二足のわらじで精力的な活動を展開する、オヤジ世代の希望の星 ジェーソン・アンドレス
THE SAX vol.88 Interview & Live Report
通訳・翻訳の仕事を本業にしながら、自身のカルテットを持ち精力的な活動を行なうジェーソン・アンドレスが、デビュー・アルバムをリリースした。多忙を極める中、着実に実力を蓄えてきたアンドレス氏に、バックグランドやCDの聴きどころなど話を伺った。
道場通いとサックスの練習に明け暮れた学生時代
- ――
- ジェーソンさんの育った環境と、日本に来られたきっかけを教えてください。
- Jason
- 私はオールバニ―市から車で45分ほど離れた田舎町で育ちました。父が柔道の先生だったこともあり、私は4歳から柔道をやらされていたのですが、それがきっかけで日本に興味を持ち、大学では日本語を専攻しました。在学中、日本に留学する機会にも恵まれました。そして大学卒業後は、就職のために日本に来たのです。それが’96年のことですね。
- ――
- サックスはいつから始めたのですか?
- Jason
- 最初は小学校の吹奏楽部でホルンをやっていたのですが、中学1年の夏頃、学校のプログラムでサックスを習う機会がありました。それでどうしてもサックスをやりたくなって、親に頼んで楽器をレンタルして、ホルンからサックスに転向したんです。ちょうどその頃から、ケニー・Gやデヴィッド・サンボーンも聴くようになって、ますますサックスに心を奪われていきましたね。
- ――
- ジェーソンさんは19歳からプロ活動をされていたそうですね。サックスを始めてからわずか6年間でどのように?
- Jason
- とにかくたくさん吹いていました。毎日放課後に3時間ほど残って練習して、家で食事と宿題を済ませたら父と道場に行く、そのような生活を繰り返していましたね。大学時代は、ベース、ギターの仲間とトリオを組んで、オリジナルを中心によく練習していました。徐々にそのトリオで人気が出てきて、仕事として演奏依頼がくるようになったんです。実はある音大のオーディションを受けたこともあって、その時の面接官がなんとジャッキー・マクリーンだったのです。ジャッキーさんのピアノに合わせてアドリブを吹くように言われたのですが、それまで聴いてきたスムーズ・ジャズとはまるで雰囲気が異なって(所謂モダン・ジャズ)、全然吹けなくて。その時ジャッキーさんから「これを練習しなさい」と、すべてのコードのパターンが書かれた手書きの譜面をいただいたのですが、それを見て初めていろいろなコードについて知ることになりました。今でも大事に持っています。
(続く)
プロフィール
Jason Andres(ジェーソン・アンドレス)
1974年3月生まれ。日本在中23年。英日・日英通訳修士号取得。2007年からボブ・ミンツァー、デヴィッド・サンボーン、ジェラルド・アルブライト、ジョシュア・レッドマンなど来日する有名なサックス奏者の通訳を務める。13歳から独学でサックスを学び、19歳でプロデビュー。2018年初旬にデビュー・アルバム「The Jason Andres Quartet -Under Your Feet-」をリリース。
CD information
「Under Your Feet」 The Jason Andres Quartet
[演奏]The Jason Andres Quartet : Jason Andres(Ts,Bs,Ss), Elia Gaitau(Pf), Jeff Curry(Bass), Zak Bond(Ds), Featuring : Hirokazu Ishida(As), Tommy Snyder(Vo)
[収録曲]Maya's Song, Brevity, Red Raven (feat. Hirokazu Ishida), Flapping Pigeons (feat. Hirokazu Ishida), Raising Blossoms, Under Your Feet (feat. Hirokazu Ishida), Backstep, Your Love (feat. Tommy Snyder)
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LIVE Report
Jason Andres Quartet with Hirokazu Ishida
1月27日(土)@WonderWall Yokohama
ジェーソン・アンドレス・カルテットが、アルトサックス奏者の石田ひろかず氏を迎え、ワンダーウォール横浜でライブを行なった。オリジナル・ブルース『Maya’s Song』でスタートし、アルバムからの楽曲を中心にライブは進んでいった。堪能な日本語でユーモアあふれるMCを絡めながら、バリトン、テナーで実にスムーズなプレイを展開するアンドレス氏。この日のドラムはオリジナルメンバーのザック氏に代わり、アラン・ナガシマ氏であったが、リズム・セクションの息もぴったりで、変拍子のオリジナル・ナンバーもセンス良く自然に聴かせてくれた。アルトの石田氏との2管フロントによるアンサンブルは常に変化に富んでいて楽しく、ソロもクライマックスになると客席から歓声がこぼれるほどだった。この後レコ初ツアーも決定しているので、多くの人にぜひ彼らの生演奏を聴いていただきたい。
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