サックス記事 アーシャ・ファテーエワ 来日公演情報 & インタビュー
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アーシャ・ファテーエワ 来日公演情報 & インタビュー

ARTIST

サックス界の熱い注目を浴びる才媛、アーシャ・ファテーエワが初来日! 公演直前に、日本クラシック・サックス界の新星、住谷美帆がアーシャにインタビュー!

THE SAX オンラインでは、「アーシャ・ファテーエワ サクソフォン・リサイタル」公演に先駆け、彼女へインタビューを敢行! インタビュアを務めてくれたのは、日本におけるクラシック・サクソフォン界の新星、住谷美帆氏。同世代の女性奏者という目線で、アーシャさんのバックグランドやリサイタルへの意気込みなど訊いていただいた。
(インタビュア:住谷美帆、取材協力:武蔵野文化事業団、コンサートイマジン)


音楽や芸術を愛する人に音楽を届けたい

住谷
アーシャさんがサックスを始めたきっかけは?
ア-シャ
私はまず6歳の時にピアノを始めました。父は、音楽家ではなかったのですが、ある時からサックスの勉強をしたいと思うようになったのだそうです。その数年後、私が9歳の時でしたが、父はついにサックスを買い、自分でレッスンを受けるようになりました。私は父のサックスが自宅にあるのを見つけ、吹いてみたところすぐに大好きになったのです。音を出すときの息の感覚とか、クレッシェンドができる、といったところが特に好きでした。
住谷
ドイツではどのような音楽教育を受けてきましたか?
ア-シャ
14歳の時、両親とともにドイツに移住しました。もちろん自分の意志ではなく両親の意志です。ハンブルクに住むようになりましたが、そこにはクラシック・サックスというものは当時なかったので(実はいまでもないのですがね!)、15歳の時、サックスを勉強するため一人でケルンに引っ越しました。ダニエル・ゴーティエのクラスで学びました。
その後、フランスで4年間過ごしました。パリではクロード・ドゥラングルに、モンペリエではフィリップ・ブラキャールに。そして最後にリヨンでジャン=ドニ・ミシャに師事しました。どの先生ももちろん、私にとって大切な先生でした。素晴らしい先生方に会えたことは幸せなことだといつも感謝しています。10年間が過ぎ、ドイツに戻りました。そして私はミュンスターの音楽大学で教えるようになりました。ハンブルクではなく。
アーシャ・ファテーエワ

 

住谷
今回、日本公演で演奏する曲目はどのように決めましたか?また今回の公演の聴きどころは?
ア-シャ
どの曲も特別な思い入れがあります。学生の時に出会った曲もあるし、CD録音のために準備した曲もあります。そしてカルメンは2週間にわたってオーケストラと共演した曲でもあります。カルメンはとても挑戦しがいのある曲で、今でも大好きです。
住谷
どんな方にコンサートを観てほしいですか?
ア-シャ
音楽と芸術を愛する人たちに音楽を届けたいです。そして若い人たちにも。ドイツには残念ながら若い聴衆はそれほど多くありません。若い聴衆に来てもらえるよう本当にいろいろなことに挑戦しています。
住谷
思い入れのある楽曲(得意曲など)はありますか?
ア-シャ
人生のどの時期か、あるいは人生のある瞬間によって好きな曲は変わります。
住谷
日本にはどのような印象を持っていますか? また、日本の演奏家と海外の演奏家の違いはどのようなところだとおもいますか?
ア-シャ
私は日本が好きです。素晴らしい伝統と英知があります。また、日本は他の国と違うところがあり、文化的に少し異なっているように思います。恐らく、より豊かなのだと思います。
住谷
使用楽器とそのセッティングは?それらはよく変えていますか?
ア-シャ
長い間私はヤマハの楽器を使っていて大好きでした。でも楽器は良く換えます。今はセルマーのMark VIIやMark VIといった古い楽器を使っています。この楽器を吹きこなすには情熱が必要で、なかなかうまく吹けたと思えることが少ないですね。
住谷
女性サックス奏者として演奏する上で何か意識していることはありますか?
ア-シャ
難しい質問ですね。私は私だから。例えば男性と比べてどう、などという比較はしません。自然に生きています。
住谷
体づくりは何か特別なことをしていますか?
ア-シャ
特にしていませんが、やるべきだと感じています。やらなきゃ。
住谷
1番大切にしていることは何ですか?
ア-シャ
本当に好きなこと、自由な時間、そしてやらなきゃいけないことのバランスを取ることだと思います。

Profile
Asya Fateyeva(アーシャ・ファテーエワ)

ファテーエワはこれまでに数々の賞を受賞している。2014年にはアドルフ・サックス国際コンクールで第3位入賞、2016年には権威あるECHOクラシック賞の新人賞を受賞した。またロシア、フランス、ドイツの数多くのコンクールで優勝している。2012年にはオルフェウム財団主催のドイツ音楽コンクールで優勝したほか、2015年のベレンベルク文化賞も受賞。 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス、ベルリン・フィルハーモニー、ベルリン・コンツェルトハウス、サンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場など多くの著名ホールに招待され演奏したほか、フェドセーエフ指揮ウィーン交響楽団とウィーン楽友協会で演奏。 2016年にはアリアージュ・サックスクインテットのメンバーとしてザビーネ・マイヤーと共にファンタジアと題したCDをソニー・クラシカルよりリリース。2017年にはベルリン・クラシックスよりバッハとヴィラ=ロボス作品のCDをリリースした。

 

Interviewer Profile
住谷美帆 (すみやみほ)

1995年茨城県水戸市出身。2012年第22回クラシック音楽コンクール 第1位受賞。第15回ジュニア・サクソフォンコンクール第1位受賞。2013年第15回日本ジュニア管打楽器コンクール金賞受賞。2017年第6回秋吉台音楽コンクール第1位、総合グランプリ(山口県知事賞)受賞。第34回日本管打楽器コンクール第2位受賞。学内の試験にて安宅賞を受賞。2014年度ヤマハ音楽奨学生。宗次エンジェル基金/公益社団法人日本演奏連盟新進演奏家国内奨学金制度奨学生。 明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学生。2017年度ローム ミュージック ファンデーション奨学生。東京藝術大学奨学金「宮田亮平奨学金」 奨学生。財団法人地域創造平成27・28年度公共ホール音楽活性化事業派遣アーティスト。これまでに関西フィル、藝大フィルと共演。サクソフォンを須川展也、鶴飼奈民、大石将紀、有村純親の各氏に師事。2018年3月、東京藝術大学を主席で卒業。財団法人地域創造平成27・28年度公共ホール音楽活性化事業派遣アーティスト。"Lumie Saxophone Quartet"ソプラノサクソフォン奏者。ぱんだウインドオーケストラ シーズンメンバー。TV等メディアにも出演し今注目の若手サクソフォン奏者。

 

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