サックス記事 アーシャ・ファテーエワ & 住谷美帆 〜クラシックサックス次世代女性プレイヤーの初対談!
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THE SAX vol.89

アーシャ・ファテーエワ & 住谷美帆 〜クラシックサックス次世代女性プレイヤーの初対談!

ARTIST

若手サックス奏者の登竜門として知られるアドルフ・サックス国際コンクールで女性初の入賞(第3位)を果たした美貌のサックス奏者 アーシャ・ファテーエワと、こちらも才色兼備のプレイヤー住谷美帆との初対談が実現!

若手サックス奏者の登竜門として知られるアドルフ・サックス国際コンクールで女性初の入賞(第3位)を果たした美貌のサックス奏者 アーシャ・ファテーエワが、3月に武蔵野文化市民会館(東京都)で初来日公演を果たした。そんな彼女の存在を以前から気にかけていたという、こちらも才色兼備のプレイヤーアーシャ美帆との初対談が実現した!(取材協力:武蔵野文化事業団、コンサートイマジン、島村楽器新宿PePe店/通訳:山根悟郎)

バランスの良い演奏プログラム

住谷
はじめまして、サックス奏者の住谷美帆です。昨日の武蔵野市民文化会館での演奏、とても素晴らしかったです。実は私、3年ほど前にもアーシャさんの演奏を聴いたことがあるんです。ドイツのエオルス国際管楽器コンクールでリハーサルから聴いていたのですが、それまでざわついていた会場が急に静かになるほど、それはもう圧巻でした。
Asya
ありがとう、嬉しいわ。
住谷
今回日本でのプログラムは、どのように選曲しましたか?
Asya
まず最初は、フランスの重要な曲で始めたかったんです。前半は硬派な選曲で、後半はそればかりだとお客さんも疲れてしまうから少し柔らかい雰囲気の楽曲を選びました。最後は、私の大好きな楽曲、『カルメン幻想曲』で締めくくりました。
住谷
とても明確なコンセプトですね。お客さんもそれに反応していましたし、すごく良いコンサートでした。特にボルヌの『カルメン幻想曲』は私もやったことがあるのですが、アーシャさんは暗譜で演奏されていたこともあって見入ってしまいました。
Asya
アーシャ そう言ってもらえて、とても幸せだわ。サックスのオリジナル曲って、演奏される機会がヨーロッパでも少ないので、大切にしていきたいと思っているんです。暗譜することは大事だと思うし、いい演奏に繋がると信じてやっています。
住谷
ケクランのエチュードをプログラムの中盤に挟んでいましたね。そういった曲順もとてもいいなと思いましたし、コンサートでエチュードをやっても良いんだという新たな発見もありました。
Asya
どうしてそう思うの?
住谷
エチュード=練習曲なので、今までの私にはそういったエチュードをコンサートに取り入れるという発想がなかったんです。
Asya
エチュードはどの曲もきれいなタイトルが付いているし、私はよくコンサートにエチュードを取り入れていますね。 今回のコンサートに関しては、まず素晴らしいホールだったことと、照明が暗かったことも演奏に良い影響を与えてくれました。聴衆との間に距離がなくて、繋がっている感じも良かったですね。
住谷
海外と日本で、観客の反応に違いを感じましたか?
Asya
日本の観客は、とても丁寧に聴いてくれます。拍手の響き方も、他の国のそれとはちょっと違いますね。あとびっくりしたのは、ステージの緞帳が上がったときに、ほとんどの人がマスクをしていたこと!
住谷
笑! それは日本ならではかもしれませんね。

(次ページへ続く)

・ドイツのクラシック・サックス事情

・自分自身の音を探し求めること

・かゆいところに手がとどく日本製品

・コンクールがすべてではない

 


Profile
Asya fFateyeva(アーシャ・ファテーエワ)
1990年クリミア生まれ。父親はプロのフットボール選手。6歳よりピアノを、10歳からサックスを始める。2014年にはアドルフ・サックス国際コンクールで第3位入賞、2016年には権威あるECHOクラシック賞の新人賞を受賞した。またロシア、フランス、ドイツの数多くのコンクールで優勝している。2012年にはオルフェウム財団主催のドイツ音楽コンクールで優勝したほか、2015年のベレンベルク文化賞も受賞。 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス、ベルリン・フィルハーモニー、ベルリン・コンツェルトハウス、サンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場など多くの著名ホールに招待され演奏したほか、フェドセーエフ指揮ウィーン交響楽団とウィーン楽友協会で演奏。 2016年にはアリアージュ・サックスクインテットのメンバーとしてザビーネ・マイヤーと共にファンタジアと題したCDをソニー・クラシカルよりリリース。2017年にはベルリン・クラシックスよりバッハとヴィラ=ロボス作品のCDをリリースした。br />

 

住谷美帆(すみやみほ)
1995年茨城県水戸市出身。2012年第22回クラシック音楽コンクール 第1位受賞。第15回ジュニア・サクソフォンコンクール第1位受賞。2013年第15回日本ジュニア管打楽器コンクール金賞受賞。2017年第6回秋吉台音楽コンクール第1位、総合グランプリ(山口県知事賞)受賞。第34回日本管打楽器コンクール第2位受賞。学内の試験にて安宅賞を受賞。2014年度ヤマハ音楽奨学生。宗次エンジェル基金/公益社団法人日本演奏連盟新進演奏家国内奨学金制度奨学生。 明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学生。2017年度ローム ミュージック ファンデーション奨学生。東京藝術大学奨学金「宮田亮平奨学金」 奨学生。財団法人地域創造平成27・28年度公共ホール音楽活性化事業派遣アーティスト。これまでに関西フィル、藝大フィルと共演。サクソフォンを須川展也、鶴飼奈民、大石将紀、有村純親の各氏に師事。2018年3月、東京藝術大学を首席で卒業。アカンサス音楽賞受賞。財団法人地域創造平成27・28年度公共ホール音楽活性化事業派遣アーティスト。"Lumie Saxophone Quartet"ソプラノサクソフォン奏者。ぱんだウインドオーケストラ シーズンメンバー。TV等メディアにも出演し今注目の若手サクソフォン奏者。
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