File:15 | 仕事交渉の失敗 リンクスのフルートしくじり学
今回は、「仕事の交渉」に関する失敗のお話。これまで体験してきた数々の仕事の中で、印象に残った出来事をお伝えしたいと思います。
MAMI's COMENT
学生時代、リンクスを結成当初は「フルート四重奏なんて世間的に知られてないし、聴いてくれる人がいるのかな?」と思っていたのですが、人前で演奏してみると「女性四人でかしこまっていないし、なんか普通のクラシックコンサートより聴きやすい!」と好反応をいただきました。
インターネット掲示板が広がり始めた頃で、詳しい友人に助けてもらってホームページを作ったところ、知らない方からも演奏依頼をいただけるようになりました。
先方は「なんか気軽に頼めそうだから」という雰囲気だし、私達も「フルートだけなのでどんな場所でも吹けます!」とPR していたので、屋外のコスモス畑、クルーズ船、貸切電車の通路、そしてお祭りやパーティーの余興など、ホール以外のいろいろな場所で演奏しました。
楽しい反面、行ってみるまでどんなステージでどんな人が聴いてくれるのか分からないので、何をどんなふうに打ち合わせれば良いか分からなかったんですね。それは依頼してくださった方も同じだったのかもしれません。
お金を払ってレッスンやコンクールを受けている学生の立場から、お金をいただく側のプロになる境目は曖昧で、契約書も請求書も存在しないお仕事(?)もたくさんあります。失敗したり恥をかいたりしながら、それでも仕事は仕事、と徐々にプロとしての自覚ができてくるのだと思います。
音楽の世界に限らず、伝統的なことを学ぶ世界では、当事者はお金のことには触れないようなイメージもありますね。
実際にフリーの立場で仕事をしていくには、音楽以外に知るべきことがたくさんあります!残念ながら、フリーランスは法的に非常に弱い立場でもあります。
これからの若い人達には、ぜひ周りの経験ある先生や大人が、早め早めに世の中の仕組みを伝えてあげて欲しいなと、心から思います。
一、互いに「イメージと違った」とならないよう、会場の広さ、客数・客層、演目など、しっかり打合せしよう。
一、演奏内容に応じた出演料の目安を決めておくと、話しやすいです。
一、出演料の支払い方法も、事前に確認しておきましょう。
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次回更新は2020年11月
「移動手段の失敗」をお送りします
※隔月、奇数月の1日頃に更新いたします! お楽しみに!