【2022年】サックス最新ストラップ事情

●各種ストラップの種類
〈ネックストラップ〉
首と首まわりの肩から掛けるシンプルなタイプ。装着が楽で、演奏中でも長さの調整が手軽に行なえるタイプが多い。首あて部分の素材やクッション性により首にかかる負担に違いがある。

〈ショルダーストラップ〉
肩にかけて使うことで、楽器の荷重を肩で受け、首にかかる負担を軽減できる。
ショルダー部の形状が固定のものや、体型に合わせて曲げて調整できるもの。またタスキがけのようにパッド部分を片方の肩からかける「斜め掛けタイプ」など、各社、各モデルでバリエーションがある。

〈ハーネスタイプ〉
肩、背中（タイプによっては首の後ろ）にかけてサックスの荷重を分散して受けることで、首や肩への負担を軽減できる。装着時や演奏時に長さ調整を行なう時など手間がかかる点は確認しておこう。

〈プレート・フロントバー 装備タイプ〉
ネックストラップ、ショルダーストラップにも、バードストラップのV型プレートやブレステイキングのフロントバーなどを装備しているタイプがあり、首から下の胸にかけて開きができることで、首元の締め付けがなくなる設計。 また、バードストラップのようにプレート部自体がアジャスターの機能を持つものと、ブレステイキングのように胸元の開きを確保するためのフロントバーと、長さ調節のアジャスターが別々になっているタイプがある。

●フック部分の素材と形状
S字、U字、スイベルタイプ（スナップフック）といった形状、金属製、プラスチック製といった素材の種類がある。

〈S字、U字タイプ〉
S字、U字タイプはプレーンな形状のものと、ストラップリングの幅に対して絶妙な隙間に設定されたものや、フック途中に突起状を設けた脱落しにくい設計のものもある。S字、U字タイプとも着脱が容易で、素早く簡単にサックスに装着できるメリットがあるが、プレーンな形状タイプは特に座奏の時などに外れてしまうこともあるので、その点は注意が必要。

〈スイベルタイプ（またはスナップフックタイプ）〉
外れ止めの部位がストラップリングをホールドするので、演奏中にストラップが外れてしまう心配はまずないが、金属製スイベル（スナップフック）など、特に硬めの金属製ではストラップリングを摩耗させやすいので注意しておこう。摩耗対策としてフックにチューブなどが取り付けてあるものもある。

〈フック部分の素材〉
プラスチック製（樹脂製）にも硬質なものと割と柔らかいプラスチック素材のものがある。硬質なプラスチックは金属製と変わらず音の響き、響きの伝導が良いという見方もあるが、反面、衝撃に弱く、あやまって踏むなどして割れることもある。柔らかいプラスチック素材は割れにくく丈夫なものが多いが、硬質なプラスチックや金属製に比べて音の響きは良くないという見方もある。
金属製フックもS字、U字タイプはプレーンな作りのため、音の響きという点ではアドバンテージが高いとされるが、金属製のスイベルタイプ（スナップフックタイプ）は、いくつかの金属パーツやスプリングなどで形成されているため、その分響きがスポイルされる感覚があるという見方もある。ただし、プラスチック、金属など、素材や作りの違いによる音の響きについては、音のモニタリングや、微妙なサウンドへの影響はあるかもしれないが、感覚や好みの範疇を超えるものではないという意見もあり、なかなか検証の難しいところではある。