サックス記事 シェーマス・ブレイク&三木俊雄
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THE SAX vol.73 Talk Jam 2

シェーマス・ブレイク&三木俊雄

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最も多才なジャズプレイヤーの一人として称賛されているシェーマス・ブレイクの来日公演に合わせて、THE SAX73号ではその本番前にインタビューを敢行。バークリー音楽大学時代のスクールメイト、三木俊雄氏にインタビュアーを務めてもらった。

最も多才なジャズプレイヤーの一人として称賛されているシェーマス・ブレイクが、バークリー音楽大学の同級生スコット・キンゼイ(Key)らを引き連れて来日。シェーマス・ブレイク“スーパーコンダクター”として丸の内コットンクラブでライブを行なった。THE SAX73号では、その本番前にインタビューを敢行。同時期にバークリーでサックスを学び、セッションを重ねた三木俊雄氏にインタビュアーを務めてもらった。その一部を紹介しよう。


三木 : さて、あなたの生い立ちはバイオでも見ていただくとして、今日はもう少し踏み込んで普段どんな練習をしているかを聞きたいんだけど。

シェーマス : そうだな、何も特別なことはないんだけど、僕にとって練習は「秘密兵器」を手に入れるようなものなんだ。

三木 : 例えばトランスクライブ(ソロの採譜)は? コピーしたフレーズをそのまま使うのってちょっと良心が咎めたりしない?

シェーマス : まるっきり同じのはね。でも誰かの影響を受けることについては、まったく罪悪感はないよ。これまでもいろいろなプレイヤーのトランスクライブをして影響を受けてきた。それが僕なんだ。

三木 : もちろん多かれ少なかれ誰もがそうだと思うよ。で、その「秘密兵器」について聞かせてほしいんだけど。

シェーマス : うーん、と言ってもフレーズを仕入れるというものではなく、もう少し方法論的なものでね。トランスクライブは自分の耳を鍛えるのにとても良い方法だ。中にはカート・ローゼンウィンケル(Guit)みたいにトランスクライブなんかせず何でもできてしまうようなプレイヤーもいるけど、それは彼らがすでに充分良い耳を持っているからなんだ。僕にとって外から聴こえる音が何であるかを理解するにはトランスクライブがとても役に立った。そしてときには自分のソロのトランスクライブをしてみることもあるんだ。実際の演奏では思い通りにいく場合もあれば、いかない場合もあるだろう? 本当はどういうふうに吹きたかったのかを、例えば3分の1くらいのゆっくりのスピードで注意深く吹いてみて、それを譜面に起こしてみるんだ。これは言わば自分の中に聴こえる音を理解することだね。


本誌THE SAX 73号ではさらに、マウスピース、リード、リガチャー、バンドのことなどについて、貴重なインタビューを満載!

 

三木俊雄、シェーマス・ブレイク