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オカリナ記事 タンギング徹底研究 息の流れを自在にコントロールする!-前編- オカリナ記事 タンギング徹底研究 息の流れを自在にコントロールする!-前編-
Ocarina vol.32

タンギング徹底研究 息の流れを自在にコントロールする!-前編-

Ocarinaをはじめとする管楽器を演奏するとき、舌の動きによって息の流れをコントロールするのがタンギングという技術。舌を使って息の流れを一時的にせき止めることで、音の出始めを明確にすることができます。 一般的にはシングルタンギング、ダブルタンギング、トリプルタンギングなどが使われていますが、このタンギングという技術は、イメージができていても実際に行なうと、うまくいかないという方も多いです。 「Ocarinaはタンギングがすべてで、タンギングの上手い人はOcarinaも上手く吹ける」と言われるほど、タンギングはOcarinaを演奏するうえで重要な技術の一つと言えます。 そこで今回は、タンギングについて解説します。

 

タンギングによる効果

明田川荘之さん:タンギングをしないと音が明確にならない、この一言だよね。わかりやすく言うと、音を立たせるとか、立ち上げる。舌で息をせき止め、圧力を高めたあと、それを解放するというのが一連の流れ。タンギングをしないで吹くと一音一音がクリアではなくなるから演奏を聞いても全然違うよね。タンギングがキマっていると音がキレイになるのは確か。タンギングが上手いと歌うような表現豊かな演奏ができる。

 

君塚仁子さん:どんなシラブル(発音)のタンギングをするかにもよりますが、音を立たせたり、強くしたりする必要があるときなど、音の発色をコントロールする感じになると思います。タンギングは言葉に近いと思うんですけど、表情を出すための表現方法の一つかな、と思います。

 

小林洋子さん:一音一音クリアなタンギングをすることで美しい音楽表現ができます。生徒によく話すのはスラーとテヌートの違い。スラーは音をなめらかに奏でるという意味で、とても甘美な表現ができます。ただ、弱点はヨレヨレになりやすい。一方、テヌートでタンギングをすると、よりクリアに聴こえますが、ややもするとガチガチになってしまいます。なので、それぞれの
“いいとこ取り”をして吹くようにしましょう。スラーならよりはっきり、テヌートならより甘美になるように吹く。テヌートのようなスラー、スラーのようなテヌートに近づけるように、美しいテヌートのタンギング、しっかりとしたスラーという奏法を目指しましょう。これをマスターすれば、柔らかい曲もカッコいい曲も上手に吹くことができます。

 

本誌Ocarina 32号では、さらに詳しく答えていただきました!

明田川荘之さん

● 発音(シラブル)について
● Ocarinaの特性

君塚仁子さん小林洋子さん

● タンギングをする音、しない音
● 発音について
● タンギングを速くするには
● タンギング時の舌の状態
● タンギング時の舌の位置
● タンギング時の息のスピード
● タンギングを速くするためのコツ
● タンギングを速くするためのエクササイズ
● タンギングについて間違った認識
● 初心者に指導する時の伝え方

明田川荘之
明田川荘之
1950年10月23日東京生まれ。立教大経済卒。愛称・アケタ。ジャズ・ピアニスト、オカリーナ製作者・奏者。オカリーナ界・ジャズ界の中心的一人。父・故・孝は彫刻家、音楽研究家。12穴式、ダブレットほか現在のオカリーナの多くの部分を開発。1928年創業。現在の多くの製作者、奏者が孝の弟子、孫弟子……さん。最初のお弟子さん、火山久はオルガン、作曲ほか荘之の最初の師。エレクトーン4年半。19歳ジャズ、プロ入り。1974年西荻にライブハウス「アケタの店」開店今も。レコード・レーベル「アケタズ・ディスク」も創設、現在150型番超える。ジャズ・オカリーナの先駆と言われる。オカリーナの老舗・通信教育(日本音楽アカデミー)創設し3万人以上学ぶ。ジャズ誌中心に多くの連載と評論、単行本。CS・ミュージックバード(FM東京)自己の番組6年半。女子美大講師7年間(ジャズ概論と演奏)。自己のリーダーアルバム50枚以上。メジャー盤も多し。国内外楽旅多し。(株)アケタ・オーナー。名手・故・五十嵐正子氏は明田川のリーダー作「風の人」(ビクター)を、オカリーナのバイブルと呼んだ!
 
君塚仁子
君塚仁子
東京都出身。聖徳大学短期大学部音楽科卒業。同大学専攻科卒業。同大学研究科音楽専攻卒業。ソロ、アンサンブル、オーケストラで演奏する一方で、オカリナに興味を持ち、オカリナの演奏活動を始める。2002年韓国済州島にてHALLAウインドオーケストラとオカリナで共演。2008年〜2010年フルート&オカリナ奏者として、みつとみ俊郎プロデュース「レディースオーケストラFlumus(フルムス)」初代コンサートミストレスを務める。2012年オカリナと2台のアイリッシュハープユニット「ゴシキヒワ」を結成。2015年君塚トリオ結成、同年1stアルバム「PEONY」をリリース。2017年ゴシキヒワ1stアルバム『ゴシキヒワ』をリリース。山野楽器オカリナフェア・森の国オカリナフェスティバル・南大阪オカリナフェスタ・韓国ホンソンオカリナフェスティバルゲスト出演。インターネットクラシックラジオOTTAVA 「GIOIA」プレゼンター。2017年11月のNHK Eテレおかあさんといっしょ・月の歌「オカリナのリーナ」を作曲するなど、マルチ・アーティストとして活躍中。
 
小林洋子
小林洋子
東京音楽大学音楽部音楽学科サクソフォーン専攻卒業。サクソフォーンを須川展也、田中靖人、中村均の各氏に師事。室内楽を中村均、石渡悠史の各氏に師事。東京文化会館新進音楽家デビューオーディション合格。同披露演奏会に出演。NHK洋楽オーディション合格。NHK・FM「土曜コンサート」出演。オカリナを江波太郎氏に師事。第2回日本オカリナコンクール デュオ部門第1位 総合グランプリ受賞。お喋りたっぷりのコンサートはいつも笑いに溢れ「元気が出る!」とリピーターも多い。オカリナの指導力にも定評があり、長野、群馬、埼玉、東京、千葉、大阪、兵庫、沖縄などで基礎を中心としたレッスンを行なう。2015年に結成された小林洋子の生徒によるラージアンサンブル「アコリット」にもファンがいる。タローズオカリナアンサンブルCD「名曲に乾杯」「華麗なるオカリナアンサンブル」参加。ソロCD「歌ってみたい!大好きな曲」「RAINBOW」をリリース。アルソ出版 「オカリナクラシック 」vol 5,6 CD 参考演奏収録。レマンテ出版 「ステージで奏でたいオカリナデュオ曲集 」参考演奏収録。
 






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