武嶋聡がアドバイスするピッチ、音程改善のためのステップ
サックス奏者のみならず、すべての管楽器奏者、そして弦楽器奏者だって必ず抱える悩みが「ピッチ、音程感覚」だ。特にサックスはピッチの自由度が高いので、その悩みは多岐にわたるだろう。そこで今回はプロ奏者2人に、ピッチ感を自覚するための作業からピッチ、音程を改善するためのエクササイズまでを提案してもらおう。
ガイド役はジャズ&ポップスのフィールドを代表して武嶋聡氏だ!
STEP1
診断:あなたの症状〜自分のピッチ、音程のクセを知る
Q1 演奏者のレベルや意識の違いでピッチ、音程の良し悪しは人それぞれだと思います。
まずは、自分の演奏において正しいピッチ、音程でサックスを吹けているかを知るにはどうすればよいでしょうか?
A1 チューニングをするときは、B♭やAの音でチューナーと合わせる方が多いかと思います。ただ、楽器によって、また音域によってピッチの特徴があるため、同じアンブシュアではどうしても他の音が合わせられなくなることがあります(よっぽどピッチがよく相性も良い楽器であれば別ですが)。
このひとつの音だけでチューニングをするというのには限界があり、最終的には自分の耳でまわりと音程を合わせていくという作業はついてまわります。このとき、すべての音がアンブシュアを操作して合わせられる範疇にあるかというのが大切だと思っています。
例えば高くなりがちな音でチューニングを合わせたとすると、今度低くなりがちな音のときにリードを強く噛んでも合わせたらなかったり、合ったとしても噛みすぎて音色が良くなかったりと、いろいろな弊害が出てきてしまいます。
できるだけ全体の音域に渡ってチューニングをしてみて、ここだったら全部の音が合わせられるというマウスピースとネックの接続ポイントを見つけることが大事だと思っています。
武嶋聡
Satoru Takeshima
Sax, Flute, Clarinet / Aranngement
サキソフォン、フルート、クラリネットなどをメインとしたマルチリード奏者。編曲やホーンアレンジ、ストリングスアレンジ、CMの楽曲制作なども行なう。様々なアーティストのライブやレコーディング、また映画音楽やCM音楽などに参加。近年ではEGO-WRAPPIN’、星野源、レキシ、大橋トリオなどの作品やライブに参加。
Twitterアカウント:takesax