「POLYPLUS」がデビューシングルをリリース!
Calmeraのフロントマン、辻本美博を筆頭に、各音楽シーンを代表するバンドマンたちが結集。スーパーサブバンド「POLYPLUS」、堂々のデビューシングルリリース!
POLYPLUS / limiter
ジャンルを超えたオールスターバンド「POLYPLUS」
2018年4月1日、音楽シーンに何の前触れもなく突如デビューシングルを投下したバンドがある。Calmeraのフロントマンとして名を馳せる辻本美博が、175RのドラマーYOSHIAKIとの出会いをきっかけにメンバーを集め結成したバンド、「POLYPLUS(ポリプラス)」だ。
メンバーは以下となっている。
Sax. TSUUJII(Calmera)
Key. MELTEN(JABBERLOOP / fox capture plan)
Gt. Gotti(Neighbors Complain)
Ba. YUKI(JABBERLOOP)
Dr. YOSHIAKI(175R)
“エンタメジャズ”のCalmera、“青春パンク”の175R、“クラブジャズ”のJABBERLOOP、“ジャズロック”のfox capture plan、“ブラックミュージック”のNeighbors Complainと、それぞれの音楽シーンを代表するバンドの雄たちが集まった、さながらオールスターバンドだ。
僕らにとってのスーパーサブバンド
バンド結成の経緯を振り返り辻本はこう語る。「Calmeraとして東京を拠点に活動し出した頃から、自分自身の音楽性もずっと模索してきました。4年ほど前、人の紹介でYOSHIAKIさんとはじめてお会いした時に、たまたま僕の知っているバンドが渋谷の路上でライブをやっていて、一緒にいたYOSHIAKIさんと飛び入りすることになって。会ったのも一緒に演奏したのもその時が初めてだったんですが、『この人とだったら何か面白いことが出来るんじゃないか』って直感的に思ったんです。それをきっかけに自分の中のバンド構想が少しずつ広がっていって、ひとりひとり声をかけていきました。だから集まってくれたメンバーは、僕が純粋に『この人最高だ!』って思った人たちです(笑)」。
実はPOLYPLUSは、これまでも年数回の頻度でセッションライブを行なってきた知る人ぞ知るバンドであった。それを本格始動させていく意志の現れが今回のリリースに繋がっている。「とは言っても、メインのバンドを疎かにしないという鉄の掟があります。だからPOLYPLUSは僕らにとってのスーパーサブバンドなんです」と辻本は語る。「いち音楽家としての自分のやりたいことを、Calmeraで無理に表現するのは違うなと思っていました。どのバンドもそれぞれの世界観を持っているし、その中での役割もある。だからこそ、ある種無責任にもなれる自由さがPOLYPLUSにはあって、レコーディングの時も「こういうのどう?」ってアイデアをみんなガンガン出し合って創り上げていった感じです」。
辻本自身を例にみれば、Calmeraは「エンタメジャズ」という誰にとってもわかりやすい唯一無二な音楽フォーマットを創り上げ、今の音楽シーンをばく進しているバンドだ。彼らのライブは誰が見てもとにかく“楽しい”。自分もその輪に加わりたくなるような中毒性をもっている。ある種、彼らの謳う「エンタメジャズ」というバンドの世界観は完成していると言っても過言ではない。これは同時に、オーディエンスがバンドに求めるものが確立しているとも言える。辻本以外のPOLYPLUSのメンバーを見ても、各音楽シーンの中で明確な立ち位置にいるバンドばかりだ。だからこそ、“個の音楽性”という面では制限しなければいけないこともあるだろう。POLYPLUSの魅力は、まさにその“制限”がないところにある。メンバー全員が、彼らが培った個々のスピリットを自由に落とし込むことができ、また自由にその制限を外せるところにあるのだ。
ライブミュージックとダンスミュージックの境界線
本作「release」のリード曲『limiter』は、まさにそんな彼らの音楽性を象徴する一作。疾走感ある4つ打ちのループを軸にしたダンスフォーマットにそれぞれが主張し合う、生楽器ならではのグルーヴ感をもった楽曲だ。ジャズやアシッドジャズをルーツに持つメンバーが多い中で、パンク出身のYOSHIAKIのドラムの存在が「ダンスミュージック」に絶妙な人間味を足している。
