JVC「WOOD innerシリーズ」
フルートやクラシックの名盤の数々を、いつでもどこでも最高の音で楽しみたい。そんな希望に応えてくれるアイテムが、JVCより新たに登場したWOOD innerシリーズ。
フルートやクラシックの名盤の数々を、いつでもどこでも最高の音で楽しみたい。そんな希望に応えてくれるアイテムとして編集部がピックアップしたのが、JVC より新たに登場したWOOD inner シリーズのイヤホンだ。今回は多方面で幅広く活躍するフルート奏者、中山広樹氏に、プレミアムモデル「HA-FW01」を試してもらった。
まるで楽器のような、美しく臨場感溢れる響き WOOD innerシリーズ
中山広樹 x HA-FW01
̶ 普段はどのようなスタイルで音楽を聴いていますか?
中山 家ではコンポのスピーカーから、外ではインナーイヤーヘッドホンで聴いています。家に昔からあるWOOD CONE(※)の音が好きで、家ではそれを使って音楽を聴くことが多いです。今回はそのWOOD CONE のアンプに、この「HA-FW01」をつないでCDを聴きました。
※WOOD CONE シリーズ JVC が長年の研究を経て開発した、世界で初めて“木”の振動板を採用したオーディオシステム。
自然な音で、倍音までクリアに再現する
̶ WOOD innerシリーズのプレミアムモデル「HA-FW01」の印象はいかがでしたか?
中山 第一印象として、音色にあたたかさを感じました。これはやはり木の振動板の影響なのでしょうか。金属の壁を叩いたときと比べて、木の壁を叩くと、どこかぬくもりのある音がしませんか? そんな感覚を覚えました。一粒一粒の音がとてもクリアに、はっきりと聴こえてくるのですが、無機質ではない。聴いていてとても心地良い音です。
̶ フルートやオーケストラとの相性はどうでしょうか。
中山 オーケストラを聴くとき、高音域や低音域がよく聴こえてくるイヤホンはありますが、この「HA-FW01」はそれだけではない。内声というか、“中間の音域”が非常に明瞭に聴こえてくるんです。クラシックは、たとえ目立たなくても中音域のバランスがとても大事なので、このような低音域、中音域、高音域までバランスが良いイヤホンは最も適していると思います。
また、音域によって過剰な強調がされていない、自然な音で聴かせてくれるのもポイントで、倍音が消されることなく聴こえます。倍音を感じるということは、人間の普段は聴こえない範囲の音まで、しっかりと鳴らしているのでしょうね。フルートはもちろん、アコースティック楽器との相性が抜群に良いです。
もう一つ驚かされたのは圧倒的な臨場感。後述する『くるみ割り人形』を聴いたときに特に感じましたが、音に奥行きがあります。僕は正直に言うと、イヤホンで“奥行き”を再現することは無理だと思っていました。その常識が覆されましたね。これほど立体感を感じるイヤホンは、初めて出会いました。
常にリアルな音を聴き、取り入れる
̶ 「HA-FW01」は、練習にも活用できますか?
中山 例えば自分の目標とする人の音源を聴くときに、常にリアルな音を聴き、真似して取り入れようとする姿勢は大切です。音を決めている大きな要素のひとつが“倍音”です。倍音の成分はプレイヤーによって異なるので、倍音までしっかりと再現してくれる「HA-FW01」を日頃使っていれば、自身の目指す場所への近道となってくるでしょうね。
独自の技術で薄型化した軽量11mm ウッドドーム振動板により、音源の繊細なニュアンスの表現を可能に。さらに、ハイエナジー磁気回路の正確な駆動と、軽量なCCAW ボイスコイルによる振動板の正確な振幅が、原音に忠実な再生を実現する。
奏者の位置が目に浮かぶような立体感
中山氏がWOOD 01 inner( HA-FW01)で試聴したCDについて、それぞれ感想を聞いた。
「Mathieu Dufour & Pascal Rogé」(マチュー・デュフォー)
マチュー氏はたびたび演奏する楽器を変えていて、このときはプラチナ素材の楽器を使っています。一聴して、「あぁ、プラチナの音だ」と、素材の違いがすぐにわかりました。素材の音色の違いまではっきりと聴き分けられるイヤホンは、そうないと思いますよ。
「J.S. BACH : Sonatas For Flute」(工藤重典)
生音を知っている方のCDを聴いたときに、どのように聴こえるのだろうかと興味深かったのですが、素晴らしい再現度でした。使用している楽器特有の音の倍音成分まで聴き取れます。また、チェンバロの弦を弾く音までリアルに聴こえてきて、臨場感を楽しめました。
「2月の風 中山広樹・フルートリサイタル」(中山広樹)
作ったときに意図していた音のバランスの通りに聴こえてきました。作る側としては、こういったイヤホンで聴いていただけると、イメージしていたものがありのまま伝わると思うので、嬉しいですね。
「WEST SIDE STORY」
人の声も、楽器と同じくあたたかみがありました。すごいなぁと感じたのは、人の声の伸び。音が装飾されているわけではなく、生で聴いたときのような気持ちの良い伸びやかさがあります。ボーカルとの相性も良いイヤホンです。
「くるみ割り人形」
私自身数多く演奏してきた曲で、よく知っている曲ということで選びました。聴いていて楽しかったのが、実際のオーケストラの奏者の位置から音が聴こえてくること。「あ、そういえばファゴットはこの位置だったな」というように、配置が目に見えるようです。
スマートフォンでも聴いてみました
YouTubeなどもこれで視聴してみました。元の音源の良し悪しがよくわかりますね。印象的だったのは、ベルリン・フィルの「デジタル・コンサートホール」という会員向け動画配信サービス。今までは何気なく聴いていたものが、一気に臨場感が増し、「このサービスってこんなに高音質で配信していたのか」と気付くことができて(笑)。楽しみがひとつ増えました。
中山広樹
武蔵野音楽大学を首席で卒業、同大学院修士課程修了。卒業後フランスへ留学。パリ・エコール・ノルマル音楽院の高等演奏家資格コースをプルミエ・プリで修了。第8回パリ・リュテス・フルートコンクール第3位(フランス)。現在は熊川哲也氏芸術監督のK バレエカンパニー所属。シアターオーケストラトーキョー首席フルート奏者。室内楽やスタジオ録音も多数、ライブノーツlよりCD「中山広樹フルートリサイタル」をリリース。ボンジュール音楽企画主宰。ムラマツフルートレッスンセンター、テオバルト各講師。
JVC 「WOOD innerシリーズ」 アルソオンラインにて好評販売中!