第4回 | モーツァルト『ソナタ』K.545 第1楽章
レッスン動画を参考に、 “自分とデュエット”しながら上達を目指す「録ってもデュエッツ」!!
ピアノの「ソナタ」より編曲した曲を練習していく「録ってもデュエッツ」第2シーズン。
収録曲は古典派の作品を多く収め、練習過程で自然とその音楽のニュアンスを取り入れられるようになっています。そんなピアノの良い例にならって、フルートでもそれらの曲を練習していきたいと思います。
ONLINEだけの"とってもコラム"も毎回更新します。動画と一緒にお楽しみください♪
「モーツァルト『ソナタ』K.545 第1楽章」
第4回目は、モーツァルトのソナタ K.545より、第1楽章です。“初心者のための小ソナタ”と名付けられていますが、一見単純な音運びの中にも、モーツァルトらしさが伝わってくる一曲です。ピアノの経験のある方には特に、思い出深い憧れの楽章だったのではないかと思います。
Lesson
参考演奏、マイナスワンも入っていますので、ぜひご活用ください
「年始めのこと、そして」
ご無沙汰しております。
2ヶ月遅れてのコラムとなります。先ずはお詫びから。
実は、1月の終わりに事故に遇いました。公道を自転車で走行中、後ろから乗用車に追突されました。運転手は高齢のドライバーで、脇見運転だったとのことです。自転車の走行速度は約時速15km、車は60kmで走行していましたので時速45kmの衝撃で跳ね飛ばされたことになります。私は自転車ごと10mほど飛ばされて左折の交差点中央にうずくまっていたところ通りがかりの方に救急車を呼んでいただいて救急搬送されました。救急車に乗るのは初めての体験です。幸い、頭・顔は打つことはありませんでしたが、体はマヒしているようで痛みもなく、ただドップラー効果で通り過ぎないサイレンの音が耳を突いていました。
病院に着くと救急車から病院のベッドに移され、各種検査が始まります。
全身の怪我を確認するのに服を脱がないといけませんが、首を固定されていたので上着に関してはハサミで裁断して脱がされました。素っ裸にされ傷の処置や消毒、レントゲン、心電図、血圧、点滴など多くの救命医の方に処置していただきました。中にはお若い女性の研修医の先生もいました。意識だけははっきりとしていたせいで、妙な気恥ずかしさがありましたが、きっと向こうは微塵も意識はしないでしょうね。
2時間ほどの検査の後、一日入院でということになりました。診断は、左足小指骨折、全身打撲、ムチウチ、左肘・左膝強打、擦り傷、切り傷等々。不幸中の幸いと言えば、飛ばされた先に何もなかったこと、もし対向車線や、ガードレールなら…また、季節が冬で、厚着をしていたため衝撃を少し和らげる事ができたことです。切り裂けたズボンや底が剥がれた靴、穴の空いた手袋を見ると、これがもし夏の薄着だったらと思うとゾッとします。
時間の経過と共に、全身に酷い痛みが湧いてくるようになりました。体のどこを動かしても全身に電気が走るようにビリビリとした痛みを感じて身動きが取れなくなりました。傷を覆う包帯からは血がにじみ、腕を上げることも、寝返りさえも叶わない状況です。
「もうこのまま笛が吹けなくなるかも…」
それまでもいろいろなことが沢山あって、笛吹としての岐路に立たされたことは何度もありますが、やはり笛が吹けるということは、健康な体あってこその物種だなと。
退院してからは、しばらく体の痛みがひどく笛を持つことができませんでした。約1ヶ月の療養を経て少しずつ復帰して今に至ります。リハビリは継続中で快方に向かっています。
…と、このような事があり、動画や原稿が遅れてしまった次第です。
関係各所には、ご迷惑をおかけしました。家族をはじめ多くの方に助けていただき人の温かさを感じました。本当にありがたいことです。また、このコラムの数少ない?読者のみなさまにもご心配をおかけしました。今年は、新年早々えらい目にあいました。ブランクのある分、頑張らないと、と思います。残り少ない連載となりましたが、精一杯望む所存です。
ところが、そうは問屋がおろさないようで…
齋藤 寛 (さいとう・かん)
東京芸術大学卒業。フルート奏者、作編曲家。2011-2014年ザルツブルクモーツァルテウム音楽院マスタークラスにてP.L.グラーフ氏に師事。京都フランスアカデミーおよびパリにて室内楽をクリスチャン・イヴァルディ氏に師事。2013年「あまちゃんスペシャルビッグバンド」参加。フルート四重奏「宵待小町」主宰。主な著作「フルートデュオ名曲集25」、「ディズニーソング・デュエットコレクション」、「ジブリメロディー集」等。