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堀江有希子・西澤はるの・小野あずさ×Wood Stone
Wood Stoneサックス、マウスピース各種プロダクツを試奏&検証
ライブや歌伴、ユニットでの活動とさまざまなフィールドで演奏活動を展開している3人の女性サクソフォンプレイヤー。そんな彼女たちの演奏のキーとなるのがWood Stoneブランドのサックスやマウスピースなどプロダクツの数々だが、今回はWood Stoneの製品ラインナップより、日頃から気になっている各種プロダクツを試してもらい、音色や試奏感、特徴などを語ってもらうWood Stone試奏会を敢行。と同時に、それぞれの演奏、音色をよく知るメンバーに、お互いの試奏の様子を聞いた感想について述べてもらった。
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自己のライブやセクション、ユニットでの活動と、さまざまなフィールドで演奏活動を展開されている皆さんですが、3人の出会いとは?
堀江
私も西澤さんも、某有名テーマパークで演奏していて、パーク内での団体は別なんですが、そこで交流を持ち仲良くなりました。
西澤
一緒に初詣に行ったりと、最初はプライベートで仲良くなって、それからライブなど一緒に演奏活動を行なうようになったんです。
小野
堀江さんは、インスタでナンパして(笑)、いろいろお話しするようになってから、西澤さんとも面識ができて交流させていただきました。ロールモデルとなるような同世代や先輩の女性プレイヤーとの交流がこれまでなかったの ですが、はじめてお二人と仲良くなり、よい出会いをさせてもらいました。
堀江
小野さんは、クラシックの演奏会をしながらポップスにも取り組むなど精力的に活動していて、スタジオに入ったり、ライブをしたりと一緒に活動するなかで、そういった演奏の際に使うマウスピースを選びたいという話になり、それではと、西澤さんも一緒になって3人で小野さんのマウスピースの選定会を石森管楽器さんでやらせてもらったんです。
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すでに3人での試奏を行なっていたんですね。3人でのライブ活動は?
堀江
これまで3人ともに一緒のステージで演奏というのはないんですが、今度、ユーフォニアムの増圭介さんが立ち上げた吹奏楽団の演奏会が12月20日(火)に行なわれるのですが(注:information参照)、そこで私たち3人がサックスパートで一緒になります。
ポップスやジャズ的な要素がないまま演奏されることが多い吹奏楽のポップス、ジャズのアレンジ曲を「クラシックや吹奏楽の経験者で、その上、現在ポップスやジャズのフィールドで活躍しているメンバーが演奏したらどういう再現になるか」そんなコンセプトを持つ団体で、いまから本番が楽しみです。みなさんもぜひお越しいただけたら嬉しいです!
ポップスやジャズ的な要素がないまま演奏されることが多い吹奏楽のポップス、ジャズのアレンジ曲を「クラシックや吹奏楽の経験者で、その上、現在ポップスやジャズのフィールドで活躍しているメンバーが演奏したらどういう再現になるか」そんなコンセプトを持つ団体で、いまから本番が楽しみです。みなさんもぜひお越しいただけたら嬉しいです!
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それでは早速試奏をお願いいたします。
Wood Stone Alto Saxophone New Vintage VL
ヴィンテージラッカー
[試奏:小野あずさ]
小野
試奏(♪)
あんまり力を込めなくてもパーンと華やかな音で鳴ってくれます。少しの息でも反応してくれて、すごく良く鳴る印象です。
あんまり力を込めなくてもパーンと華やかな音で鳴ってくれます。少しの息でも反応してくれて、すごく良く鳴る印象です。
堀江
聞いた印象もそうですね。小野さんのいつもの音色以上に、上から下までより明るくストレスなく鳴っている印象を受けます。クラシックの演奏もいけそうですか? 音程は?
小野
試奏(♪イベールのコンチェルティーノ・ダ・カメラ 第1楽章を演奏)
クラシックもいけます! 吹き込めばもっと鳴りが良くなると思います。明るい音色で、音が暴れることなく、音程も取りやすいです。
クラシックもいけます! 吹き込めばもっと鳴りが良くなると思います。明るい音色で、音が暴れることなく、音程も取りやすいです。
西澤
パッと軽く吹いた音が、他のメーカーの楽器では再現できない音色で、吹き込んだ際のレスポンスの速さも小野さんの音から明確に感じられますね。
堀江
このままライブで使えそうですね。
西澤
そうですね。新品でもそのまま使えるのがWood Stoneサックスのアドバンテージだと思います。音色もクセがなく明るい音色なので、クラシックでも問題なく使えると思います。私が教えに行っている吹奏楽部の生徒もこのNew Vintage VLを使っていますよ。
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アルトのAF/アンティークフィニッシュをどなたか吹いてみたい方は?
Wood Stone Alto Saxophone New Vintage AF
アンティークフィニッシュ
[試奏:堀江有希子]
西澤
アルトは普段このアンティークフィニッシュを使っています。
これまでクラシックを吹いていた時は、ラッカーの楽器を使っていましたが、マークVIのようなヴィンテージ感、おじさん感(笑)のあるアンラッカーの楽器に憧れがあって、New Vintageのアンティークフィニッシュがリリースされてすぐに購入しました。
これまでクラシックを吹いていた時は、ラッカーの楽器を使っていましたが、マークVIのようなヴィンテージ感、おじさん感(笑)のあるアンラッカーの楽器に憧れがあって、New Vintageのアンティークフィニッシュがリリースされてすぐに購入しました。
堀江
では、堀江が試奏します(♪)
音にザラザラ感がすごくあって良いですね!
