オカリナ記事 Ocarinaの“今まで”と“これから”
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もうひとつのOcarina物語 ─拡大版─

Ocarinaの“今まで”と“これから”

Ocarina誌の50号を記念して、豪華な座談会が実現!
植田篤司さんをナビゲーターに、ホンヤミカコさん、佐藤一美さん、そして大沢聡さんというトップランナーにお集まりいただきました。彼らが語るOcarinaの魅力、そしてこれからの Ocarina界に求められることなどを話してくれました。

 
ホンヤミカコ
Micaco Honya
佐藤一美
Kazumi Sato
大沢 聡
Satoshi Osawa
植田篤司
Atsushi Ueda
 

未完の楽器だからこそ面白い
楽器を知ることから始まるOcarina

インチキと言われ、イタリアでリサイタルを開催

植田
今回はOcarina誌の50号記念ということで、オカリナ界をけん引するみなさんに集まっていただきました。みなさんがデビューされた当時の活動などを教えてください。
ホンヤ
今でこそ、オカリナは一般的な楽器になりましたけど、30年前はまだ一般的には知られておらず、本当に一部の方だけの趣味でした。私のオカリナとの出会いはストリートです。その音色に引き寄せられるように近づくと、青年がオカリナを吹いていて瞬時に魅せられ、すぐに楽器店で購入しました。
その後、ワーキングホリデーでオーストラリアに行き、メルボルンでは、ビートルズをテーマにしたイベントで演奏したこともあります。他にもフォークソングバンドと出会って一緒に演奏したり、オーストラリアでは楽しいことがたくさんありましたね。
帰国後は東京の池袋、次に新宿駅近辺でストリート演奏を行ないました。当時は、ストリートプレイヤーと言えば外国人で、日本人はほとんど見かけませんでした。
植田
僕が大沢さんを知ったのは20年前、すごいオカリナ奏者がいると耳にして聴きに行きました。トリプルオカリナでジャズやロックをやれるとは思っていなかったので驚きましたね。
大沢
僕はもともとシングルオカリナから始めたのですが、偶然の出来事からトリプルオカリナと出会いました。
植田
大沢さんは、現在フォーカリンクという台湾のメーカーと一緒に楽器を作られています。
大沢
当時はオカリナ発祥地であるイタリアの状況も知らなかったんです。あるとき有名な映画のプロデューサーさんが僕のコンサートに来てくださって、「君はイタリアでオカリナを勉強してきたんだね」と言われたんです。「そんな人は日本にはいないと思う」と答えると、「それじゃインチキじゃないか。僕はお金を払ってここにきているんだ。イタリアンレストランに食事に行って、イタリアで修行をしていない人の料理は嫌でしょ。それと同じじゃない?」と。それでデビューした翌年にイタリアでリサイタルをしました。そこで勉強しなくても現地で認められればいいと思いましたから。それがきっかけで、世界で知られるようになり、フォーカリンクからも声をかけてもらいました。
植田
佐藤さんに初めてお会いしたのは神戸のオカリナフェスティバルでした。後にお声がけしてオカリナセブンで一緒にやることになりました。
佐藤
私は元々フルートが専門です。音大卒業後、夜の新宿で、人だかりの中から不思議な音が聞こえてきました。そこで演奏していたのが、ホンヤミカコさんでした。素敵な音で魅了されました。その後歯の矯正をし、仕事がない時期に芸術鑑賞の仕事をいただきました。そのときご一緒した奏者が、世界の笛を紹介するコーナーでオカリナを吹かれ、 再びオカリナを聴いたのです。改めて素晴らしい楽器だと思って感激し、すぐに楽器店に行き、購入しました。

 

座談会はまだまだ続きます。全文は本誌Ocarina Vol.50でお楽しみください。

 

ホンヤミカコ Micaco Honya
オカリナ奏者/作曲家。北海道帯広市出身。1994年CD『Ocarina』で東芝EMIよりメジャーデビュー。現在のオカリナブームの火付け役となる。これまでに自作曲を中心とするCD14枚、楽譜集9冊を出版。CM起用曲「たんぽぽぽ」、NHKみんなの歌「ななかまどの秋」他、多くの自作曲がメディアで取り上げられている。NHK教育テレビ『トゥトゥアンサンブル』に2年、西日本放送テレビ『風に抱かれて〜本谷美加子の四国巡礼』に1年9ヶ月レギュラー出演。外務省の招聘により、韓国、 エクアドル、ニカラグア、パナマ、ドミニカ共和国、ペルー、ボリビアで、ソロ公演を行なう。他、イタリア、スペイン、ブラジル、台湾等、国内外で公演多数。静謐な音色の世界観が評価され国内外に多くのファンを持つ。高知県観光特使、高松市観光大使、鳥取市観光大使、嬬恋村キャベツ大使、浅間山ジオパーク特別大使を務める。2022年帯広市立大空学園義務教育学校校歌を作詞・作曲。2023年韓国ハヌルocarinaよりホンヤミカコオリジナルモデル発売。シンコーミュージックよりCDブック『オカリナの四季』(2018年)、『オカリナの旅』(2019年)、『ホンヤミカコのオカリナ気分』(2020年)を出版。2024年9月、シリーズ4作目となる『オカリナノスタルジー』 を出版予定。

