者カバーストーリー