P.モーリア PMXT-66R KW×宮地スグル 試奏検証
サウンドと機能性を追求し世界の名だたるプレイヤーに愛用されているサックスブランドP.モーリア。
そんなP.モーリアのサックスの中でもカーク・ウェイラム氏の使用で注目を集めているモデルが「PMXT-66R KW(管体コニャックラッカー)」だ。そこで今回、卓越したテクニックと洗練されたアドリブでジャズシーンに限らずオールラウンドなフィールドで活動する実力派テナープレイヤー宮地スグルさんに試奏してもらい、PMXT-66R KWの音色や特性など検証してもらった。その様子をお届けしよう。
今話題のテナーサックス
P.モーリア
PMXT-66R KW(管体 コニャックラッカー)
(以下M)
程よいダークさと、程よい雑味があり、こもりすぎずパワーがある。
ド派手な音色というより、太めでリッチな音だと思うのですが、この楽器はまさにカーク・ウェイラムさんのようなイメージの音色だと思います。
ただ、音の重心が低いというわけではなく、フラジオ音域も音があたりやすいです。ダブルHigh Fまでしっかりと出ました。楽器によってはフラジオのあたりにくいものがありますが、この楽器は高音域がとても出しやすいです。
いつも試奏を行なうときは、まずは低音をチェックするんです。
中音域が鳴らしやすいのはどの楽器も一緒ですが、低音と高音が鳴らしやすいのが重要で、個人的にはそういう楽器が好きですね。もちろんみんな好きなんだと思いますが(笑)。
先ほど、音の鳴りについて話しましたが、もともと手元で音が鳴っているような感じではなく、常に音がより遠くに飛ぶような意識で吹いているんです。この楽器自体も手元で鳴るタイプではなく、音が遠鳴りする楽器だと思います。
〈P.モーリア “PMXT-66R KW”〉
[希望小売価格] ¥506,000円(税込)
[仕様]イエローブラス素材、コニャックラッカー仕上げ、ハイF#キィ付き、ラージベル、ロールドトーンホール、キィシェル アバロン貝、Super VIネック SP with Brases
[付属品]セミハードケース、マウスピース、リガチャー、キャップ、ストラップ、ボディ用スワブ、P.モーリアリード1枚、グリス、クロス
[お問い合せ]
管楽器専門店ダク 〒169-0073 東京都新宿区百人町2-8-9
TEL (03)3361-2211
https://www.kkdac.co.jp/
[マウスピース]オットーリンク6☆
[リード]バンドーレン トラディショナル 3番
PROFILE
宮地スグル(Sguru Miyaji)
両親の影響で幼少よりジャズを聴いて育つ。6歳でエレクトーン、15歳でサックスを始める。関西学院大在学中よりプロ活動を始め、90年、同大学を中退して米国ボストンのバークリー音大に奨学金を得て留学。この頃、ジェリー・バーガンジ(ts)に師事しメソッドを全て習得。93年に同大パフォーマンス科を卒業後は居をNYに構え、エブリン・ブレーキー(vo)、ティト・プエンテ(timb)、ブルース・バース(p)、ホルへ・ロッシー(ds)、ジョン・ステッチ(p)と「バードランド」などのライブハウスにて共演、 レコーディングを経験。96年に帰国後、首都圏で活動を始め、様々なJ-Jazzレジェンド達と共演。その後リーダーバンドを結成。NHK「Session」などの音楽番組に多数出演。雑誌にも活動が取り上げられる。2012年10月、シアタークリエに於けるミュージカル「デュエット」で演奏、2013年3月、NHK・BS1「エル・ムンド」に“SOULOGIC”の一員として2日間にわたり出演。 2015年、自主レーベル「Noizz Music」を設立。精力的にアルバムをリリース中。2019年、月刊ザテレビジョン5月号の「橋本環奈・First Story」でサックス講師として出演。8月スタートのNetflixドラマ『全裸監督』(山田孝之主演)にサックス奏者として出演。