佐藤一美 Kazum iSato
5歳より、ピアノとクラシックバレエ、12歳よりフルートをはじめた。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部フルート科卒、同大学研究科修了。1990年、NHKラジオFMリサイタル等でフルート奏者としてプロデビューする。1997年、オカリナアルバム『光の道』発表。オカリナ奏者としてもデビューする。千葉県習志野市の谷津干潟の自然や渡り鳥を歌ったこのアルバムはNHKテレビ等、メディアで取り上げられ、以来、国内外で演奏を展開中。海外では6カ国、100公演以上に及ぶ。2012年から、オカリナセブンメンバーとしても活動。CD作品は、個人のものは5枚、オカリナセブンとしても2枚をリリース。2019年11月、オカリナ奏者西村麻衣子とライブハウスでのコラボコンサートを皮切りに、BEAUTY PLUSを結成、以来各地で活動している。2023年、韓国のオカリナ奏者ユック・スーヒー氏とも、オカリナを通しての、平和活動の一環として、それぞれの小学校の土をブレンドした、秀美オカリナも誕生した。DUO Albumを作成、2024年春完成間近。フォーカリンク社から大沢聡プロデュースの佐藤一美モデルオカリナ「シレーナ」がある。国内外コンクールにて、審査員も務めた。日本童謡協会正会員(作詞、作曲)、日本著作権協会準会員。

大沢聡 Satoshi Osawa
国立音楽大学音楽学部器楽学科サキソフォーン専攻在学中にオカリーナと出会う。2004年10月プロ活動を開始し、同年12月波多野杜邦氏制作のトリプレットオカリーナ「イカロス」の提供を受ける。2006年イタリアで東洋人初のリサイタルを開催後、世界中から賞賛され国際的に活動する。国内では著名ホールでリサイタルを開催し、伊勢神宮・伊弉諾神宮・石山寺・二条城などの歴史遺産でもコンサートを行なう。これまでに国内で9枚・海外で4枚のCD、3枚のDVDを世界的に発表。楽器創作では、2008年5月(有)林楽器商会より「Osawa Noble Ocarina」、2010年4月(株)プリマ楽器より「Osawa Ocarina」、いずれも3オクターブの音域を持つトリプレットオカリーナを全国発表。執筆活動も積極的に行ない、作編曲家としては、2012年8月に自身初となる全曲オリジナル曲で構成されたアルバムを発表。クラシック、ポップス、ジャズ等、すべてのジャンルで賞賛を受け、なおかつ、楽曲と楽器の創作もできる唯一無二の演奏家である。2008年度国際芸術連盟音楽賞、第3回東京サミット音楽コンクール奨励賞を共にオカリーナで受賞。国際芸術連盟専門家会員。日本著作権協会準会員。フォーカリンク株式会社(台湾)エグゼプティブ・ディレクター、台湾オカリーナフィルハーモニー協会理事。韓国パンフルート・オカリナ協会マスタークラス教授。国際オカリーナアンサンブルコンテスト審査員。イタリア・ブードリオ市名誉賞受賞。山梨市観光大使、山梨県公認の観光大使「やまなし大使」に就任。 山梨オカリナ連盟顧問。

植田篤司 Atsushi Ueda
兵庫県西宮市在住。オカリナ演奏家、編曲家、研究家として、ソロやアンサンブルによる演奏、オカリナアンサンブルのための楽曲アレンジ、オカリナの歴史文化や楽器の研究を行なう。また、国内外の歴史あるオカリナを多数所有し、楽器の展示とともに演奏、講演を行なうオカリナ歴史的コンサートも定評がある。2010年創刊時よりオカリナ専門雑誌Ocarina(アルソ出版)にて「Ocarinaよもやま話」、「もうひとつのOcarina物語」を連載する。国内外、台湾、韓国、イタリアの演奏の他、2013年にはニューヨークカーネギーホールにて演奏を行なう。自宅スタジオ(スタジオ ノベルノート)、神戸・大阪・京都・姫路・名古屋など多くの教室やサークルにて指導を行なっている。ウエダミュージックデザイン代表。







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