サックス記事 BANANAsuさんがモニタリング!
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TAHORNG社製電子サックス「Elesa」

BANANAsuさんがモニタリング!

GEAR

12月15日ついに発売が決定!! TAHORNG社製電子サックス「Elesa」。 そんなElesaの開発当初からアドバイザーとして、完成までの過程を見届けてきたのが、ウィンドシンセのデモンストレーターをはじめ、各種ウィンドシンセメーカーのアドバイザーやYouTubeでのウィンドシンセ活用術の公開など、ウィンドシンセ界を先導するキィプレイヤーBANANAsu(バナナ)さんだ。
そこで今回、ついに完成となる「Elesa」について、また開発中の秘話についてなどあれこれ語ってもらった。

ProfileBANANAsu(バナナ)
1991年生まれ。学生時代に聴いたT-SQUAREをきっかけにウィンドシンセを始める。現在ではエアロフォンをはじめ、NuRADやNuEVIといったハイエンド機種からエレフエ、ルナティカなど、あらゆるウィンドシンセを網羅してプロモーション活動やレッスン、プロアーティストとの共演やテクニカルサポートを務めるウィンドシンセ専門のプレイヤーである。

いろいろな楽器の音が出せる

いよいよ近日発売となった電子サックスElesaの特徴を教えてください。
BANANAsu
まずサイズ的にコンパクトだというのと、小さいながらもスピーカー(写真1)を内蔵していて、かつデカいんですよ。こんなに大きいスピーカーを載せているウィンドシンセって他にないと思います。音量もあって、部屋で吹くには充分すぎるくらいです。スピーカーサイズが大きいので、めちゃくちゃ息を入れるとかしなければ音が割れることもないです。
チューバの音など、全身が振動するほどで、スピーカーの良さを感じます。あと、サックスと同じキィをフルで搭載しているので、サックス奏者は当然スッと入り込めると思うんですが、初心者の人は、キィが多くあることで難しく感じるかもしれませんが替え指が多くあるので、曲を吹くとき無理な指使いになりにくく、フルでキィを搭載しているのはむしろすごく便利だと思います。
写真1
 
確かにこれからサックスを始める人には逆に覚えやすいかもしれませんね。
BANANAsu
そうなんですよね。当然、アンブシュアとか、そういうところは違うとなっても、運指的なところを覚えれば、ドレミはすぐに吹けると思います。 Elesaはサックスの音色以外に、土笛みたいな音とか、ミュート・トランペットなど20種類入っていて、音色が充実しているのもいいですね。同じ息使い、同じ運指でいろいろな楽器の音が出せるので、同じ曲を練習してても、音色で気分も変わるでしょうし楽しいですよね。 4万円台と、価格もわりとリーズナブルです。 あと、画面が付いていて、画面も数字3桁とかじゃなくてちゃんと見えるところもポイントです。

Elesa音色紹介 “BANANAsuさん内蔵音源吹き比べ”

ポイントが高い“ツバ受け”

画面でいま設定されている内容が分かりやすく確認できますね。
BANANAsu
各種設定もボタンがそんなに複雑じゃなくて、横のキィ3つだけで項目を変えて、既存のボタンで全部済ませられるので、慣れたら意外と楽なんじゃないでしょうか。 あと、管楽器を元々やってる人は気にならないかもしれないんですけれども、このツバ受け(写真2)がすごくいいなと思います。しかもこれ取れるんですよ。
他のウィンドシンセって、わりと真下から水滴が抜けるものが多くて、ポタポタ落ちる水滴を初心者の方って結構気にするんですね。みんなしきりにガーゼとかでグっと押さえたりして。
Elesaは、ここに水分が溜まるというのがいいですね。
写真2
 
