サックス記事 奥津サックスマウスピース
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THE SAX 69号 Gear Report

奥津サックスマウスピース

GEAR

一人の職人自らの演奏経験、サウンド追求、そして高い技術力を駆使して作り上げた「奥津サックスマウスピース」。すでに口コミやネット上で話題となり、ジャズをはじめ、ポピュラー系プレイヤーから今最も注目を浴びているハンドメイドマウスピースだ。

一人の職人自らの演奏経験、サウンド追求、そして高い技術力を駆使して作り上げた「奥津サックスマウスピース」。すでに口コミやネット上で話題となり、ジャズをはじめ、ポピュラー系プレイヤーから今最も注目を浴びているハンドメイドマウスピースだ。あくなきこだわりと、マウスピース職人、奥津 乾独自のノウハウがふんだんにつぎ込まれたその音には、ヴィンテージへの畏敬の念と、刻々と変化するプレイヤーニーズへの柔軟な適応力が秘められている。THE SAX 69号では、その魅力を探るべく、製作者本人でもある奥津 乾氏を直撃した。

 

こだわりからくるハイクオリティハンドメイド!

staff

─奥津さんは、奏者であり、職人なのですか? いつごろからマウスピースの製作、販売をされていたのでしょうか?
奥津 :  小学生の時からサックスを始め、中学、高校は吹奏楽部、大学でジャズ研に所属していました。その後、アルトの藤陵雅裕さんに5年間ほど習っていました。マウスピース製作は5年ほど前から計画して、販売を始めたのは2年ほど前からです。サックス演奏のスキルは、マウスピースを製作する上では必須なのでとても役に立っていますし、藤陵さんからは今でもアドバイスなどをいただきお世話になっています。

─「奥津サックスマウスピース」の基本コンセプトは、ヴィンテージサウンドの復刻なのでしょうか? あるいは、新サウンドの追求なのでしょうか?
奥津 : 確かにヴィンテージ・マウスピースは品質が高いですが、特定のモデルの復刻ということを目指しているわけではありません。私の場合、開発の段階で何種類ものプロトタイプを作って徐々に設計を煮詰めていきます。そうした試行錯誤の中で設計が決まるので、特定のモデルが最初から目標にあるわけではありません。多くの方が誤解をしているように思いますが、そもそもヴィンテージが品質が高い、と言われるのは加工の精度が高いからです。だから音色が良くて、コントロールもしやすいのです。よくあるヴィンテージ復刻マウスピースのように、外観や内部形状をそのまま真似るだけではヴィンテージの品質を乗り越えることは決してできません。もっと細かい加工精度に、マウスピースの品質は裏打ちされているからです。

─製作工程ついて教えてください。例えば、素材の削り出し、加工、成形、仕上などの各工程と、それらの秘訣など。
staff 奥津 : エボナイトの丸棒からCNCで削り出します。フェイシングやテーブルなど、本当に細かいところはハンドフィニッシュします。CNC加工はいくら精度が高いといっても手の精度には敵いません。CNCで作るというと、CNCで全部できてしまうかのように思う人もいるかも知れませんが、実はその後の手作業の方が時間的には長いのです。

─奥津さんが考える理想のサックスのマウスピースとは何ですか?
奥津 : コントロールしやすい、音の立ち上がり早くよく鳴る、音の芯がぼやけないもの……良いマウスピースはローバッフルであっても音の芯がぼやけません。あとは、品質を高めるために手間暇をかけて作られたもの……といったところでしょうか。

 

*THE SAX 69号には、さらに詳しいインタビュー記事を掲載!

ichiran

 

奥津サックスマウスピースには、ソプラノ1タイプ、アルト4タイプ、テナー3タイプがラインナップされている。各モデルのタイプ、傾向、特徴、価格は以下のとおり。

●トラディショナル→ソプラノ、アルト、テナー
最もスタンダードな設計のジャズモデルで、ストレートアヘッドなジャズに最適。

●トラディショナルII→アルト、テナー
よりバッフルの高い、明るめのサウンドのジャズモデルで、より汎用性が高い。

●フォーカス・コア→アルト
ミディアム・ハイ・バッフルとスロートを絞ったスモール・チェンバー。明るく鋭い音色ながら、透明感と上品さを備えたモデル。

●ハイ・バッフル→アルト、テナー
高いステップ・バッフルを持つモデルで、パワフルでメタリックな音色。



奥津・サクソフォン・マウスピース製作
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