サックス記事 第10回 A.リード「バラード」 R.プラネル「感傷的なワルツ」
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サックス名曲!アンサンブル道場 │第10回_THE SAX vol.111

第10回 A.リード「バラード」 R.プラネル「感傷的なワルツ」

LESSON

7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位を受賞し、国内外で活躍の場を広げているサクソフォニスト 齊藤健太氏と、室内楽奏者として絶大な信頼を得ているAKI マツモト氏による「サックス名曲! アンサンブル道場」が好評連載中です。

この連載の特徴は、サックス奏者からの目線にプラスしてピアニストからのアドバイスも掲載していること。またこの連載を動画で、演奏を交えながらYouTubeで配信してくれることです。
クラシックの楽曲の中で超定番と言われる楽曲を取り上げていきます。

第10回はアルフレッド・リードの『バラード』と、ロベール・プラネルの『バラード』です。
誌面では今回も齊藤さん、AKIマツモトさんが丁寧にわかりやすく解説してくれました。
例えば……

●AKI この曲、私もよく演奏会で演奏させていただくのですが、美しい旋律、親しみやすい曲調であるとともに、サックスもピアノもフレーズがすごく長く書かれているので長いフレーズをどうやって1フレーズで聴かせるか?ということが重要な気がします。
冒頭のメロディは8小節フレーズですが、健太さんが長いフレーズを歌う時に気を付けていらっしゃることは何かありますか?

●健太 余計な山を作りすぎない、ということが一番大事ですね。そして息をまっすぐ入れること。
よくレッスンでも言いますが、一つひとつの音を大切に吹くのはとても良いことです。ですが一つひとつの音で息を分けてしまうと、フレーズが成立しなくなってしまい、カタコトのようになってしまいます。
また、冒頭から8小節目までで山が4つ(1、2、3、4 小節目)ありますが、本当に音楽的な山なのかを考えていかないといけないですね。息をまっすぐ入れていても、音楽的な山を作りすぎてしまうと、何が言いたいのかわからずオチがない話、のようになってしまいます(笑)。それを防ぐために、ここが言いたい!という一番の山を決めて、その他の山はそれを超えないような表現、音量設定にしていくのが大事です。
(本文A.リードの解説冒頭より)

このように、1曲を通してサックス、ピアノの両者の目線で解説してくれています。
憧れの曲にじっくり取り組んでみてください。

本誌では動画にはない「健太とAKIのよもやま話」も人気コーナーです。

 
 
 
 
 
【執筆者】
齊藤健太(Sax)
第7回アドルフ・サックス国際コンクール第1位、及び新曲賞受賞。2002年の故・原博巳氏以来、日本人2人目となる快挙を成し遂げる。洗足学園音楽大学を卒業、同時に優秀賞を受賞。東京藝術大学別科修了。第31回及び第34回日本管打楽器コンクールサクソフォーン部門第3位。第9回国際サクソフォンコンクールノヴァゴリツァ(スロベニア)第2位。2020年6月、CAFUAレコードよりデビューアルバム「凱旋-GAISEN-」リリース。これまでにサクソフォーンを金井宏光、二宮和弘、須川展也、池上政人、林田祐和の各氏に、室内楽を池上政人、有村純親の各氏に、ジャズサクソフォーンを佐藤達哉、MALTAの各氏に師事。洗足学園音楽大学講師。

AKIマツモト(Piano)
東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、東京藝術大学器楽科卒業。アンサンブルピアニストとして須川展也、齊藤健太、上野耕平、住谷美帆を 始めとする日本を代表するサクソフォン奏者と共演多数。2018年「第9回 スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」優勝の住谷美帆氏、2019年「第7回アドルフサックス国際コンクール」優勝の齊藤健太氏の伴奏を務める。「第9回スロヴェニア国際サクソフォンコンクール」公式伴奏者。TV朝日「題名のない音楽会」、BS日テレ「恋するクラシック」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」等メディア出演。2020年5月オリジナル 曲による1stアルバム「Back to the Moon」リリース。

 

 

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