第07回 お悩み_ソプラノサックスの高音でのアンブシュア
THE SAX vol.99よりスタートした「クラシカルサックス レベルアップ講座」。講師に角口圭都さんを迎え、音色やテクニックを少しでも向上するために、わかりやすく解説してもらいます!
角口圭都 Keito Kadoguchi
富山県出身。東京芸術大学、同大学大学院音楽研究科を卒業。サクソフォンを池上政人、冨岡和男、須川展也、平野公崇、大城正司の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。第9回北陸新人登竜門コンサート優秀賞受賞。第9回ルーマニア音楽コンクール第1 位。「TOYSPARK」メンバー。「Dreamvivo Jazz Orchestra」主宰。「piazzolla de saxophone quartet concert」等、様々なコンサート企画も行なう。クラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」にてプレゼンターを務めている。2019年1st album「Chau Paris」2021年5月2nd album「Romance」を発売。
第7回 読者の皆様からの質問・お悩み相談
第7回のテーマは【読者の皆様からの質問・お悩み相談】です。
今回は読者の皆様からの質問にお答えします。メッセージをお寄せ いただきありがとうございました!
いろんな方に共通したお悩みや質問だと思いましたので、今回はこちらの2件をピックアップしました。
(SAX ONLINEでは読者の質問の一部をご紹介します)
ソプラノサックスの高音のアンブシュア
♪T様からの質問
私は、メインはアルトサックスを 8 年ほどやっていますが、3年ほど前からソプラノサックスも始めました。ソプラノサックスはアルトサッ クスよりも息入れ、アンブシュアなどが難しく、特に最初は大変でしたが、ようやく最近は少しずつ慣れてきて楽にはなってきました。
しかし、それでもまだ最高音域(特に一番高いドより上)の音程が 低めに出てなかなか正しい音程になりません(中でもファとファ#)吹き込んでいけばいつかは改善できるのかな、という気もします
が、音程が低くなるのはアンブシュアがしっかりしていない、あるいは口の筋肉の鍛え方が不足しているのかな、という気もします(私はもともと口を緩めるのは得意なので低音域は最初から得意でした)。
ついては、高音域の正しい音程を出すための、「毎日行なうべき反復練習の譜面・楽譜」を示していただければ嬉しいです。是非解決方法を教えてください。
角口先生からのanswer 4項目をチェック!
高音域を良い音程で出すためには、まずは奏法を見直す必要があると思います。ソプラノサックスだけに限らず、他のサックスにも共通するところがありますので、以下の4項目のチェックをお願いいたします。
A.リードの厚さは適切か
どのサックスにも共通しますが、薄いリードは高音の音程がぶら下がりやすいです。
少し厚めのリードにトライしてみてもいいかもしれません。
B.使用リガチャーと奏法がマッチしているか
息の入れ方とリガチャーのミスマッチが起きていることがあります。
特に、リガチャーのネジが元締めか逆締めかでとても変わります。
息が太く、遅い人が元締めのリガチャーを使うと高音がぶらさがりやすいです。
元締めリガチャー:楽器購入時に付属している純正リガチャーやVandoren Optimumなど
逆締めリガチャー:BG traditionalやHarrisonなど
C.息を入れる方向
ソプラノサックスのベルの方向に向かって息を入れると、口の中が広がって息が太く入ります。
ベルの方向ではなく、正面方向めがけて息を吐くようにすると、口の中がまとまりやすく
高音の当たりもよくなり音程をキープしやすいです(写真参照)。
D. チューニングの仕方を見直す
普段はどの音でチューニングをしていますか? 音によって音程に癖があります。
トータルしてバランスの良くなる音でチューニングすることをお勧めします。
T様の場合はアンブシュアを緩めるのが得意とのことでした。
高音がよい音程 になるようにチューニングし、中低音の音程をアンブシュアと替え指などを使って
コントロールできないか試してみるのもありだと思います。
この4項目をチェックしたうえで、以下のようなロングトーン練習を行なってみてください.
※上記譜例の完全版は下記よりダウンロードしてください。
https://keitokadoguchi.jimdofree.com/download/
おわりに
第7回いかがでしたでしょうか?
全6回だったレベルアップ講座ですが、なんと引き続き連載されることとなりました♪
これからも皆様のサクソフォン演奏のレベルアップのお役に立てていければ幸いです。
これまでのレベルアップ講座1〜5回の譜例を演奏した「模範演奏動画」も角口圭都YOUTUBEチャンネルにて公開中です。角口圭都YOUTUBE チャンネルでは、様々なサクソフォン吹き比べ動画もアップしています。ぜひご覧になってみてくださいね。
●CD「Romance」 https://www.alsoj.net/sax/magazine/view/819/4557.html
●角口圭都CD「ロマンス」発売記念コンサート https://www.alsoj.net/sax/magazine/view/123/4545.html
角口圭都
Keito Kadoguchi
富山県出身。東京芸術大学、同大学大学院音楽研究科を卒業。サクソフォンを池上政人、冨岡和男、須川展也、平野公崇、大城正司の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。第9回北陸新人登竜門コンサート優秀賞受賞。第9回ルーマニア音楽コンクール第1位。「TOYSPARK」メンバー。「Dreamvivo Jazz Orchestra」主宰。
「piazzolla de saxophone quartet concert」等、様々なコンサート企画も行う。クラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」のOTTAVA Salone、OTTAVA Premio にてプレゼンターを務めている。2019年9月初ソロアルバム「Chau Paris」を発売。
(2020.05)