サックス記事 須川展也が 長年使い続ける 練習グッズ 大公開 JVCレッスンマスター
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THE SAX vol.89

須川展也が 長年使い続ける 練習グッズ 大公開 JVCレッスンマスター

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クラシックサックス界のトップを走り続ける須川展也氏が、自身の練習に欠かせないと言うアイテム、「レッスンマスター」について、その魅力を語ってもらった

クラシックサックス界のトップを走り続ける須川展也氏が、自身の練習に欠かせないと言うアイテム。長年愛用し続けているというJVCの音楽練習用ポータブルレコーダー「レッスンマスター」について、その魅力を語ってもらった。
(取材協力:Classic Studio・GALLERY STUDIO 1619・)

 

様々なことに気付かせてくれる、師匠のような存在です

 
――
須川さんがレッスンマスターを知ったきっかけは?
須川
このモデル(RD-R2。現行のRD-R20にあたるモデル)が出た当初に買ったので、もう6、7年前くらいになるかもしれません。楽器店に行ったときにたまたま店頭に置いてあって、しっかりした作りのスピーカーを見たときに、「これは自分のやりたいことが全部できるな」と感じて即決で購入しました。練習しているときは一秒でも惜しいので、“手軽に操作できて、録ってその場ですぐに聴ける”というのが僕にとって重要なポイントでした。

大事な作品たちはレッスンマスターで作り込んでいく

――
普段はRD-R2をどのようにお使いですか?
須川
自宅に防音室が2つあって、それぞれに常置しています。一つは妻でピアニストの小柳美奈子のものです。苦手なフレーズを自分はどう吹いているのか、メトロノームと一緒に録音してどのくらいズレているかなどチェックします。特に新しいレパートリーを練習するときや、レコーディングの前はかなり念入りに確認しますね。例えば僕のアルバム「Masterpieces」のレコーディングに向けた練習時は、作曲家の世界に近づくために、レッスンマスターを使って数小節ずつ録っては聴いてを繰り返しニュアンスを決めていきました。実際のレコーディングが少ないテイク数で終われたのは、このおかげだと思っています。
――
須川さんでも普段から自分の演奏を録音して聴きながら練習しているのですね。
須川
ときには凹みながらやっていますよ(笑)。自分を客観的に知っておくことは大事で、かと言って「ダメだダメだ」と責めすぎるのも良くない。その雰囲気が本番で伝わり、演奏が硬くなり違う方向にいってしまいますからね。ですから本番直前はあえて録音しません。ストイックに突き詰めるときとの使い分けが大切です。
――
レッスンマスターの音質はどうでしょうか?
須川
ベルの近くに置いて録ることが多いですが、自分の生音のニュアンスがすべて聴こえてくるし、リードの状態までわかります。再生するスピーカーの良さは一見してわかりましたが、マイクのクオリティも非常に高い。ホールで録っても間違いなく良い音で録れるでしょう。
――
他に使っている機能はありますか?
須川
CDにしたときのイメージをつかむために、リバーブ機能を使うことがあります。ただし、普段の練習時はありのままの音を厳しくチェックするためにこの機能は使いません。あとは再生力が素晴らしいので、バックトラックを流してそれに合わせて吹いたこともあります。
基本的に僕はシンプルな使い方しかしていないのですが、実はすごく多機能ですよね。チューナー・メトロノームも付いているし、スピードコントロール機能で音程はそのままにゆっくり再生することができます。重ね録音もできますよね。電池駆動だから、もしもの時にラジオが聴けるのもいい!

直感ですぐに使える

――
レッスンマスターの一押しポイントを挙げるとしたらどんなところでしょう?
須川
やはりいちいち見なくても直感ですぐに操作できる手軽さですね。僕はカセットレコーダーの世代ですが、その感覚でパッと簡単に使えるんですよ。セッティングの手間がないので、ちょっとやろうと思ったときにすぐに使えます。録った音がそのままワンタッチで聴けるのもいいですよね。こういった部分が、切羽詰まった練習をしているときにありがたい。奏者の気持ちを汲んでくれていて、開発の人にありがとうと言いたいですよ。また、長年使っていますが一度も壊れたことがありません。手軽だけどすべての品質にこだわっていることがよくわかります。
――
須川さんの中で、レッスンマスターはとても大きな存在なのですね。
須川
もう生活の一部になっています。機械とは言え、僕にいろいろなことを教えてくれる、友であり師匠のような存在ですね。宝物です。

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登場するアーティスト
画像

須川展也
Nobuya Sugawa

日本が世界に誇るサクソフォン奏者。そのハイレベルな演奏と、自身が開拓してきた唯一無二のレパートリーが国際的に熱狂的な支持を集めている。デビュー以来、長年にわたり同時代の名だたる作曲家への作品委嘱を続けており、その多くが国際的に広まっている。近年では坂本龍一『Fantasia』、チック・コリア『Florida to Tokyo』、ファジル・サイ『組曲』『サクソフォン協奏曲』等。東京藝術大学卒業。第51回日本音楽コンクール、第1回日本管打楽器コンクール最高位受賞。出光音楽賞、村松賞を受賞。98年JTのTVCM、02年NHK連続テレビ小説「さくら」のテーマ演奏をはじめ、TV、ラジオへの出演も多い。89年から2010年まで東京佼成ウインドオーケストラのコンサートマスターを務めた。最新CDは16年発売の「マスターピーシーズ」(チック・コリア/ファジル・サイ/吉松隆)。トルヴェール・クヮルテットのメンバー、ヤマハ吹奏楽団常任指揮者、イイヅカ☆ブラスフェスティバル・ミュージックディレクター、静岡市清水文化会館音楽アドバイザー&マリナート・ウインズ音楽監督。東京藝術大学招聘教授、京都市立芸術大学客員教授。

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