Ocarina vol.40
日本オカリナアンサンブルコンクール主催 日本オカリナ協会 座談会 前編
2021年 第4回日本オカリナアンサンブルコンクールは9月4日(土)、東京・代々木上原にある古賀政男音楽博物館「けやきホール」にて開催を予定していましたが、東京都に緊急事態宣言が発令され、急きょリモート開催・動画審査に変更されました。参加者はもちろん、主催者の日本オカリナ協会も様々な対応に追われましたが、11月30日(火)の審査会、そして12月5日(日)の表彰式を無事に終了しました。
今回は、同コンクールを主催する日本オカリナ協会の代表である大塚太郎さんをはじめ、事務長の澤秀樹さん、理事長の田島篤さんの3名に話を訊きました。
今号と次号の2回にわたって掲載します。
勝っても負けても素晴らしい
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日本オカリナアンサンブルコンクールは2015年に1回目が開催されました。ソロ部門のないアンサンブルだけのコンクールを開催するにいたった経緯は?
田島篤
そもそも私は指揮者なので合奏の審査対象になる部分が明確にわかるということがあります。また、ソロは演奏者の個人的な音楽性が表れるので審査する側も主観になってしまう。音楽を点数で審査するのは多分に主観的な部分があるのですが、ある程度の基準、良いアンサンブルには最低限この部分が必要だという評価ができるということで2重奏以上のアンサンブルコンクールを始めました。
大塚太郎
アンサンブルだったら採点をすることが可能だと考えたからです。ソロでも客観的に審査することは可能ですが、それ以上に個性の強さとか、理論的には正しくてもそれを超越することもあると思うんです。
田島篤
好みのぶつかり合いになってしまう可能性もありますからね。
大塚太郎
それと、オカリナは大衆楽器だと思うので気軽に手軽に誰もが楽しめるものだと考えています。だから、技術の良し悪しを評価するのはどうかという部分もあります。ただ、多くの愛好者が楽しむうえで“レベルアップしたい”“アンサンブルに真剣に取り組みたい”“みんなと同じ目標に向かって努力したい”というチャレンジ精神を持っている方もいます。その方たちの目標となる道がないのは寂しいので、アンサンブルにスポットを当ててコンクールを開催しようということになりました。イメージとしては高校野球の甲子園大会。みんなで汗をかいて、勝者だけが感動を与えるわけではなく、勝っても負けても素晴らしかったという時間になってほしいという想いがあります。
澤秀樹
もちろんコンクールですから賞を設けていますが、あくまでもそれはその時の結果です。賞や点数ももちろん大事ですが、審査員の先生方に講評をいただき、それを参加者全員にお渡しするというのが目的の一つでもあります。評価の基準もきちんと決めて、結果が明快にわかるようにお伝えしたいということでコンクールというかたちを取っています。先生方からの講評をあとでご覧いただいて、自分たちの練習の糧にしていただいたり、練習の指針に活用していただいたりして、みなさんのレベルアップに繋げられるように企画しています。
大塚太郎
2年に1回の開催ですが、お渡しした講評を元にレベルアップして次回も参加いただきたいという想いもあります。
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審査後に動画審査部門の新設というアイデアも出ていましたが、今後のアンサンブルコンクールの展望は?
田島篤
動画審査部門を今後作ってもいいかなと思っています。動画であるからこそ今回出場できたという団体もいました。地方の方もそうですし、近場でも朝早くに東京まで出てくるのが大変だという方も動画だったら余計な緊張もなく気楽に演奏できますしね。それと、今後海外からも参加してくれる団体が出てくるとうれしいです。だから、動画審査というのは今後もやっていきたいという想いはあります。
インタビューはさらに続きます。全文は本誌Ocarina Vol.40でお楽しみください。
Information
第4回 日本オカリナアンサンブルコンクール
審査会:11月30日(火) 大田区民プラザ
表彰式:12月5日(日)
[主催]日本オカリナ協会(https://joa.ocarina.co.jp/)
[審査委員長]田島篤
[審査員]茨木智博、小山京子、佐藤一美、善久 Zenkyu(順不同)
[部門構成]A組 7重奏、B組 2〜5重奏、C組 重声部合奏
[結果]
A組 金賞:TMT18
B組 金賞:Duo Libra、ボーネ・アミーケ
C組 金賞:京都オカリナアンサンブル雅〜MIYABI〜
A・B 組グランプリ:ボーネ・アミーケ(B組)
C組グランプリ:京都オカリナアンサンブル雅〜MIYABI〜
第4回 日本オカリナアンサンブルコンクールの参加者の演奏、審査会の様子は、日本オカリナ協会のYouTubeチャンネルでチェックできます。