楽器を選ぶとき、いま使っているNew Vintageのヴィンテージラッカーか、このアンティークフィニッシュかで迷ったんです。現場で幅広い用途に対応するという印象を持っていたのでヴィンテージラッカーにしました。でもアンティークフィニッシュのほうが音色に個性があります。ジャズやファンクなどコンボで活用するには、この雑味のある音色はぴったりですね。吹奏感も楽で、でもムチッとした密度のある音色が魅力です。今使っているSTUDIO DELUXEのマウスピースとも、とても相性が良さそうです。
音にザラザラ感がすごくあって良いですね!
楽器を選ぶとき、いま使っているNew Vintageのヴィンテージラッカーか、このアンティークフィニッシュかで迷ったんです。現場で幅広い用途に対応するという印象を持っていたのでヴィンテージラッカーにしました。でもアンティークフィニッシュのほうが音色に個性があります。ジャズやファンクなどコンボで活用するには、この雑味のある音色はぴったりですね。吹奏感も楽で、でもムチッとした密度のある音色が魅力です。今使っているSTUDIO DELUXEのマウスピースとも、とても相性が良さそうです。
小野
堀江さんの普段の音以上に、シュワーという成分が増した印象を受けます。
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ブラックニッケルはみなさんご興味があるようなので、全員で試奏をお願いします。
Wood Stone Alto Saxophone New Vintage BN
ブラックニッケル
[試奏:堀江有希子、小野あずさ、西澤はるの]
西澤
試奏(♪)
コシがあって太い音色です。いま使っているアルトのアンティークフィニッシュは、フッと吹き込んだらそのまますぐに音になるんですが、このブラックニッケルは、音を出すのに少し吹き込む力が必要な印象で、息を入れた分、コシのある音になって、低音の支えがしっかりあるファットな音です。1ヶ月くらい前に生徒さんがこの楽器を欲しいということで、選定をしたんです。その時にすごく良い楽器だなと思ったんですが、今日改めて吹いてやはりとても良いですね。欲しいです。
コシがあって太い音色です。いま使っているアルトのアンティークフィニッシュは、フッと吹き込んだらそのまますぐに音になるんですが、このブラックニッケルは、音を出すのに少し吹き込む力が必要な印象で、息を入れた分、コシのある音になって、低音の支えがしっかりあるファットな音です。1ヶ月くらい前に生徒さんがこの楽器を欲しいということで、選定をしたんです。その時にすごく良い楽器だなと思ったんですが、今日改めて吹いてやはりとても良いですね。欲しいです。
堀江
ジャンル、用途としてはどうですか?
西澤
試奏(♪グラズノフのコンチェルト、曲頭の一節を演奏)
全員
(笑)
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必ずクラシック曲を試奏に挟む流れになっていますが(笑)、実際にどんな方にオススメですか?
西澤
ポップスやスムースジャズはもちろん、音に雑味がほとんどないので、クラシックにもオススメできると思います。とにかく音にパワーがあるので、コシの強い太い音を求める人に最適ではないでしょうか。メタルのマウスピースと組み合わせると、よりバキっとした音で鳴ると思います。
小野
試奏(♪)
堀江
とてもいい音だね。
小野
もっとエッジィな音かと思ったら、すごく柔らかに鳴ります。
グッと力を入れた時にいい音で鳴るので、パワフルな曲を吹く時にとても良いと思いますが、思った以上にソフトで柔らかい感じも出せて、幅広い音色、レンジを持つ楽器という印象を受けました。直近までクラシックを演っていたので、明るく鳴る楽器だと、どうしてもクラシカルな音になりがちなんですが、このブラックニッケルだと、狙った渋みのある音を楽器自体がサポートしてくれる感覚です。
グッと力を入れた時にいい音で鳴るので、パワフルな曲を吹く時にとても良いと思いますが、思った以上にソフトで柔らかい感じも出せて、幅広い音色、レンジを持つ楽器という印象を受けました。直近までクラシックを演っていたので、明るく鳴る楽器だと、どうしてもクラシカルな音になりがちなんですが、このブラックニッケルだと、狙った渋みのある音を楽器自体がサポートしてくれる感覚です。
堀江
ウスピースなどセッティングを変えれば、さらに狙った音がいろいろと出せそうですね。では、ブラックニッケルを試奏させてもらいます(♪)
西澤
うるさいぐらい鳴ってますよ(笑)。
堀江
うるさい?(笑)。確かに「ビー」とラウドな感覚があります。でもベルの付近で鳴っているというのではなく、遠くで鳴っている感覚です。音量ボリュームのあるバンドのライブでも音負けしなさそう。私的には、New Vintageそれぞれの仕上げの違いによって、用途が明確に分かれているような、そんな狙いがあるように思えます。ブラックニッケルは、息をどんどん入れても、楽器にまだまだ余裕がある感じです。エッジがあってビリビリという音なんですけど、全然耳が痛くない。音にすごく指向性があって、マイク乗りも良さそうです。用途としてはLM系のバンドとか、金管楽器のいる派手目のセクションなどで重宝しそうです。