第01回 インタビュー:練習法・音色について
THE SAX vol.99よりスタートした「クラシカルサックス レベルアップ講座」。講師に角口圭都さんを迎え、音色やテクニックを少しでも向上するために、わかりやすく解説してもらいます!
THE SAX vol.99よりスタートした「クラシカルサックス レベルアップ講座」。講師に角口圭都さんを迎え、音色やテクニックを少しでも向上するために、わかりやすく解説してもらいます!
角口圭都 Keito Kadoguchi
富山県出身。東京芸術大学、同大学大学院音楽研究科を卒業。
サクソフォンを池上政人、冨岡和男、須川展也、平野公崇、大城正司の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。第9回北陸新人登竜門コンサート優秀賞受賞。第9回ルーマニア音楽コンクール第1位。「TOYSPARK」メンバー。「Dreamvivo Jazz Orchestra」主宰。「piazzolla de saxophone quartet concert」等、様々なコンサート企画も行う。クラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」の「Gioia サクソフォン倶楽部」プレゼンターなどでも活躍。2019年9月初ソロアルバム「Chau Paris」を発売。
第1回目となった99号では、角口さんご自身がやっていてよかった基礎練習や初心者に伝えておきたいことを掲載しました。基礎練習ではインターバルや曲の転調していく練習など、譜例付きで紹介しています。
なんと、誌面に掲載した譜例の模範演奏を、角口さんのYou Tubeのチャンネルでアップしてくれています! ぜひチャンネル登録して、参考にしてください!
keito KADOGUCHI saxophone 角口圭都
さらにWEBでは誌面に掲載しきれなかった角口さんのインタビューを特別に公開します!
特に発音の正確さと、ヴィブラートの美しさ、またそれらの練習法は今でも行なっています。
クラシック以外のジャズ・ポップスのサクソフォーンもそうですし、サクソフォン以外の様々な管楽器や弦楽器・歌などもたくさん聴いて好きな音色を探しています。自分自身が聴いて感動したいろんな音を自分の中の肥やしにできないものかと考えています。
ちなみに、衝撃を受けたサクソフォーンの音色の方は、イギリス人のジョンハールさんのCD「サクソフォン名協奏曲集」、ロシア人のペッカ・サヴィオキさんのレコード「サクソフォン協奏曲集」、あとは、小学生の時に聴きに行った、富山で行われた雲井雅人先生の講演です。お話を交えながら楽器も吹いてくださったのですが、その時に演奏された1オクターブ分のロングトーンの音がとてもふくよかで暖かったのを今でも覚えています。
また、時々ビッグバンドでも演奏するので、クラシックの時とは全然違う音を出したい時があります。その時はマウスピースを替えています。
普段からクラシックのマウスピースでも、近い音色を再現できるように練習していますが、サクソフォンのレパートリーには、いろいろなジャンルの曲がありますのでいつもより雑音を多く含ませたり、サブトーンを使ったりとアンブシュアを変えるなどして音色を変えています。
最近は色々ある音色の中でも、特に個人的に大好きなのはオーケストラの中でまろやかに鳴っているクラリネットです。あんな音をサックスからも出したいなぁと考えています!
今は、色々な方法で克服していますが、シングルタンギングですと、誌面に掲載した譜例2のスケールは調子がいいときでも104が限界です。これは、プロの中でも、かなり遅い方だと思います。
学生時代は、本当にこのことに悩みまくり、悔しさと挫折を何度も繰り返しました。この大問題は、ダブルタンギングを習得することと、その悩みを気持ちの持ち方で克服しました。ダブルタンギングが得意なフルートや金管楽器の奏者に、どんな練習をしているかを、教えてもらいました。サックスは、口の中にマウスピースを入れるので難易度が高いのです。
ダブルタンギングは、特殊奏法として扱われていますが、フルートや金管楽器にとっては、普通に取り扱われる技法なので、練習の仕方も確率されていて大変参考になりました。また、若いときは、どうしても速いテンポで完璧に吹かなければならない!という負荷を懸けがちです。結果 自分を追い込んでしまい、病んでしまいます。なので、テンポを落とすことや、アーティキュレーションを変えてやり過ごすことは、負けではないと思えるようになりました。ちょっと肩の力も抜いたほうが良いと思います!
もちろん苦手を克服することは、大事なことですが、それに囚われすぎるとそもそもサックスが好きという気持ちを忘れてしまいそうになります。
苦手克服と同じくらい、得意なところも伸ばして行く事が大事だと思います。
今後の連載の中でタンギングについてはしっかり掘り下げたいと思いますので
是非チェックしてくださいね!
本誌の連載は、次回からの第2回~第5回は、音を出す前の準備、ロングトーン、スケール練習・タンギングなどを、第6回では曲を用いて、表現にもアプローチしていく予定です。
「全6回を通して読んでいただいた後に何か一つでも気づきのある連載にしたいと思っています」と語る、角口さんの今後の連載をお楽しみに♪
角口圭都
Keito Kadoguchi
富山県出身。東京芸術大学、同大学大学院音楽研究科を卒業。サクソフォンを池上政人、冨岡和男、須川展也、平野公崇、大城正司の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。第9回北陸新人登竜門コンサート優秀賞受賞。第9回ルーマニア音楽コンクール第1位。「TOYSPARK」メンバー。「Dreamvivo Jazz Orchestra」主宰。
「piazzolla de saxophone quartet concert」等、様々なコンサート企画も行う。クラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」のOTTAVA Salone、OTTAVA Premio にてプレゼンターを務めている。2019年9月初ソロアルバム「Chau Paris」を発売。
(2020.05)