サックス記事 第02回 サックスの基礎『音を出す前に』息のスピードを上げる!
  サックス記事 第02回 サックスの基礎『音を出す前に』息のスピードを上げる!
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クラシカルサックスレベルアップ講座 │ 第2回 from THE SAX vol.100

第02回 サックスの基礎『音を出す前に』息のスピードを上げる!

LESSON

THE SAX vol.99よりスタートした「クラシカルサックス レベルアップ講座」。講師に角口圭都さんを迎え、音色やテクニックを少しでも向上するために、わかりやすく解説してもらいます!

角口圭都 Keito Kadoguchi
富山県出身。東京芸術大学、同大学大学院音楽研究科を卒業。サクソフォンを池上政人、冨岡和男、須川展也、平野公崇、大城正司の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。第9回北陸新人登竜門コンサート優秀賞受賞。第9回ルーマニア音楽コンクール第1位。
「TOYSPARK」メンバー。「Dreamvivo Jazz Orchestra」主宰。「piazzolla de saxophone quartet concert」等、様々なコンサート企画も行う。クラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」のOTTAVA Salone、OTTAVA Premio にてプレゼンターを務めている。
2019年9月初ソロアルバム「Chau Paris」を発売。

 

第2回目となるvol.100では「サックスの基礎~音を出す前に」をテーマに、実際に音を出す前に準備できることをレクチャーしてもらいます。
本誌では、構え方、座り方、立奏、呼吸、肺を広げて肺活量をあげるストレッチ、息のスピードを上げる、リード・リガチャーのセッティングなどについて解説してくれています。
誌面に掲載した中から「肺を広げて肺活量をあげるストレッチ」と「息のスピードを上げる」について角口さんのYou Tubeのチャンネルでアップしてくれています!ぜひチャンネル登録して、参考にしてください!

肺を広げて肺活量をあげるストレッチ

自分の肺が持つ最大肺活量を発揮するために、私が編み出したストレッチをご紹介します。

1. 両手を下から上に向かって、ゆっくりと万歳の位置まで移動させながら、ゆっくり口から息を吸います。限界まで吸いきりましょう。

2. 両手が一番高いところまで、上がったタイミングで息を吸いきり、息を止めます。

3. その我慢した状態で手のひらを組み、後ろへ伸びをしたり、左右へ側屈など柔軟運動をします。

4. ひとしきり体を動かしたら、息を吐きながらゆっくりと万歳の位置から30秒ほどかけて手を下ろします。小さな音で長いロングトーンをするように口から細く息を吐いてください。しっかり最後まで吐ききってください。

このストレッチを2~3回繰り返してみてください。3. が特にきついのですが、これをやるだけで体の中の息のタンクが広がるのを感じられますよ!

息のスピードを上げる

サックスを吹く時に、自在に息のスピードを変化させられるようになると、音の伸びが良くなる、ダイナミクスの幅が広がる、レガートのつながりが良くなるなど良いことがいっぱいです!
また緊張した場面では体が硬くなり、息が吐きにくくなります。緊張しているなと思う時には、意識的にしっかり息を吸い息のスピードを上げると演奏への影響も軽減されるでしょう。

♪ 息のスピードを確認

手のひらを自分の口に向けて、手のひらの中心に向かって細く速い息を吹きかけます。まずは口と手のひらの距離を10センチからはじめてみましょう。

ブレス1手のひらブレス
ブレス2
 

慣れてきたら徐々に手を離し、肘がまっすぐ伸びるくらいの距離まで離し、息が届くかチャレンジしてみてください。これだけで音の伸びが格段に変わります。私も大きなホールで演奏するときなどは、ホールの一番後ろまで音が届くようにという願掛けの意味も込め、一番後ろに向かって息を吐いてから音を出すようにしています。呼吸が適当になると、演奏の調子も悪くなるので、要注意ポイントですね!

余談ですが「完全呼吸」という言葉をご存じですか? ここ一年ほどヨガ教室に行っているのですが、そこで出会った言葉です。腹式呼吸・胸式呼吸・肩(鎖骨)呼吸を組み合わせた呼吸法だそうです。

腹式→胸式→肩の順に息を入れていきます。
実際にはこの呼吸で演奏しているプレイヤーは多いと思います。息を体の中にためられるだけためるには腹式呼吸を越えた完全呼吸が必要なのだと思います。
ブレスがきつい有名な作品といえば、ラヴェルの『ボレロ』に出てくるテナーサックスソロの後半ですね。どこでブレスを取るかも聴きどころの一つです。

 

 

登場するアーティスト
画像

角口圭都
Keito Kadoguchi

富山県出身。東京芸術大学、同大学大学院音楽研究科を卒業。サクソフォンを池上政人、冨岡和男、須川展也、平野公崇、大城正司の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。第9回北陸新人登竜門コンサート優秀賞受賞。第9回ルーマニア音楽コンクール第1位。「TOYSPARK」メンバー。「Dreamvivo Jazz Orchestra」主宰。
「piazzolla de saxophone quartet concert」等、様々なコンサート企画も行う。クラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」のOTTAVA Salone、OTTAVA Premio にてプレゼンターを務めている。2019年9月初ソロアルバム「Chau Paris」を発売。
(2020.05)

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