This issue’s Guest：マイケル・パウロ

神崎ひさあき Come to me! │ 第3回

2021-03-25

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マイケルさん、あなたがロサンジェルスに移ったのは何年のこと？

1981年だ。でも、その前にいたカラパナが、ハワイからロサンジェルスに移って活動をしていた時期があってね。僕は75年から79年まで在籍していたんだけど、79年に脱退してハワイに戻って、また81年にロサンジェルスに来て、それからずっとメインランド住まいだよ。今は、ロサンジェルスと南のサン・ディエゴの中間辺りに住んでいるんだ。

神崎

僕はね、レコード会社にスカウトされて、デモ・テープを録る際の最初の曲がカラパナの『ブラック・サンド』という曲だったんですよ。僕、あの曲が大好きで。でも、あの曲のサックスがパウロだって知ったの、つい4～5年前なんですよ（笑）。

そもそも、僕はジャズが好きだから、カラパナにもジャズ的な要素を持ち込んだのね。で、81年に再びカリフォルニアに戻って色々なセッションなんかに参加していたら、ルーファスに誘われたんだよ。そこでは、もっとソウルやファンク的に演奏してね。その頃の僕のプレイを観たアル・ジャロウに、自分のバンドに来ないかと誘われたんだ。そこでは、僕の大好きなジャズとソウルとが入り混じった音楽をプレイできて、最高にハッピーだったな。そして、それが僕の「ビッグ・ブレイク」さ。ルーファスやアル・ジャロウというビッグ・ネーム・アーティストだからね。皆が僕のことを知ってくれるようになった。カラパナにいた時代のことは誰も知らなかったからね（笑）。

神崎

僕がデビューしたのが1980年だから、同じようなキャリアになるよね。

2021年の後半には西海岸のライブハウスやフェスでの共演も予定

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神崎さんとマイケルは「エイジアン・ソウル・ブラザース」というユニットを組んで演奏していらっしゃいましたよね？　そちらの現在の活動は？

神崎

また一緒にやろうとパウロに何曲か送ってあるんですよ。ギターのポール・ブラウンをプロデューサーに迎えるつもりでね。でも、このコロナ・パンデミックで何もかもがストップしてしまって……。去年2020年は僕にとってプロ生活40周年の年でいろいろ予定してたのけど、コロナさんに持って行かれた（笑）。

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そういえばマイケル。このコロナでアメリカでの生活はどうなっていますか？

もう、ストラッグルな毎日だよ（「struggle」＝「もがく、苦心する」といった意味）。ライブも何も出来なくなっちゃっているからね。こちらでは、エンターテインメントに携わっている誰もが苦労しているよ。日本はどうだい？

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日本も同じです。

神崎

去年は、僕の40周年記念で、ロサンジェルスにある有名なライブレストランである「スパゲッティーニ」で、ライブをやったり、パウロとCDも作って西海岸でのプロモーション対策も考えたりしてたのですが、すべてがダメになってしまいました。その後パウロも今の場所に引っ越しをして、まだ彼の家のスタジオもでき上がっていなかったんです。

もう、僕のスタジオは完成して、いつでもフル稼働できるようになったよ！　こちらでも多くのミュージシャンがヴァーチャルでライブをやって、最初のうちは良かったんだけど、徐々にそれも上手くいかなくなってね。何か新しい方法を探さなくてはいけない状態だ。すべてがチャレンジだよ。

神崎

パウロと彼の奥さんがプロデュースしているフェスティバルがあるんですよ。「テメキュラ・ワイン＆ミュージック・フェスティヴァル」と言って（「temecula」。地名でロサンジェルスとサン・ディエゴの中間にある都市名）。
僕はもう、10年以上出演しているんですよ。これは素晴らしいフェスで、ラインナップもワールドクラスのミュージシャンです。ジェイムス・イングラムとかも出ていたし、ポール・ブラウン、グレッグ・カルーカス、エヴァレット・ハープ等のスムース・ジャズのスター達もね。

今年の秋には必ずやるから、Kanzakiも来てね！

神崎

去年は中止でしたからね。テメキュラはワインで有名な街なんですよ。

テメキュラには、40ものワイナリーがあるんだよ。で、そのフェスの収益はチャリティに充てるんだ。もう15年も前からやっているんだよ。

神崎

僕も、12年くらい連続で招かれているのですが、米西海岸のオーディエンスはシンプルに反応してくれるのでわかりやすいです。

テメキュラの人達は誰もがKanzakiのことを知っていて愛しているんだ。ファンが一杯いるよ。

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ところで、神崎さんから見て、マイケル・パウロという人はどんなサックス奏者だと思いますか？

神崎

そうですねぇ。まず、良く歌うサックスですね。グルーヴが凄い。安く聞こえるかもしれないけどね（笑）。ハートでグルーヴすると言うか、ダイナミックで、他の誰とも違います。オリジナルですね。

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