そうですね。サックスも吹いていて、唾液で手がびしゃびしゃになることがありますよね。
BANANAsu
ここもポイントが高いと思います。
キィの操作性はどうですか?
BANANAsu
プロトタイプの一番最初の頃はキィが死ぬほど重くて、硬いバネを使っていて筋トレになるんじゃないかというほどでした(笑)。ガシッ、ガシッと押さえるようで、速い曲は絶対吹けないような状態でしたが、改良を重ねてとてもスムーズになりましたね。ボタン式のキィですし、タッチキィよりはるかにいいと思うんですよね。初心者の方だと、押してる感覚っていうのはあるし。そんなにストロークが深くないので、力もいらないですし。オクターブキィもレイアウトが良くて、ちゃんと台座も付いてるし、親指の形に合わせてるから押しやすいですね。指を滑らすだけでオクターブのアップダウンができるのでスムーズです。

完成までの修正オーダー

Elesaの開発当初から完成まで、アドバイザーとして携わって、試作段階での問題点や解決に至るまでの経緯と、完成したElesaを吹いて感じることとはなんでしょう?
BANANAsu
Elefue(電子リコーダー)のイベントか何かで、FineAssist(Elesa日本販売元)社長の深川さんから、「次、こういうの作っているよ」ってスマホの動画ではじめてElesaを見たんですけど、いまみたいに色が付いてなくて、黄土色で、土で作ったような形の笛を町工場的なところで吹いてる人がいて……。最初の印象は翼のない白鳥か、ボウリングのピンみたいで、「こんなのあるんですね」なんて言ってたら、そのうち試作品が出来てきて、最初はとにかくキィがメチャクチャ硬かったのもあるし、サムフックも薄くてペラペラで、すぐ折れてたんですよ。しかも接着剤でくっつけただけの状態でした(笑)。
でもいまは、強度も高くなってるし、万が一壊れても、ネジで交換できるというところは大きいですね(写真3)。そこは修正をオーダーしました。
あとは、音色によっては、やっぱり立ち上がりが遅い音っていうのはあるんですけれども、最初はブレスの反応が良くなかったんですね。一番目の音色で「ソフトアルトサックス」はレスポンスが遅めの設定で、「ゆっくり吹かないと」というのがあるんですけど、他の音色もそんなに反応が良くなくて、「おもちゃ以上楽器未満な製品なのかな」と思っていたんですが、そこも指摘させてもらったところ、いまでは音の立ち上がりが速くなり、すごく変わりました。ブレスの感度が改良されましたね。
あとは、やはりキィの硬さが柔らかくなっただけで、全然パフォーマンスが高まりました。それと運指モードも、最初は全然なかったんですね。いまだと右手だけとか、左手だけとか。いろいろ選べますよね。トランペット運指は、EVI(イー・ヴイ・アイ)と一緒ですね。
吹奏感や物理的なことなど、いろいろ課題はありましたけど、何回か修正オーダーを言い続けると、問題に気付いて修正してくれましたね。
写真3

