まったく新しいEWIのライヴパフォーマンス
MEETS EWI #28-#29 from THE SAX vol.57, vol58
「EWIにもこんな世界があるんだって思ってもらいたい…」そう言いながら、既存のEWI曲とはまったく異なる世界観を持った楽曲『Genesis』を通して、EWIの新しい側面とその可能性を我々に伝えてくれた藤枝伸介氏。そんな藤枝氏は、EWIのさらなる可能性を探るべく、東京・南麻布にあるAKAI professionalのショールームを訪れた。
藤枝氏はこれまでEWI本体側で音色を変更していただけで、音源側でEWIの音色をいじったり、新たな音色を作成したことはなかったと言う。そこで、AKAIエンジニアの中村直也氏サポートのもと、EWIの醍醐味の一つでもある「音色」の仕組みについて、一つ一つ学んでいく藤枝氏。「ジャズの帝王」とも呼ばれるマイルス・デイヴィスのトランペットのような音色を作りたいという藤枝氏の要望から、EWIの音色制作ソフト「Vyzex」を使いながら音色を作り上げていった。自己のユニット「Polar Chalors」のアルバムでも音色を使いたいというところまで話は発展する。
さらに、「EWIの可能性の一つに“ソロパフォーマンス”がある」と語ってくれた藤枝氏は、自らの構想をAKAIに伝える。それは、クラブの現場などで絶大な人気を誇る音楽制作ソフトAbleton Live、その専用コントローラーであるAKAI APC40、そしてEWIという3つの組み合わせによる即興性の高いライヴ演奏というものだった。
その時その時の盛り上がりが大きく変わるクラブ現場においては、楽曲をそのまま演奏するのではなく、現場の空気感や盛り上がりによって楽曲の展開も変えていくと藤枝氏は語る。EWIの曲を予めAbleton Liveに取り込み、APC40というコントローラーを駆使して、リアルタイムで楽曲を操る。そこにEWIでさらに音を乗せていくという具体的な使い方を習得していた。
「こういった組み合わせはEWIのライヴパフォーマンスにもっと使われていいと思います。ルックス的にも合うし。さらにエフェクターやルーパーなどを使って一人で音を重ねていくこともできる。EWIの無限の音色はそこで活きてくると思います。一つの楽器で色んな音を重ねることができるから、一人でも完結するEWIの“ソロパフォーマンス”ができるんじゃないかと思います」
今後は自らのライヴでも使っていきたいと語る藤枝氏。かなり高度な使い方であることには間違いがないが、一体どんなパフォーマンスになるのか?
藤枝氏の進捗ライヴ情報が入り次第、いずれまたここで紹介しよう!