サックス記事 JVC SOLIDEGE × 須川展也   音楽を“聴きに行く” 喜び
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THE SAX vol.87 Gear Report

JVC SOLIDEGE × 須川展也 音楽を“聴きに行く” 喜び

GEAR

JVCより新たに登場したハイクラスヘッドホンシリーズ「CLASS-S」の新ラインアップ「SOLIDEGE」。今回最新モデル「SOLIDEGE 01 inner(HA-FD01)」を須川展也氏が徹底チェック。自身の音楽に対する向き合い方とともに語ってくれた。

JVCより新たに登場したハイクラスヘッドホンシリーズ「CLASS-S」の新ラインアップ「SOLIDEGE」。過去THE SAXでもご紹介した「WOOD」シリーズは、木の振動板を採用した美しい響きが特徴の製品だったが、「SOLIDEGE」はフルステンレスボディを採用。WOODシリーズとは異なるコンセプトを打ち出している。 (THE SAX87号より)

ともにJVCの音に対する技術が集結したモデルとなるが、今回最新モデル「SOLIDEGE 01 inner(HA-FD01)」を須川展也氏が徹底チェック。自身の音楽に対する向き合い方とともに語ってくれた。


「SOLIDEGE 01 inner(HA-FD01)」
指揮台の上と同じ臨場感。イヤホンも遂にここまできたか、と。
須川 度肝を抜かれましたよ。最初に聴いたヤマハ吹奏楽団のCDは僕がステージで指揮をしていますが、そのときに聴こえてきた音と変わらないほどの立体感を感じました。具体的に言うと、音の定位感が優れている。つまりどこの何の楽器が鳴っているのか明瞭にわかります。イヤホンでこれだけオケの臨場感を再現できるということに、ある意味ショックを受けましたね。良いヘッドホンでなければ味合うことができないと思っていた世界を、イヤホンで体感できたのですから。特に『エルカミーノ・レアル』の迫力は、ぜひ聴いてほしいですね。
自分の歌い方やこだわりがはっきり伝わるのは、演奏者として嬉しい
須川 僕のアルバム「Blue Rondo」も聴きましたが、サックスのキィの音、ギターの爪弾く音、ヴァイオリンの弦の音まで息づくようにクリアに聴こえます。また、アルバム内の『想いの届く日』でサックスが長い音を吹くのですが、次の音にどのように向かっていくか、繊細な表情の変化までしっかりとわかりました。自分の歌い方やこだわりがはっきり伝わるのは、演奏者として嬉しかったですね。ここに挙げた2枚のCDは、どちらも音のバランスや空気感など、エンジニアと徹底的にこだわって録音しています。各楽器の混ざり合った音だけでなく、その場の緊張感まで伝えたい。それが見事に叶っていると感じます。

 

“聴きにいく”楽しみを思い出させてくれた
思わず音楽に対して神経を研ぎ澄ませてしまう力があるイヤホン
須川 先ほどSOLIDEGE 01 innerを聴いて度肝を抜かれたと言いましたが、それはもう楽しくて、気付けば他のことを放ってただひたすら音楽を聴くことに没頭していました。日々時間に追われる生活をしているうちに忘れかけていた、音楽を“聴きにいく楽しみ”を呼び起こしてくれたんです。
スマートフォンなどが普及して音楽を簡単に聴ける環境が増えた現代では、意識をその音楽に集中して“聴きにいく”という行為に一手間感じるようになっている気がします。手軽に音楽を知るという意味ではとても便利な世の中になりました。しかし、そのほんの少しの手間を惜しんで“なんとなく”聴き流してしまうが故に、例えばテクニカルな方向に重きを置くなど音楽表現の方向が昔と比べて変化していると感じることがあります。
音楽って、楽譜通りに上手に吹けば良いというだけでは語れないものがあって、作り手の想いやこだわりを“聴きにいく”ことで、より音楽を理解し、感動の共有ができるようになるものです。僕自身も音楽を“聴きにいく”ことで、その曲の新たな一面を見出したり、表現方法を試行錯誤したりしていました。 みなさんもコンサート会場に足を運ぶ、この場合文字通り音楽を“聴きに行く”と、いろいろな感性が刺激されると思います。その音の空間を再現してくれるSOLIDEGE 01 innerには、思わず音楽に対して神経を研ぎ澄ませてしまう力があります。そしてこのイヤホンからその場の臨場感を得ることにより、実際にコンサート会場に行きたくなると思いますよ。吹奏楽の場合、演奏する機会は多くても演奏会を聴きに行く機会は少ないように感じます。演奏する側としては、ぜひこのイヤホンを通じて音楽を“聴きにいく”という行為を思い出してもらい、自分の感性を磨く手助けにしてもらえると嬉しいですね。
僕は仕事で旅に出ることが多いのでイヤホンは必需品です。SOLIDEGE 01 innerなら、場所を選ばずにクオリティの高い音が聴けて、そこで感性が刺激される。自分の人生を豊かにしてくれるイヤホンではないでしょうか。

 

ノズル交換で自分好みの音を
音の違いを楽しみたい人にとってはたまらない
須川 この仕組みはマニア心をくすぐりますね。チタンはクリアで明るめの音で、ブラスの方が少し音が柔らかくなる印象です。その違いを特に感じたのはヴァイオリンの音ですね。吹奏楽だと、ブラスの方は中音域がより濃厚に聴こえてきます。チタン、ステンレスに替えるとよりソリッドに聴けます。ここまでくると好みの問題ですね。楽曲によって相性もあると思いますので、より音の違いを楽しみたい人にとってはたまらないでしょう。
須川展也_jvc SOLIDEGE

 

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