美しく正確に吹くための低音・高音の攻略 後編
Ocarinaでは、低音部の「シ、シ♭、ラ」、そして高音部の「ミ、ファ」をクリアに正確に吹くことが一般的に難しいとされています。高音と低音の息づかいの違いについて、その加減などがわからない方も少なくありません。また、指穴の押さえ方もきれいに低音・高音を出すための重要なポイントと言えます。そのため、息づかいと指回しを複合的に練習していくことが攻略への第1歩となります。
そこで今回は、前回から続く後編として、「息の入れ方」や「タンギングと運指の合わせ方」など実践的な内容を解説するとともに、苦手克服に役立つエクササイズも紹介していきます。
構造の話 その2
鈴木のぼる(ひぐらしオカリナ研究所)
東京都南多摩市出身。ひぐらしオカリナ研究所にて、オカリナ製作を行なっている。2005年、オカリナ製作の指南書「ハンドメイド オカリナ」を、いかだ社より出版。「オカリナ三昧してみませんか」「オカリナ製作講座」などを主催する。雑誌Ocarinaの「Ocarina工房におじゃまします!」に千葉稔氏と共に執筆中。趣味、野草(雑草)を愛でること、旅をすること。
オフィシャルサイト https://higurashiocarina.com/
Q1 低音、高音が出づらい楽器の傾向はありますか?
A1 土の種類や質、表面に塗るものによって音色は変わりますが、低音や高音が出づらくなることはありません。また、アルトC管でも平べったいものや、丸いものなどいろいろありますが、一番関係してくるのが歌口の大きさです。
(誌面ではこのあとも文章が続きます)
ほかにもこんなことを聞きました!
Q2 低音、高音がきれいに鳴らせないのは小穴の位置による場合はありますか?
Q3 低音、高音がきれいに鳴らせないとき、楽器側で対応した裏ワザなどはありますか?
奏法の話 実践編
佐々木一真(ささきかずまさ)
京都市立芸術大学音楽学部音楽学科管・打楽専攻卒業。同大学大学院音楽研究科修士課程器楽専攻を修了(トロンボーン)。大学院在籍時よりオカリナでの演奏活動を始める。大学院修了後、本格的にオカリナに転向。現在はプロのオカリナ奏者として関西を中心に活動している。2013年、2015年にイタリア・ブドゥリオの国際オカリナフェスティバルに参加、現地で演奏を行なう。第1回 日本オカリナコンクール 独奏部門 一般の部 1位。2018年明誠学院高等学校吹奏楽部定期演奏会にソリストとして同高校吹奏楽部と共演。編曲者としてオカリナエチュード「30のヴォカリーズ」「60のソルフェージュ」を発売。
オカリナ&マリンバ デュオ「森の詩」(https://www.moriuta.com)メンバー。
椎名春奈(しいなはるな)
岩手県宮古市出身、北海道札幌市在住。オカリーナ奏者大沢聡認定講師、認定演奏家。第2回日本オカリナコンクール独奏部門第1位ならびに審査員特別賞、第3回日本オカリナコンクールデュエット部門第1位。第4回楽しいオカリーナコンクールアンサンブル部門第1位。第20回大阪国際音楽コンクール民俗楽器部門ファイナル第1位、各部門優勝者によるグランドファイナル=ガラコンサートでは観客投票によるオーディエンス賞を受賞。第1回国際レイヴ・オカリナコンクール独奏A部門2位 ※最高位。第2回同コンクール独奏A部門1位。ヤマハ札幌センター、NHK文化センター札幌教室、エルム楽器札幌本店、コープさっぽろ文化教室、オンラインレッスンCafetalk、各オカリナ講師。
低音
Q1 低音を吹くときに運指で注意すべきことは?
A1
佐々木一真
低音の運指で問題になるのは、小穴を塞ぐために指をスライドさせるという動作にあると思います。その動作をどれだけ効率的に行なえるかが、低音をきれいに、スムーズに吹くためには大切です。小穴を押さえる際には、楽器に指をつけたままスライドさせる方法と、楽器から一度指を離し、押さえ直す方法があります。これは使用している楽器の表面処理などによっても変わってくると思うので適したほうを選択していただくと良いのですが、問題がなければ楽器から指を離さずにスライドさせる方法をオススメします。
(誌面ではこのあとも文章が続きます)
椎名春奈
きれいに鳴らない場合、正しい量やスピードよりも息を入れすぎていることがあります。また、楽器が下向きになっていて鳴らないことも多いです。
(誌面ではこのあとも文章が続きます)
ほかにもこんなことを聞きました!
Q2 しっかり指穴を押さえるためにイメージすること、実践することは?
Q3 低音を吹くときの息の入れ方のイメージは?
Q4 「実践」を意識した上で、こんな練習をすれば低音の苦手克服に役立つといった、エクササイズを教えてください。
高音
Q1 高音を吹くときに運指で注意すべきことは?
A1
佐々木一真
高音の運指で注意すべきことは指穴が完全に開くように指を離すことです。ただ、離すためには楽器を支えなくてはいけないという問題があります。高音の運指の練習は、楽器を支える練習だと言っても過言でないくらいに、楽器の保持が大切です。高音の運指に関しては、楽器をどのように保持しているかでかなり変わってくるため、支え方ごとの運指を考える必要がありますが、どの運指を選んでも、指穴に指がかからないように離すというのは変わりません。
(誌面ではこのあとも文章が続きます)
椎名春奈
しっかりと楽器を支えたうえで、親指や左手小指の穴をクリアに開放させることです。
(誌面ではこのあとも文章が続きます)
ほかにもこんなことを聞きました!
Q2 E♭、E、F 音では、指を指穴からしっかり開放する(離す)ためにイメージすること、実践することは?
Q3 高音を吹くときの息の入れ方のイメージは?
Q4 「実践」を意識した上で、こんな練習をすれば高音の苦手克服に役立つといった、エクササイズを教えてください。
さらに……
タンギング
Q1 タンギングと運指のタイミングがずれることで、音が出ないといったこともあるかと思います。これを防ぐための攻略法は?
全文は本誌Ocarina42号でお楽しみください。
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