「セッション性を大事にしつつ、ライブミュージックとダンスミュージックの境界線をガンガン攻めたいですね。音楽ファンはもちろん、クラブに通うような人たちも盛り上がれるバンドサウンドでありたいです」。
確かに、ライブハウスで演奏されるライブミュージックと、クラブでDJが流すダンスミュージックは根本的な主旨が違う。前者がアーティストの発する音楽に軸が置かれているのに対し、後者は文字通り聴き手が踊れる音楽であることに軸がある。ジャズ史で見れば、この2つの境界線は、ジャズミュージシャンをリスペクトするクラブDJと、その音楽に可能性を見出したミュージシャンやアーティストによって発展してきた。日本では、1990年代にアングラ界を席巻した大沢伸一のMONDO GROSSOや、沖野修也のKYOTO JAZZ MASSIVEに代表されるDJ発信のバンドアプローチに端を発し、SLEEP WALKER、SOIL&”PIMP”SESSIONS、Quasimode、JABBERLOOPといったインストバンドの台頭によって、よりライブ性の高い音楽シーンへと移り変わっていったように思う。特に2000年以降から近年は、ジャズをルーツにした高い技術力を持ったミュージシャンが、いちアーティストとして、またはバンドとして、その音楽性を発展させてきた。
そんなシーンの流れを汲んだ上で、POLYPLUSのバンドサウンドである。これまでにも、ジャンルレスな音楽性を謳うバンドはあったし、常にクロスオーバーしてきた音楽シーンでもある。だが、パンク、ロック、R&B、ジャズといったように多用な音楽ジャンルをバックボーンに持つメンバーが集まったバンドは、おそらくそうないだろう。“スーパーサブバンド”という言葉には、まだ見ぬものへの彼ら自身のワクワク感も含まれているように思う。そんなバンドの多様性を表すかのように、同シングルの他2曲も、タイトでファンキーな『ratz』、メロウでアーバンな『late at night』と、『limiter』とはまったく異なる顔を見せ、音楽の幅の広さをのぞかせる。
偶然から生まれた必然
これは余談だが、「POLYPLUS」の「POLY-」とは英語で、個である単体が複数で結びついた際の「多-」を表す接頭語である(ポリ-リズム、ポリ-エチレン、ポリ-エステルetc.)。POLYPLUSというバンド名は、最初に出来上がった曲がポリリズムであり、スタジオで借りたキーボードのキーが2度上がっていたからという偶発的な出来事に起因するというが、その名は諮らずも、各音楽シーンで活躍する個が集まり、様々な音楽要素を自由にプラスしていった時に、どんな結合をし、どんな化学反応が生まれるのかという実験性を匂わせる。それは今のバンド界を賑わすオールスター級のバンドマンたちによる、ダンスミュージックへの挑戦であり、自由で新しい音楽解釈なのだ。
所属レーベルは、orange pekoe、TRI4THをはじめ、J-JAZZシーンに話題を投入しつづけるPlaywrightが担っており、そのあたりの今後の展開にも要注目だ。音源配信は4月1日にされており、4月10日からタワレコ限定でCD版も発売開始。5月15日には渋谷のclubasia(エイジア)でのリリースパーティを予定しているというPOLYPLUS。ぜひ、その目で、耳で、体で体感してもらいたい。
POLYPLUS/『release』
02. ratz
03. late at night
<POLYPLUS情報>
【Twitter】
@polyplusjp
【所属レーベル】
http://www.playwright.jp/artist/polyplus.html
【初音源ダウンロード】
https://itunes.apple.com/jp/album/limiter-single/1362459580?app=itunes%20
【4/10 発売タワレコ限定CD(枚数限定)】
http://tower.jp/article/feature_item/2018/04/01/0102
【POLYPLUS “release” Release Party!!】
http://asia.iflyer.jp/venue/flyer/301794