ウィンドコントローラー NuRAD(ニューラッド)誕生
伝説のウィンドシンセ“スタイナーフォン”の機能を受け継ぎ、さらに進化を遂げ誕生したウィンドコントローラー“NuRAD”。前号に引き続き、住友紀人氏とウィンドシンセサイザーの伝道師よしめめ氏によるNuRADの試奏と検証をお届けする。MIDI信号をアサインすることで多彩なギミックを発揮するマウスピース部分のセンサースイッチ等々、各種機能や操作性などNuRADのポテンシャルについて対談が繰り広げられた。今回は未知なる可能性を秘めたNuRADのみ表現しうる機能「ボイスローテーション」について対談は進んだ。
伝説のウィンドシンセ“スタイナーフォン”の機能を受け継ぎ、さらに進化を遂げ誕生したウィンドコントローラー“NuRAD”。前号では、サックス、ウィンドシンセサイザー奏者、コンポーザーにしてEWI開発にも携わった住友紀人氏とウィンドシンセサイザーの伝道師よしめめ氏によるNuRADの試奏と検証をお届けした。
コンパクトで操作性に優れたオクターブ・ローラーや、詳細に設定可能なブレスセンサーは、ブレスコントロールによる幅広いダイナミクスレンジを可能にする。MIDI信号をアサインすることで多彩なギミックを発揮するマウスピース部分のセンサースイッチ等々、各種機能や操作性などNuRADのポテンシャルについて対談が繰り広げられた。今回は未知なる可能性を秘めたNuRADのみ表現しうる機能「ボイスローテーション」について対談は進んだ。
写真:住友紀人 氏
ボイスローテーション機能
音源・音色との相性を見る
NuRADの場合、住友さんが想定する使い方、音源なんかはどんなものを選択するかを聞いてみたいです。
またNuRADぐらいの高機能だと、NuRADを元にした曲を作る可能性が高いです。こういう楽器は作曲にも影響を及ぼします。
NuRADで開拓する愉しみ
まだ販売されて間もないですし、発売後の最初期から開拓できるというのは何より楽しい作業なので、皆さんで開拓していきましょう!(笑)。
今回コウスキミュージックさんという日本国内での代理店さんがついたというのは大きいですよね。楽器って買った後のサポートって重要じゃないですか? マウスピース等の消耗品購入もそうだし、故障したらしたでスウェーデンに発送したりを考えると……何語で依頼すればいいんだろうとか(笑)。
スタイナーとも昵懇の間柄なのでフィードバックもしやすい。育てていく楽しみもありますね。
column ボイスローテーション/ハーモナイザーとは
マイケル・ブレッカーが好んで使っていた「吹くたびに和音の構成が変わる」機能の事である。 例えば以下の3つの音源をこのように設定すると…
音源1 メイン音色(ドを吹くとドの音が鳴る)
音源2 ハーモニー用(ドを吹くとミとソとラの和音が鳴る)
音源3 ボイスローテーション用(ドを吹くたびオクターブ下のド→ミ→レと順番に鳴る)
上記のように繋いだ状態で、「ドドドドド」と吹くとボイスローテーションされたベースラインが動く仕組み。 これを再現するには、OBERHEIM EXPANDERやYAMAHA TX802等その機能を持つ特定の音源が必要であったり、前号で記述したMt.Fuji Jazz FestivalでのブレッカーはDAWのホストアプリであるソフトウェアLogicで複雑怪奇なエンバイロメントというプログラムを書いたりスクリプトを組んだりする必要がある。
ハーモナイザーというのは例えば調をCメジャーと設定して各音階を吹けば、ド→Cメジャー、レ→Dマイナー、ミ→Eマイナー、ファ→Fメジャー……と、ダイアトニックで構成を勝手に変えながら和音を出す機能である。 通常であれば単音楽器であるウィンドシンセで和音を出す場合、音源側の音程(音階)差を設定するしか手段が無いため、0(ド)、+4(ミ)、+7(ソ)と設定しても「ド→Cメジャー、レ→Dメジャー、ミ→Eメジャー、ファ→Fメジャー……」となり、すべての和音、音と音のインターバルは一定にしか設定されず、楽曲内での調性が破綻する。
●製品情報 NuRAD ベーシックモデル 販売価格 190,000円(税抜)
NuRAD ワイヤレスMIDI 販売価格 210,000円(税抜)
リポバッテリー装着オプション 販売価格 5,900円(税抜)
NuRADに関する詳しい情報は
コウスキミュージックアンドサウンド 株式会社
https://kohske.com/
TEL:048-494-1017
E-mail:info@kohske.com までお問い合せください。