サックス記事 「AFFECTION」サキソフォビア
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THE SAX vol.113│Disc Review【JAZZ】

「AFFECTION」サキソフォビア

MUSIC

「AFFECTION」サキソフォビア

【MH-1124】¥3,000
モックヒル・レコード
[演奏]緑川英徳(A.Sax)、吉本章紘(T.Sax,Cl)、岡 淳(T.Sax,Fl,篠笛)、井上 Juju ヒロシ(B.Sax,Fl)
[収録曲]April in Paris (Vernon Duke)、Pygmie Song (Oka Makoto)、Crazy Rabbit (Yoshimoto Akihiro)、Affection (Inoue Juju Hiroshi)、Cool Struttin’ (Sonny Clark)、Misty (Erroll Garner)、夏のそり遊び (Oka Makoto)、Dark Chime (Yoshimoto Akihiro)、星めぐりの歌 (宮澤賢治)、Mellow Saxophone (Robert Blackwell)

 

サキソフォビア5年ぶりとなる待望のアルバム「AFFECTION」がリリース。メンバーに吉本章紘を迎えた初の作品となる本作は、岩手県一関市千厩町の山間にある一軒家「音楽水車工房」の納屋で収録された。“ジャズ”と“納屋”──相容れなさそうな「音楽水車工房」では、トタン葺きの小屋の窓を開け放ち自然の香りをいっぱいに吸い込んで、虫の声も音楽の一部となる、まさにその時その場所でしか起こり得ないサイトスペシフィックなレコーディングになったという。
サキソフォビアといえば、楽器の組み合わせだけでアレンジするのではなく、メンバーの個性に合わせてなされ、またフルートや篠笛なども駆使したサウンドが魅力。今作でもその魅力は十二分に発揮され、オリジナル曲、スタンダードナンバーから宮沢賢治まで、バラエティに富んだ選曲をサキソフォビア・サウンドにまとめ上げている。「おへそのあな」「いいからいいから」などの作品で知られる絵本作家の長谷川義史による描き下ろしアルバムジャケットも見どころの一つ。

 

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