サックス記事 実は奥が深い!リフェイス作業の本質がわかるイベントを開催 サックス記事 実は奥が深い!リフェイス作業の本質がわかるイベントを開催
そこまで教えてくれるの!?プロ職人の技術を余すことなく伝授♪

実は奥が深い!リフェイス作業の本質がわかるイベントを開催

国内のみならず海外でも多くのファンを持つGottsuマウスピース。製作者である後藤将彦氏は、Gottsu理論(Gチューン)を独自考案したマウスピースのリフェイス職人としても広く知られ、その確かな技術でプロ奏者からのリフェイス依頼も多い。そんな後藤氏を講師に迎え、サックスマウスピースリフェイス講習会が開催された。「高音域をもっとスムーズに吹けるようにしたい」「もっと吹きやすくしたい」「現状よりオープニングを広げたい」などの想いを抱えた参加者たちが、実際にリフェイスを体験。その模様をお届けしよう。

 

 

リフェイスの基本は“左右対称”

 

まずは、ティップ・オープニング(先端の開き)を測っていきます。

右と左のオープニングが同じであることを専用の工具を使ってみていくのですが、左右対称であることがとても重要で、ほんの僅かな差でも、音色や抵抗感などに影響が出てくると後藤氏は言います。 計測のためにマウスピースをあてがう力加減が難しく、ツルツルと滑る工具に参加者も苦戦する様子が見て取れました。

 

続いてフェイシングの確認です。

形によって音色も吹奏感も変わってくる大事な部分。ここもカーブが左右対称となっていることが絶対条件で、ガラスゲージとシックネスゲージを使い、細かく測定していきます。見たことのある工具ですから、扱い方も簡単かと思いきや……押さえる力や差し込み方などに苦戦します。

一通りの計測を終えるのに約1時間半!精密な数字を測り終えたところで、いよいよ理想のマウスピースに近づけるためのリフェイス作業の開始です。ティップ・オープニングとフェイシングの傾向や、マウスピースに何を求めるかによって、削る場所、削り方が変わってくるため、少しのミスも許されない慎重な作業です。

 

 
 

 

ティップオープニングを広げる、狭めるレクチャー

 

参加者の理想を聞き、それに沿って後藤氏がアドバイスをしながら削っていきます。

ティップ・オープニングを上げたい、下げたい。ティップ・オープニングを変えずにフェイシングを短くしたい……など様々な要望が挙がりましたが、すべてリフェイスで調整可能です。

ティップ・オープニングを下げる場合の削り方はなんとなくイメージができますが、上げるには一体どこを削れば良いのか?真相をここでお答えできないのが残念ですが、おそらく皆さんの想像とは異なる事実に驚きを隠せないでしょう。

このように、ティップオープニングを広げる、また狭める作業について詳しいレクチャーが行なわれますが、実際にティップオープニングを広げる、また狭める実践作業については、現在(2018年6月現在)講習会では行なっていません。むしろ左右のオープニングを均一にすることがマウスピース本来のレスポンスを発揮するのに重要なので、時間をかけて慎重にその作業を行ないます。

マウスピースのオープニングを均一にする、またはオープニングの開きを変えるなど、すべての作業はサンドペーパーを使います。マウスピースを水で濡らし、滑らせるように削っていくのがポイントです。もちろん削る力加減や角度にもコツがありますが、後藤氏に直接レクチャーを受けることで体感できるので、今回は割愛させていただきます!

また、後藤氏の長年の研究により出された情報として、一つ公開させてもらいますが、テーブルの中央部分は多少凹んでいるほうが音が豊かになる傾向があるそうです。講義の中では、具体的にどのように凹ませればよいのかについても解説されます。

 

リフェイスを施したマウスピースをさっそく試奏してみた参加者が、「少し削っただけなのに、削る前と音量が全然違う。反応も早くなりました」と驚いていたその姿が印象的です。確かに脇から聞いていても、音量だけでなく音にふくよかさが含まれ、豊かになっていました。

 
 
参加者の声

 

参加者から寄せられたマウスピースの疑問をご紹介。

—リードミスが起きやすいのですが。
後藤|フェイシング・カーブの先端に原因があることが多いですね。その場合は先端から数ミリを平らに削ることで改善できます。

—マウスピースも長年使っていくと劣化するのですか?
後藤 長年使っているとレールの角が取れていってしまうため、削ったほうがよい場合があります。軽く削るだけで劇的に良くなることもありますよ。

 
近日開催予定!!

 

<編集部おススメ、どんなマウスピースで参加する?>
●お店では良いと思ったものの、家に帰って吹いたら、悪くはないけど、いま一つだった。
●良いマウスピースだけど、更にもう一歩吹きやすさが欲しい。
●もう少し音に艶がほしい。
…等々、本講習会に持参するマウスピースについては、悪くないけど、いま一歩なマウスピースを持って来られるのも良いかもしれません。
と言うのも、いままで参加者いただいた皆さまの声(アンケート)をみてみると、「これだけ変化があるなら、所有マウスピースの中でももっと良いものを持ってくれば良かった」ということを書かれている方も少なくないからです。高価なマウスピースなので、削ってしまって失敗してしまったら…。そんな不安もあり、不要なマウスピースを持って来て結果後悔される方も多いようです。
手持ちのNo.1マウスピースはとりあえずそのまま家に置いておいて、2番手、3番手あたりのマウスピースでリフェイスに臨まれても良いかもしれませんよ。元が良いマウスピースであれば、更に良くなるはずです。但しくれぐれも自己責任のもとお願いいたします。

次回、リフェイス講習会は2019年5月11日(土)に開催を予定しています。詳細を知りたい方やマウスピースに関する疑問をお持ちの方は、下記URLからご応募いただき、ぜひ会場に足を運んでみてください◎

第10回 サックス マウスピース リフェイス講習会

   

【日時】2019年5月11日(土)13時~17時(リフェイス講習会)
【会場】東京・目白 東京都豊島区目白3-4-11 NCKビル5F(目白駅下車徒歩1分)
【対象】初心者~上級者、指導者、楽器店店員様 他
【人数】12名程度(最少催行人数3名)
【持参物】筆記用具、楽器(※注)
【価格】SAX CLUB会員 8,100円(税込)/一般  9,180円(税込)

途中、45分間のティータイム有り。
コーヒー、お茶、お菓子をつまみながらマウスピースQ&A座談会を行ないます。

※定員に達したため、応募を締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

*ご注意ください
本講習会は、サックスマウスピースのリフェイス方法のレクチャーに加え、ご持参いただいたマウスピースでリフェイスを行なう実践的作業がございますが、自己責任承諾のもと作業を行なってください(自信のない方は後藤氏にリフェイスの別途依頼も可)。なお、当日リフェイス作業は行なわず聴講のみの参加も可能です。聴講のみの場合も作業を行なった場合と同額の料金とさせていただきますので、ご了承ください。

 

サックス