Bluetooth MIDIの活用

内蔵スピーカーからカラオケ音源を流しながら同時に演奏といった楽しみ方の他に、外部音源やソフト音源の演奏も可能だということですね。そういった活用法(Bluetooth、USB接続による活用)について教えていただけますか?。
BANANAsu
Bluetooth Audioだけでなく、Bluetooth MIDIというところで、パソコンでもMacだとBluetoothを受け付けるので、ソフトシンセをワイヤレスで鳴らすということができます。ただ、Bluetooth MIDIだとレーテンシーが……という人は、ElesaはUSBがMIDI端子を兼ねているので、USB-MIDIとしても使えるんです。つまりElesaのUSBとパソコンのUSB端子を繋げてソフトシンセとか立ち上げると、すぐに反応します。
おなじTAHORNG社製の電子リコーダーElefueは、充電専用端子だったのですが、そこがElesaでは便利になりました。Bluetooth MIDIを搭載しているおかげで、ワイヤレスMIDIケーブルなどを使えば、実はハードシンセもつなげることもできます。ただし、シンセ側で、「ブレスの情報をどこに割り当てるか」という設定できるハードシンセじゃないと、音量の調整だけ可能ということにはなってしまいますが。
なるほど。Macだったらガレージバンドなどのアプリケーションと繋げて(写真4)、ガレージバンド内蔵の音源を鳴らすこともできれば、ハードシンセも機種によってつないで使えるということですね。
BANANAsu
USBで繋げられるので、ガレージバンドで打ち込みもできるんです。もちろん他のDTMソフトも同じようにできて、特にブレスの情報ってものすごく膨大なので、それを打ち込みで全部再現しようとすると膨大な情報量になるのですが、作曲とかで管楽器のニュアンスを出したいという人は、パソコンをつないでElesaを打ち込みのコントローラーとしても使えます。鍵盤を弾ける人って、マウスでとかポチポチと打ち込まないで自分で弾いて録音すると思うんです。
それと一緒で、管楽器が吹ける人は、別にポチポチ入力して音量のカーブとか書かなくても、Elesaをつないじゃえばドレミといった音階情報もそうだし、息情報で抑揚をつけるのが一番手っ取り早い。そんな音源制作用途にもオススメです。“MIDIキーボードの吹く版” ですね。
写真4
 
Elesaの「こんな使い方」の提案についてお願いいたします。
BANANAsu
楽器としての演奏とは外れちゃうんですけど、Bluetoothスピーカーとして音楽を聴くのもいいなと思ったりするんですよね。
確かに吹かなければスピーカーですよね。家や車の中など、スマホなどとBluetoothでつなげて、ストリーミング音楽など聴けたりしますね。
BANANAsu
そうですね。Bluetoothに全部対応してるので。音質も悪くなく音量も出るしお手軽ですね。Bluetoothスピーカー機能付き(笑)、かつ演奏も一緒に。そういう楽しみ方もできますね。
いろんな機能がある中で、ただ演奏するだけではないというところで、このElesaの価値がどんどん見出せていけると思います。
Elesaをサックスの代わりとして買ったとして、サックスの音色に飽きたら、音色を変えて同じ息づかい、同じ指使いで雰囲気を変えて演奏してみるなど楽しいと思うんですよ。
スピーカーにしてみたり(笑)、将来的に、作曲とかの打ち込みをやりたいなと思ったらウィンドコントローラーとしても使えるし、いろんな可能性を感じる長く使える電子楽器だと思います。
ありがとうございました。

ElesaをGarageBandなどのDAWソフトで鳴らすには?

 

<Elesa主な機能>
運指:サックスの他リコーダーにも対応。
20音色を内蔵:ソフトアルトサックス、テナーサックス、アルトサックス、ソプラノサックス、バスサックス、トランペット、トロンボーン、フレンチホルン、イングリッシュホルン、テューバ、バスーン、オーボエ、クラリネット、フルート、ピッコロ他。
トランスポーズ機能:半音ずつ2オクターブ分(±12)の移調が可能。移調楽譜を読み替えなしで演奏できる。
スピーカーを内蔵:ケーブルなしで、いつでもどこでも演奏を楽しめる。
簡単操作:ボリューム×1、操作制御ノブ×2で、音量、音色、トランスポーズを操作。
MIDI機能:USB-C端子に加えてBluetoothでの送信により、パソコン・パッド・スマホなどの外部音源に接続可能。
Bluetoothオーディオ機能:Bluetoothによりオーディオ接続可能。スマホなどの外部音源を楽器の演奏と合わせて本体スピーカー から楽しむこともできる。
駆動:USBポート接続での電源供給に加え、単三電池(4本)での駆動にも対応。
カラー:ホワイト、ブラック、レッド3色のラインナップ。

[Elisa 問合せ]
Tahorng日本総代理店 株式会社ファインアシスト
〒461-0004名古屋市東区葵 2-3-13 みねビル3F
https://www.fineassist.jp
Mail:support@fineassist.jp

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