オカリナ記事 今さら聞けないOcarinaのあれこれ
オカリナ記事 今さら聞けないOcarinaのあれこれ オカリナ記事 今さら聞けないOcarinaのあれこれ
知っているようで意外と知らない!?【Ocarina25号 特集】

今さら聞けないOcarinaのあれこれ

Ocarina の奏法や扱い方など自分では理解していると思っていても、はたしてそれが正しいのかどうか判断できない方もいるでしょう。また、今さら人には聞けないという方も少なくないと思われます。しかし、Ocarinaに関する正しい知識を理解することで、今まで以上のステップアップを図ることができます。
そこで、今回は奏法のことから、楽器の扱い方まで、“知っているようで意外と知らないOcarinaのあれこれ”を取り上げ、それぞれに精通したナビゲーターにレクチャーしていただきます。

 

奏法のこと

Check1 高音・低音それぞれで音をキレイに出す方法は?
Check2 アルトCで高音を吹くとき、下を向いたほうがいい?
Check3 オカリナは音の強弱をつけられないと言われていますが、本当につけられない?
Check4 立奏と座奏では吹き方などを変えるべき?
Check5 チューナーでピッチを測るときの設定は? また、他の楽器と合わせるとき、ピッチはどうするの?
Check6 管内に唾液や水分が溜まらないようにする吹き方ってあるの? また、溜まったときの対処法は?

 

今回はこの2人に聞きました!

小林洋子

小林洋子 Yoko Kobayashi
Profile
東京音楽大学サクソフォーン専攻卒業。サクソフォーンを須川展也、田中靖人、中村均の各氏に師事。室内楽を中村均、石渡悠史の各氏に師事。2006年よりオカリナ演奏を始める。オカリナを江波太郎氏に師事。第2回日本オカリナコンクールデュオ部門第1位、総合グランプリ受賞。年間30回を超えるコンサート活動の他、個人レッスンからラージアンサンブルまで熱心な指導に定評がある。長野県、埼玉県において音楽教室を多数運営。

 

善久

善久(Zenkyu)
Profile
東京音楽大学卒。テューバを田中真輔氏に師事。雅楽の笙を13才より宮内庁雅楽部楽長、故豊雄秋氏、故多忠雄氏に師事。オカリナでは高度な技術と独自の指導法で400名以上の生徒を指導。国内外で活躍中。東日本大震災復興支援のため、猪苗代の「野口英世記念ばんだい高原国際音楽祭」に出演。南相馬の仮設住宅でボランティア演奏を震災後も続けている。2017年に「善久(Zenkyu)オカリナ合奏団(ZOG)」を設立し、国内外で活躍が期待される。



Check1 高音・低音それぞれで音をキレイに出す方法は?

小林洋子

息の使い方のイメージは、高低ではなく(↑↓)距離(下の図を参照)と考えています。最高音のファが一番遠いところ、最低音のラが一番近いところになります。それぞれの音はその音の専用の息づかいとイメージし、ファならファ、ミならミと、1音1音で息の圧力(スピードや量)が違います。低音のドもド専用で、シにもラにも通用しません。そこをだるま落としのように狙うんです。そして、高いファは最高音とは考えず、その上があると思って吹くと、苦しそうに聴こえなくなると思います。先ほど話しました距離の話ですが、例えばドからソにおりる時、私の生徒さんが「息をひっこめる」と言ったのですが、そうではなく、矛盾しているようですが「息は常に前→出しっぱなし」。ドからおりるソの圧力を比べるのではなく、先に話しました専用の息を出すと考えます。その説明をしたらうまくいきました。これらは無声音で「トゥー」という息づかいが基本で(低音はトォーを使うと美しく出しやすい)、音によってその圧力を変えていくだけです。これを踏まえて訓練してその距離感を覚えるとキレイな音が出せるようになりますよ。私のタンギングは基本が「Tu」、「To」、強いときは「Du」などを使いますが、何通りか使い分けて曲に合ったタンギングができると良いと思います。私の演奏を聴いてくださった方で、私がタンギングをしていないのではないかと質問をされる方がいらっしゃいましたが、真逆です! ものすごくはっきりとタンギングをしています。オカリナの演奏は、柔らかくて優しくてというイメージは合っていると思いますが、そのためにはかなりハッキリとした音の出だしを作ることが必須だと私は思います(例えば、美味しくて甘いチョコレートを想像してください。デロっと溶けた状態ではなくて、輪郭のはっきりした状態……のような音、フレーズ。甘いんだけど硬いみたいな)。

小林洋子

 

善久(Zenkyu)

オカリナは閉管楽器なので、音域によって息の圧力を変えないと音程が安定しません。低音だと指穴を押さえる部分が多く、すべてを押さえるラの音などは口の中の空間を広くして息の圧力を下げて吹いたほうが僕はいいと思います。低音は「ホー」、「フー」など柔らかい(温かい)息で演奏すると音がキレイに出せます。低音を吹くときと同じ息づかいでも口の中の容積を狭くすれば、勢いのある(冷たい)息になります。高音の場合は、その冷たい息を使ったほうがいいです。楽器を吹くときの息の流れは舌の上を通って外に出ていきます。その舌を上下させることで口の中の容積を変えることができるのです。 また、音域によって息のスピードも変えます。初心者がドレミファソラシドを吹くとき僕が教えるのは、タンギングを低い音と高い音で変えること。なぜなら、低音・高音では息の圧力が違うので同じタンギングだと音程が上がってしまいます。そこでアルトCの場合、ドレミファは「To」、ソラシドは「Tu」にして吹いてもらいます。F 管の場合はすべて「To」にしたほうがキレイな音になります。

善久

左/「フー」の息。右/「ホー」の息

善久

左/低音を吹くときの口の中。右/高音を吹くときの口の中



さらに詳しい内容についてはOcarina25号で。




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