サックス記事 楽器の構造を知ろう
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サックスという楽器を知ろう♪【第3回】

楽器の構造を知ろう

サックス本体があれば音が出せる?

管楽器はピアノのように、楽器さえあれば音が出せるものではありません。楽器のほか、音を出すためのマウスピースが必要です。それに加えてサックスの場合は、振動させて音を出すためのリード、リードとマウスピースを固定するリガチャーという器具が必要です。
またサックスは、ソプラノ約1.5kg、アルト約2.5kg、テナー約3.5kg、バリトンにいたってはなんと約6kgもあるのです。これを手だけで支えながら演奏するのは無理がありますよね。
そこで楽器を首や肩で支えるストラップというものも必要になります。
プロの奏者は、演奏するときだけでなく、持ち運び(コンサートやライブよっては2本以上!)が多く、肩こりや頚椎の痛みを感じる方が多いというのもうなずけますね。

サックス本体の構造

管体という楽器の主要部分には、指を押さえるキィがたくさん配置されています。指の本数以上にキィがありますが、大丈夫! 指で押さえるキィは決まっています。指で直接押さえないキィは、パイプの連結によって開閉してくれるのです。また左手のテーブルキィなどのように、1本の指で複数のキィを担当していることもあります。
ボディ部分の2番管と、2番管とベルを繋ぐ部分はU字管。その先にはベルと言われる朝顔のような部分があり、ここから音が出てきます。
マウスピースと管体をつなぐのがネックです。ソプラノの場合は高音楽器で長さが短いため、アルトやテナーのように管体がU字になっておらず、まっすぐなものが一般的です。バリトンの場合は、低い音を出すために管を長くする必要があり、取り外し可能なネックとレシーバー以下の本体側部分は、くるりと巻いたとぐろ形状になっています。

マウスピース

SAXMP1

ネックの先にコルクが付けられており、ここにマウスピースを入れます。マウスピースにはリード、リードとマウスピースを固定するリガチャーをセットします。
これらがそろえば楽器の音を出すことができます。

リードとは?

リードとはマウスピースに付属させ、息を入れて振動させ、音を出すためのアイテムです。
リードは、ケーンという葦の種類の植物から作られています。このリードの厚さによって、2や3などの番手が決まっています。ただ、自然のものを加工して作られているので、メーカーが均一性を目指して製造していても一枚一枚ばらつきが出てしまうのは致し方ないことかもしれません。
リードはケーンで作られているので、使いすぎてヘタったりしますし(「コシがなくなる」と言います)、欠けたりすると使えなくなります。逆にいえば、ライブや発表会など、ここぞというときに、お気に入りの一枚を育てていく楽しみもあるのです。
最近は、樹脂製のリードも人気です。こちらはケーンに比べて割高ですが、長期間使うことが可能です。
リードにも各部名称があります。少しずつ覚えていきましょう。

リガチャーとは?

リガチャーとはマウスピースにリードを付けるためのアイテムです。リガチャーの素材や形状によって吹奏感や音色に違いがあります。もちろんマウスピースを変えたときほどの大きな違いではありませんが、手軽に自分の好みの音や吹奏感のものを選べる楽しさがあります。
楽器を購入したらマウスピースとともにリガチャーは付属していますが、最初は付属のもので練習を始めるといいでしょう。慣れてきたら楽器店で試奏してお気に入りのリガチャーを探すのも楽しいものです。
手軽に替えられるパーツなので、さまざまなリガチャーが作られています。主なものは金属製ですが、ネジの本数、締める位置、表面加工によって違いがあります。金属の他には、革、紐、木、ファブリックと様々なものが販売されています。

金属製のリガチャー
革、紐、木、ファブリックで作られたリガチャー

ベルの彫刻

メーカーの特徴が見た目でわかりやすいのがベルにある彫刻です。上位モデルやエントリーモデルによってメーカーでも違いがありますから、いろんなメーカーや機種を見比べても面白いですよ。また自分の好みの絵や画像をオーダーメイドで彫刻するプレイヤーもいます。

 

第4回は「サックスはどんな素材でできているの?」(7/24公開予定)。お楽しみに!